王都への道のり
王都へ向かう途中で、小さな宿場町に立ち寄りました。この道を進む者は誰もがここで宿を取るので、当然ユーディット様達もここで一泊していきました。
「いらっしゃい! ここはかの有名な冒険者ユーディットが泊まった宿だよ」
丁度よく目当ての宿が客引きをしていました。これは幸先がいい。
「是非泊めて下さい。出来ればユーディット様達のお話を聞かせて頂きたいのですが」
声を掛けると、客引きの女性はとても嬉しそうな笑顔を見せて私を迎え入れてくれました。
「どうぞ、吟遊詩人さん! もしかして、もう英雄の詩を作ってるのかい?」
「ええ、誰よりも早く彼女達の活躍を詩にしたいと思いまして」
「そりゃいいね! この宿の事も詩にしとくれよ」
宿の女将さんも同じように笑顔で迎えてくれました。話を聞くと、どうやらこの宿場町でもユーディット様達は人助けをしていたようです。
「この近くの洞窟に盗賊がアジトを作って、旅人を襲っていたんです。それをユーディットさんが退治してくれました」
その洞窟はすぐ近くにあるとの事なので、夕飯を待つ時間で見物しに行きました。
「なるほど、これは盗賊が潜むのにおあつらえ向きだ」
洞窟の内壁は意外と丈夫で、恐らく盗賊が商隊から奪ったであろう木箱などが乱雑に積み上げられていました。
「激しい戦闘の痕がある……ここで盗賊達と戦ったのか」
少し広くなっている場所で、地面に刻まれた足跡や壁の傷などを見てここで行われたであろう戦闘に思いを馳せました。
――――――
王都は遠く、勇者達は宿場町で一休み。
だがここにも見過ごせない悪の影。
旅人を狙う盗賊団が洞くつに潜み、宿場の者達を悩ませる。
話を聞いたユーディット、すぐさま盗賊退治に乗り出した。
洞窟で待つは慈悲なき盗賊、その数なんと百を超え。暗い洞窟で人間達の激しい戦いが始まった。
数は多くとも所詮は盗賊、数を頼みに勇者達に襲い掛かるも獅子奮迅の勇者達には到底敵わず次から次へと倒れ伏す。
ついに全ての盗賊を打ち倒し、宿へと戻る勇者達。王都への道のりは、彼女達の活躍によって安全を取り戻したのであった。
――――――
「さあ、私も宿に戻ろう」
宿に戻った私は、思ったより豪勢な食事でもてなされ良い気分で床についたのでした。
全ての客に同じ対応をしているのかは不明ですが、詩を残す時には「良い宿だった」と付け加える事にしましょう。