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きみと一緒に居たいから  作者: 桜星 夢
第一章学園最強決定戦
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vs氷華

準決勝が始まり、青葉さんから飛んでくる氷を私は処理するので、手一杯だった。


「こんなに沢山の氷を簡単に作れるなんて、青葉さん貴女強いのね!」


「あ、ありがとうございます。でも捌ける夏風さんもその……お強いです」


褒められた!! ちょっと嬉しい! ……だけど私は、こんなところで負けれない! 意を決して突っ込む。


「突っ込むなんて……無駄……ですよ!アイス・レイン!!」


 今まで正面から来ていた氷は、雨のように空から降ってくる。


「そんなこともできるのね!」


 私は避けながら進むが、上から降ってくる氷を、すべて避けきることはできずに。


『グサ!』


 グサリと私の横腹に、氷の雨が刺さる。


「く……痛いなぁ」


「……プリズマよ私に氷のご加護を!」


 青葉さんは、プリズマに唱え始める。でっかいのがくるな。これは……避けなきゃ……いけないのに!


「動きが……」


 刺された場所から、氷がパキパキと身体を凍らせてきた。


「終わりです! アイス・インパクト!!」


 空から特大の氷の塊が落ちてくる! ……避けれない!


「……っ!」


『ドカァァアアアン!』


 ものすごい音と共に、私を押し潰す。


ーー『私自身ならね』


「……後ろがら空きだよ!」


 試合開始から、作っておいた分身で戦っておいて良かった。相手の情報を知らない以上、この戦い方が最善だと思っている。


「はぁぁあ!」


 私は、青葉さんの背中を浅めに切り刻む!


「……う!に、偽物作れるのですね……」


 もう一振りしたが、青葉さんは華麗にかわして、すぐさま距離を取る。


「これを避けるのね……!でも次は逃さないよ!」


 私は再び青葉さんに、臨戦態勢をとる。


「私だって……!」


 青葉さんは切り刻んだ傷口に手をかざすと、氷で張り巡らせ止血する。


「……ま、負けません!」


 私は青葉さんの強さに、ニヤついてしまう。どうしよう楽しい!


「アイス・レイン!!」


 再び氷の雨が降る。先程よりも数が圧倒的に増えていた。


「でも、この技はさっきも見たよ!」


 私は、無数の氷の雨を避けながら進む!今度は当たらない!


「プリズマよ……」


 さっきのパターン! 何回も通じると思ってるの!?


 私は詠唱中の青葉さんの懐に入り、刃を振りかざす!


「これで……!おわり……!」


『パキーーーン!!』


 何が起こったの? 気づけば、私は氷の中に閉じ込められていた。


「フリーズ・イン……。私の詠唱なしで打てるお気に入りの技です」


 青葉さんは一つ息を整えると……。


「プリズマよ!! 私に氷のご加護を!」


 詠唱を始め杖に氷の粒が(まと)い始め……。


「いきます! レイン・オブ・インパクト!!」


 氷の光線が、凍った私に襲い掛かる!


『ドカァアアアン!!!』


 衝撃と共に、無数の氷の粒がヒラヒラと舞い散る…。観客誰もが決着がついたと息を呑むが…


「私はねー! まだ分身を作れるんだよ!!」


 空中にいた私は急降下し、青葉さんに刃を振ろうとするも……。


「……そ、想定済みです!」


 ヒラヒラと舞い散る氷の粒……。次の瞬間、その粒たちは、空中にいる私の方へ向きを変える!


「地から天へ! アイス・レイン!!」


 無数の氷の雨が、地面から空中へ向かってくる! 私は避けれず、何発か身体に突き刺さり落下してしまう。


「うぐ……」


「次で決めます!」


 青葉さんは詠唱に入る。まずいなぁ……強いなぁ……


 あー……。使わなきゃ勝てないなぁこれ。


私が嫌いな詠唱……。それはこの世界に漂うプリズマに向かって、いや、プリズマを作った少女に向かって、唱える詠唱……。これ嫌いなんだよなぁ……。


「プリズマよ……私に……『罪』のご加護を」


 青葉さんに、聞こえないくらいの小さな声で、唱え始める。体外にある無数のプリズマは、こうやって唱えなきゃ反応してくれない…。


 『罪』それは、私がいつか殺そうとしてるあいつ、きっと人……。だから私は、人殺しになろうとしてるから、自分でつけた…。きっとお父さん、お母さんは喜ばない……だから『罪』という名前にした。


「……! 剣にプリズマが!」


 詠唱中の青葉さんは、私の異変に反応する。


「……っ! レイン・オブ・インパクト!!」


 詠唱が完了し、再び氷の光線が私に襲い掛かろうとする。


(あぁ身体が重い……)


 氷の雨が突き刺さった場所からは、また氷が張られていた……。だけど!


(この程度で……! 私の『罪』を抑えられると思わないで!)


『パキ……パキ……!』


「そんな! 身体についた氷を剥がしてるなんて……!」


 全ては剥がせないか……。でも少しは身体が軽くなったなぁ……。これでいける!


 私は光り輝く剣を構え、光線に突っ込む!

 

「はぁああ! ジャッジメント・キル!!」


 どんな審判も私がねじ伏せ、あいつを殺す!誰に何言われようと必ず!そんな意味を込めた名前だ。


 二つの剣から放たれし光の刃は、一つになってより大きな刃となり、いともたやすく光線を真っ二つにして、青葉さん向かって突き進む!


「……っ! アイス・シールド!」


 大きな氷の壁が、青葉さんの前に立ち塞がり、光の刃を防ごうとする。


『ドゴォォオオオン!』


 氷の壁にぶち当たった光の刃は、それさえ破壊する!


「そ、そんな!!」


「いっけぇぇえええええ!」


 少し凍ったボロボロの私は、大声で叫ぶ!


「……がは!!」


 青葉さんに当たった光の刃は、勢いそのままに場外まで吹っ飛ばす……。


「はぁ……はぁ……はぁ……」


 青葉さんが場外に倒れたのを見て、私もその場に倒れた……。

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