表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
きみと一緒に居たいから  作者: 桜星 夢
夏だ! 海だ! 合宿だ!
33/35

進化

合宿五日目。


 今日も晴天。暑い日差しが私の肌に当たる。


「はぁ…はぁ…はぁ」


 私はなんとか自身を含め二人まで同時に出すことができるようになったけど……。


「空、焦ってない? 焦ってるでしょ?」


 その言葉が胸に刺さる。もう五日目……。七日間しかない合宿は終盤にかかっていた。


「すみません……ちょっと休憩します」


 私はパラソルの中に入り水分を取る。


「ぷはっー!」


 真夏に冷たい水は本当に美味しい。


「夏風さん。大丈夫?」


 野々原先生も気にかけてくれていた。


「はい!大丈夫です!」


「それなら……。でも無理しないんだよ」


大丈夫です!絶対に乗り越えますから。


 にっちゃんが砂浜を走っていた。綺麗な横顔。


「よし!」


 私はにっちゃんの顔を見て元気を取り戻し、西谷さんの元へ戻る。


 ……二日目の夕方から氷華ちゃんのは居なくなった。


ーーーー


二日目の夕方。


「あれ?氷華ちゃんは?」


 そういえばさっきから見かけないな。


「氷華は僕が少し預かる。風馬いいよね?」


 宮里さんが高城さんと話してる声が聞こえた。


「……分かった。だが分かってると思うが、氷華はまだ十三だ。あまり厳しくするなよ」


「分かってるって!」


 月城さんに笑顔で笑うと、西谷さんに抱きつく。


「由未少しだけ離れるけど大丈夫?」


「うん。寂しいけど……待ってるね」


 この二人は本当に愛し合ってるんだな。


「ありがとう」


 宮里さんはゆっくりと西谷さんにハグをする。


『バサッ』


 二つの大きな翼が二人を包み込む。


「きれい」


 美羽は大天使の光景に見惚れていた。


確かに……綺麗だった。


「それじゃあいってくるね!風馬、由衣、由未を頼んだよ!」


「うん!」


 野々原先生が頷くと、宮里さんは翼を広げて飛び立っていった。


「氷華ちゃん大丈夫かな」


にっちゃんも心配そうにしていた。


「大丈夫だと……いいね」


 大天使は強い。おそらく特訓なんだろうけど、氷華ちゃんの体力もまだまだ幼いし、耐えれるのかな。


「さて、ご飯にしましょうか」


 こうして氷華ちゃんは宮里さんとどこかへいった……。


ーーーー


私も負けてられないな!


「氷華ちゃんが頑張っているんだもの。私も頑張らなくっちゃね!」


 頬を叩き、西谷さんを見つける。


「空、実践形式でやろうか」


「いいですよ!」


 私はすぐさま武器を構える。


「私じゃなくて……風馬」


「俺?」


 私たちを見てた月城さんを西谷さんは見つめる。


「うん……。私じゃなくて、憧れてる英雄なら少しは力が出るかなって、私と戦うと殺気になるから」


「……分かった」


 一つ月城さんは頷き私と間合いを取る。


「全力でこい! 空!」


英雄と戦えるなんて!


「はい!」


気持ちが入る!


「いきます!」


 私は月城さんに向かって走り出す!


『ブン!』


 二人の私が月城さんに武器を振る。


……が


「二人ぐらい慣れてるぞ!」


 二人同時なのに槍を持ち綺麗に捌く。


(やっぱりすごいなぁ!)


「アサルト・ハント!」


 槍にプリズマを注ぎ。


『ブン!』


 私に向かって槍を振るう。


「やっぱり偽物だよな!」


 二人の私は消え……。


「やぁあああ!」


 真後ろをとった私は剣を振りかざす!


「甘いぞ!」


 すぐに反応した月城さんは後ろを振り向き槍を突き刺そうとする!


(そのギリギリを狙って! 冷静に!)


『シュン! シュン!』


「な!」


 左右に再び分身を作る。


『スカ!』


 突き刺した分身が消える!


「いいな! 空!」


 月城さんは笑顔で笑っていた。


(勝ちたい! 憧れたら負ける! 私は!)


「もっと強くなりたい!」


 私の言葉に月城さんはニヤける。


「アサルト・ハント!」


 再び槍を振る……が!


「全部偽物だと!?」


 目の前にいた私は全て消える!


「プリズマよ! 私に罪のご加護を!」


 空中で落下し始めてる私はプリズマに詠唱する。


「上か!」


反応早い!でも!


「ジャッジメント・キル!」


 放った二つの光の刃は一つになり月城さん向かって駆け抜ける!


「こんなの!」


 槍と光の刃がぶつかり合う。


「いけぇえええ!」


『ドゴォオオオオン!』


 衝撃波で私は吹っ飛ばされるも、なんとか立つ。


「はぁ…はぁ…はぁ」


 初めての感覚だったけど! 追い込めた!


「やるじゃん。空」


 煙が収まると少し傷を負った月城さんがいた。


「空、かっこよかった」

 

 西谷さんも褒めてくれた。


 戦えた! 私も英雄と!


「ここまで冷静に戦えるなら、大丈夫だろう」


「何がですか?」


「プリズマ化だ」


 そうだ、この合宿のノルマ。今なら……。


「ふぅ〜」


 私は息を吐く。今までの気持ちをまとめる。


私は天使たちを許せない。でもこうして力をつけさせてくれた。お父さんこれからも色々苦難満ち溢れる事になると思うけど……。私の人生を見守っててね。


『シュワァ』


 ゆっくりと二つの剣が光の粒となり消える。


「できたね」


「……西谷さん、月城さんありがとうございます」


 私は二人にお辞儀する。一人は憎き相手だけど、やっぱり感謝しなくちゃいけない……。


「ん。良かったね」


「一つの進化だな」


 こうして私は新たな力を身につけた。


ーーーー


「はぁ…はぁ」


「美羽……」


「もう一回よ!」


「無理しないで」


 ニエに言われるけど……ウチは!


「きみと同じ気持ちになったから!もっと強くなりたいの! あなたみたいなーーーーーー」


 ランニング中だったニエを捕まえて森の中で戦っていた。本当に勝てない。それに詠唱も掴めない。


「分かったわ。もう一度よ」


ウチは再びニエに向かって矢を放った。

いつも応援ありがとうございます!

良ければいいねや感想、ブックマーク

お願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ