闇の肆
一日遅れました…少し長いですが、よろしくお願いします。
「門があるのは異世界っぽい…のか?」
高い壁に囲まれた町と言えば良いのか?まあ、魔物の様なものが徘徊する世界だから、ある程度は予想出来てはいたのだが。確かに、ダークアイで確認していた通りではある。だが、どちらかと言うと、素朴な村のようなものをイメージしてしまっていたせいか、いまいち…まあ、勝手なイメージをしていた俺が悪いという事にしておこうか。
「ここまですんなり来れたよね?あんな危険そうな生き物が徘徊していたのに…これって、やっぱり海が何かしたんだよね?」
「その通りだ。万が一にも、お前たちに怪我でもさせたら大変だろう?俺は、石橋を叩いて渡るのを悪い事だと思わないタイプだからな」
叩き過ぎて壊れたらそれはそれだろ?耐久力に問題ありだったと言う事だ。もちろん、自分が落下するなんて間抜けな事はしない。だが…敢えて町の中まではダークアイを飛ばさなかった。理由は単純、俺はまだ探検心を無くしていなかったと言う事だ。もちろん、俺の能力なら万が一にも女性陣に怪我をさせないだろうと言う自信もあった。本当にチートだからな…
「さすがです!海さん!」
「さすがだね!海ちゃん!!」
「海様、さっすが~♪」
美乃梨が正面、左から向日葵、右から美海実と連続で抱き着いて来た。ここで忘れてはならないのが、3人とも俺の作った特製服である闇壁服(今命名した)を着ている事だ。俺にとっては、裸で抱き着かれているようなものだという事だ…ご馳走様ですね!!
「3人とも、服の違和感が門番にバレると面倒だ。ちゃんと落ち着いたら相手をするから離れてくれると助かるよ」
3人ともに、それぞれ「はーい」と返事をして素直に離れてくれた。まあ、俺的には複雑ですけどな…いや、健全な男子なら仕方ないと思いません?
「さて、門番が話の通じる相手だと良いんだがな…」
移動し、門番と思われる人物に止められる前に声をかけた。言葉が通じないと言うオチだった場合は、色々考え直さねばならないしな。
「すまないが、ここの門はどうやったら通して貰えるか教えてくれるか?」
謝る事から入るのは、日本人の癖みたいなものだなぁと後から思った。
「なんだ?この町の人間ではないな?」
「ちょっと訳ありで流れて来たとでも思ってくれ」
「なるほどな…しかし、随分大所帯だな?」
「ああ、全員俺の女だから手を出すなよ?」
「な!?そ、そうか…大富豪の息子だったりするのか?」
「そんなんじゃないがまあ…その内分かるって事にしておいてくれると助かる」
説明出来るものじゃないしな…異世界転移しました!とか、通じるの地球くらいだろ?多分…しかし、言葉が通じて本当に良かった。通じなかったら、暗黒王子のチート技で何とか出来るのを探すしかない所だ…候補はあるが、確実じゃないから危なかったかもな…
「どちらにしろ、確かな身分を証明するものを提示してもらえないと通す事は出来ないぞ?」
「他の町からの流れ者などで、持ってない奴もいるんじゃないのか?」
「確かに、他にも方法はあるにはあるが…はっきり言って、町の秩序を維持するためと言う名目の基、法外な金額を支払う事になるぞ?」
「実は、無一文なんだが?」
「それは困ったな…」
一緒に困ってくれるとは愉快な門番だな?って、冗談はさておき、困った事になったな。こうなったら、多少目立っても仕方ないからプランBで行こう。
「そこの森に居た魔物じゃ金にはならないのか?」
「なに?倒したのか!?」
「ああ、相手にもならなかったな」
「ま、まさか一人で倒したのか!?」
「そのまさかだな」
「・・・いや、待て。どこに魔物の死体があるんだ?」
どうするか?収納魔法のような物がこの世界にあるのか?そして、それの価値はどれくらいか?それ如何によっては面倒事を引き寄せる事になるが…
ちらっと女性陣を見る。彼女たちは、非常にリラックスしてお喋りすらしている娘もいた。きっと、暗黒王子なら何とかしてくれると信じているのだろう。つまり、彼女たちが俺の最優先って事で行くしかないな。まあ、暗黒王子の力なら町全体を相手にしても何とかなるだろう。
「収納魔法を使えるんだ、そこに多数の魔物を放り込んである」
「収納魔法の使い手だと!?そんな人材が何故この町に…」
ふむ、適当に言っている割には正解を引いているようだな。まず、魔物っぽいやつらは魔物で合っていたと。そして、収納魔法が存在するようだし、魔法も存在するって事は…俺は、闇魔法使いで良いかね?それで行ってみるか。
「俺は闇魔法使いでな、ちょっとしたいざこざがあって彼女たち一緒に元居た場所から移動して来たんだ。こちらの町で受け入れて貰えると助かるんだが?」
「闇魔法!?謎に包まれた能力が多いと聞いたことがある。術が多彩過ぎて使い手次第だという事もな。その分、達人級の使い手になると魔物の群れすら寄せ付けずに討伐出来ると言う噂にもなるくらいだが…真実なのか?」
「他の使い手には会った事がないから分からないが、俺ならそこの森クラスの魔物の群れごときなら、近付く時間すら与えずに始末出来るな」
「そ、それほどの…本当なら、この町にはぜひ欲しい逸材だ。待っててくれ、俺がこの町のギルドに案内しよう」
「ギルド?」
「知らないのか?お前の町にも会っただろ?全てを統括するギルドが、全ての町にあるはずなんだが…?」
「ああ、あの五月蠅い連中か…名前何て忘れていたな」
「はは…五月蠅い連中か。どうやら、前の町では好き放題やっていたようだな?」
「ご想像にお任せしよう」
内心ドキドキの綱渡りな会話が続いている。堂々と受け答えしているように周りからは見えるだろうが、小心者の俺は変な事を言って追い出されないか?とビビりながらの対話が続いている。やばいな、暗黒王子。外面的には完璧だから逆に困るわ…
「とにかく、詰所で代わりを呼んでくるまで少しだけ待っていてくれ」
「ああ、分かった」
どうやら、詰所とやらは門の中側にあるらしく、門の横に作られた小さなドアを開けて入って行った。なるほど、門とは別に設置されているドアは、詰所とやらに直行出来るようになっているんだな。・・・密入者がいても可笑しくない作りでもあるな。まあ、そこはどちらにしろってところか。
「待たせたな、では行こうか」
門番の男が合図を出すと、門が大げさな音を立てて開いて行く。やはり、詰所を通り抜けられるのは門番だけなのだろう。
「さて、ギルドに付く前にこの町のギルドについてある程度説明しておこうか?五月蠅い連中と言うくらいだ、ギルドについて何も知らないんじゃないか?」
「ああ、そうしてくれると助かる」
何せ、ギルドはおろかこの世界について何も知らないからな!とは、さすがに言えないけどなぁ…
「まず、ギルドに登録されている大きな職業は6つだ」
「細かいのはどれくらいあるんだ?」
「それはさすがに把握し切れていないな。知りたいなら自分で調べて見てくれ」
「いや…遠慮しておこう」
そう言いながら、ギルドのシステムについて考えを巡らせる。ギルドに登録されている職業と言うからには、仕事斡旋所みたいなものか?
「話を戻すぞ?まず、さっき言った大きな登録されている職業は、狩人、守り人、従事人、職人、町会人、交渉人の6つだ」
「なるほどな」
「本当に分かったのか?」
「説明したいならしてもいいぞ?」
「全く、強気な奴だな」
そう言って苦笑いをしている門番。そう言えば、名前聞いていなかったな。
「説明をしてもらう前に、名前を聞いておこう。俺の名は、うみだ。好きに呼んでくれ」
好きにも何も、2文字じゃ他に呼び方もないだろうがな。
「分かった、うみだな?俺は、シュバルドと言う。気が向いたら覚えておいてくれ」
親切そうな門番だし、覚えておこう。・・・これからたくさん世話になりそうだからな!
「さて、お待ちかねの説明の続きだ」
やけにお待ちかねに力が入っていたな…嫌味かもしれないが、反応してやらないぞ?
「まずは、俺の職業が町会人だと言うのは分かるよな?」
「守り人じゃないのか?」
「あ~、なるほどな、そうも取れるわけか。よし、一気に説明してしまおう。その後で質問があったら聞いてくれ」
「分かった」
「まず、俺が所属している町会人は、主にこの町についての仕事をする者だと思ってくれ。門番もその一つだ。そして、さっき間違えた守り人だが、そっちは門番も大まかには含まれているんだが、主に人や家など、個人の依頼を請け負う方が多いんだよ」
なるほど、町の守護は守り人よりも、町会人がやる事が多いって事か。どこかへ移動する時の護衛は、主に守り人って事か。
「次に、狩人はそのまま獣や、魔物などを狩る者の事だ。従事人は、分かるだろ?家事や、その他雑務を背負う者の事で」
「待ってくれ、護衛も含まれるんじゃないか?」
「質問は後でと言ったんだが…まあ良いか。従事人は、あくまで雑用などが主になる。護衛は、守り人の仕事だ。だが、例外的に金銭などの交渉でお互いに納得すれば、護衛なども認められている」
「なるほど、信頼関係が築かれていて、尚且つ、戦闘力があればって感じか」
「雑用を主としている者が、戦闘力を兼ね備えているのは稀だからな。兼任する者は、本当に珍しいと思っておいてくれ」
「分かった、話を遮って済まないな、続けてくれ」
またも、苦笑したシュバルドは話を続ける。
「残りは二つ。まず、職人も想像出来るだろ?素人では出来ない細かい作業などを主にしている者たちだ。最後は、交渉人。これも、想像出来るだろうが、色々な場面で必要とされる分、所属するにはかなり厳しい審査がある。時には、町に大きな損害を及ぼす可能性もあるからな」
「なるほどな。しかし、職人も厳しい審査があるんじゃないのか?」
「いや、それぞれ相手が納得出来る物を提示出来れば問題ないからそれほどでもないんだ。だが、相手を騙すような事をすれば、町会人から厳しい罰を受ける事になる」
「ああ、町会人はそう言う事もするのか。という事は、流したが町会人も審査が厳しいんじゃないのか?」
「そうだな、交渉人の次に厳しいな。しかし、真面目に仕事をこなす人物なら大抵は受け入れてもらえる。今の所、大きな問題は起こっていないそうだぞ?」
「裏で内々処理されているんじゃないのか?」
「うみは、この町に恨みでもあるのか?」
「いや?まあ、疑り深い性格だとでも思っておいてくれ」
日本のニュースを見ていれば、疑心暗鬼にもなりますってば。まあ、自分が何かされた事があるわけではないんだがね。いや、大きくないが一つはあるか…
「さて、納得したのかな?」
「ああ、大体分かった。俺はそうだな…狩人にでもなるか」
「やはりそうなるか。まあ、ギルドに着いたら紹介はするが、力を試されると思って置いてくれよ?」
「分かっているさ。だが、度を越した態度で挑まれたら、それなりの対応をさせてもらうぞ?」
「ああ、それは仕方ないな。ただ、うみの力をある程度でも計れる者ばかりじゃないからな?そこは、ある程度我慢して貰えると助かるのだが…」
「分かった、シュバルドの顔を立ててなるべく我慢するようにしよう」
「済まない、恩に着る」
「気にするな、こちらこそ、色々世話になったからな」
「これからもって顔に書いてあるぞ?」
「正直者だろ?」
「調子の良い奴だな」
シュバルドと笑い合う。見た感じだと、年齢もまだ30になっていないのだろう。だから、俺とも馬が合うのかもしれない。もちろん、まだ先はどうなるか分からないが、これからも仲良くしていきたい相手だな。
しかし、女性陣は状況を察してか全く話に参加してこないな。両脇にいるのが、いつの間にか、ぱいんと美乃梨になっているのが面白い所ではあるが。
「っと、着いたな、ここだ」
「ほぉ、中々大きいじゃないか」
「そうだろ?この町のギルドは、他よりも力を入れているんだ。だからこそ、他からの移住者も多い。だが、お陰で様々な問題が発生して、俺たちの仕事は大忙しってわけだよ」
「よし、町会人だけは避けるか」
「ちっ、町会人に推薦してやろうと思ったんだがな」
「3重ぐらいに包んでお返ししよう」
「はは、最初のイメージが崩れたよ。面白い奴だし、本当に町会人になってみないか?」
「さすがに、流れて来たばかりの者を入れたら問題だろうが」
「普通ならな?まあ、俺はそこそこ信頼されているからな。俺から推薦すれば、本当になれる可能性が高いぞ?どうする?」
「遠慮しておく、お前のお仲間に刺されたくないしな」
そう言って、女性陣を見る。うむ、男臭そうな門番なんてやったら、俺はやっかみの餌食になる未来しか視えない。
「あー…その前に俺が刺すかもな?」
「余計たちが悪いだろうが」
「はは、冗談だぞ?」
「それなら、腰の剣から手を離せよ」
またも、シュバルドと笑い合う。今度は、お互いに多少の牽制入っているから困るけどな。
「冗談はこれくらいにして、中に入るぞ」
「そうしよう」
シュバルドに続いて、建物中に入る。すると、中は昼間だと思われる時間だと言うのに、非常に混み合っていた。正直、急ぎでなければ回れ右したくなるほどだ。
「みんな、俺のそばから離れるなよ?」
そう声を掛けると、みんなが我先にと俺にしがみ付いて来た。いや、そこまでしろとは言っていない…
「本当に、全員に惚れられているんだな…」
「羨ましいだろう?」
「思わず、剣の柄に手が行くくらいにはな?」
3度目の笑い合いは、お互い目が笑っていなかったとだけ明記しておこう。
「ちょっと良いか?」
「はーい、こちらは狩人課に…あら?シュバルドさん?どうかされたのですか?」
「ああ、こいつ…うみを狩人として登録してもらいたいんだが…」
「シュバルドさんの推薦ですか?初めてですね。うーん、流石にシュバルドさんの推薦とは言え、試験を受けずに狩人として登録するわけにはいかないのですが?」
「ああ、さすがにそこまでは求めていないさ。ただ、試験を受けさせてやって欲しいんだ」
「それほどまでシュバルドさんが推すなんて、それほど強い方なのですか?」
「恐らくな」
「恐らく?見たわけじゃないのですか?」
「ああ、感じると言うか…何となく強いと分かるだけなんだ」
「シュバルドさんがそこまで言うのなら、そうなのでしょうけれど…」
受付嬢っぽい女性にジロジロと見られているな。しかし、暗黒王子である俺がすることは一つ。
「10番目で良ければ俺の女になるか?」
「なっ!?周りに女性が多いと思ったら、全員に手を出しているのですか!?」
あ、余計なトラブルを招いた予感。すでに、近くに侍らせているから問題ないと思ったんだが…まあ、周りの男連中からの視線には、殺意がこもっているのも多いがな。恐らく、絡んでこないのは罰則が厳しいか、シュバルドの人徳かどちらかだろうな。
「ちゃんと責任はとるつもりだ」
「そ、そういう問題ではなく!」
「おいおい、それだけ恋人がいて、その上で、我らがラグリムギルドの美人受付嬢の一人、クラウディア嬢にまで手を出すとは豪気すぎやしないか?」
「そうだな、すまない。それだけ美しいなら、すでに相手はいるか」
「いや、クラウディア嬢には残念ながら…」
と、言いかけたシュバルドだったが、クラウディアからの鋭い視線を浴びて押し黙った。ああ…気が強い娘って、タイミング逃すと中々相手が見つからないとかあるらしいな…などと、心の中でフォロー?しておく。
「気の強い娘は嫌いじゃないんだがな?」
そう言ったら、クラウディアから鋭い視線を頂いたてしまった。仕方ないので、逸らす意味で視線を同じく気の強い真美に向けてみる。彼女は、俺と目が合うと意図を察したのか真っ赤になって俯いてしまった。…キスの後からやはり様子が可笑しいな。いや、あれだけの事をされて前と同じに接するのは無理か普通は…
で、何故か真美の傍に居た咲耶もあたふたしている。ああ、彼女も気が強い方だったな。何かすぐにデレてしまったので、強気の印象が薄れてしまっていたんだよな。
何となく、お詫びにもならないとは思いつつ、咲耶に向かってウィンクをしてみた。すると、彼女は真っ赤になって真美と同様に俯いてしまった。勝ったな!いや、何にだよ…
「わ、私まで簡単に落とせるなどと思わないで下さいね!」
今のやり取りを見てさらに警戒してしまったようだ。そんな意図はなかったんだけどな…
「こら、いい加減にしておけ。彼女にはこれから狩人として長くお世話になるんだぞ?」
「そうだな、末永くよろしく頼む」
そう言って、彼女に手を差し出して握手を催促してみる。
「そういったサービスは行っておりません」
おおぅ、素っ気ない態度を取られてしまった。まあ、こんな事でめげたら暗黒王子なんてやってられませんよ。
「ますます気に入ったよ」
そう言って、相も変わらず強気に出る俺。引けない戦いがそこにある!まあ、ただの暗黒王子ですがね。
「ここまでめげない方は初めてですね…」
む?ちょっと調子に乗り過ぎたか?まあ、落ちる事は無いと思うが…
「とりあえず、狩人としての試験を受けたいんだが。俺の実力を見た上で、もう一度考えて見てくれ」
「受付の立場としては、狩人の一人とそう言った関係になるのは…」
おや?何故かわからないが、これ傾き出してないか?急に、自分の立場を盾にして来たぞ?これ以上、愛人…いや、恋人か?増やす気は俺的にはないんだよな。暗黒王子的にはあるのがまずいんだけどな…
俺が追撃?を行う為に口を開く前に、シュバルドに肩を抱かれて頭を下げさせられた。そして、コソコソと耳打ちされた。
「難攻不落のクラウディア嬢を本当に落としそうになるんじゃない。さすがの俺も、他のやっかみを抑えきれなくなるぞ?」
そう言って示す周りに目を向けてみる。なるほど、かなり殺気立っているな。なるほど、クラウディアの人気が伺えると言うものだ。しかし、暗黒王子が途中で引くのも…いや、試験を受けてからと言ったではないか、とりあえず試験の説明を聞こう。
「すまないな、君の余りの美しさに我慢出来なかったんだ。先ほど言った通り、試験を受けたいから説明をしてもらえないだろうか?」
まあ、無理やり感はあるが、試験を受けてあらのあれこれで逃げてしまおう。その後の事は、その後に存在する自分に投げてしまおう。
「そ、そうですね。では、狩人として登録するための試験ですが、ラブルウルフの討伐、オーガネストの討伐、ガルガントレントの討伐から一つを選んで実行してください。もちろん、他の狩人や、守り人とパーティを組んでくださって結構です。しかし、討伐における貢献度が余りにも低い場合は、合格となりませんので気を付けて下さいね」
「あー、森で何匹か魔物を仕留めて死体を持っているんだが…その中にその名前のがいるか確認して貰えるか?」
「え!?いえ…すでにパーティを組んでおられるのですか?」
「いいや?一人で簡単に倒せる相手だったんだが、もしかして、その中にいる可能性は低いのか?」
「ええ、新人未満の狩人が一人で倒せる相手ではないと思うのですが…大体、死体は何処に保管されているのですか?」
「ああ、収納魔法の中に…」
「収納魔法!?あ…」
驚きの声を上げてしまったクラウディアが、慌てて自分の手で口を塞いだ。手遅れだとは思うけど、彼女の慌ては姿が可愛かったので良しとしよう。
「その…本当に収納魔法を?」
「ああ、どこか魔物の死体を並べられる部屋はないか?」
「そ、そうですね…この時間だと解体室が空いているはずですので、そちらで…」
そう言うと、彼女は近くに居た同僚と受付を代わって俺の案内を始めた。
暫く彼女の後をついて行くと、大きな扉の前に着いた。
「こちらが解体室となっております」
そう言って、扉を開けて貰ったので中に入ると
「中々の広さだな」
「ええ、とても大きな魔物もおりますので…とは言え、そこまで大きな魔物が持ち込まれた事はないんですけどね」
見栄みたいなものですよと、彼女は言いながら隅の一角に立つ。
「ここでなら思う存分出せると思います」
「確かに、何とかおけそうだ」
「本当に豪気な方ですね。口と態度だけでないと証明してみせて頂けますか?」
「分かった。二人とも端に寄っていてくれ」
二人とも、半信半疑ながら端へと大人しく移動してくれた。さて…自動でダークウォールの中に放り込んだ魔物だか獣みたいなのもいるが…とりあえず、ここ一杯に魔物を適当に出すか。
そう思って順々に魔物を出していくと…
「ま、待って下さい!?何ですか、この量は!?」
「いや、森で魔物を狩ったと言っただろう?」
「数が可笑しいです!いえ、それ以前に何ですか?この綺麗な死体は!?それに、こんな体積を許容する収納魔法なんて聞いたことがありません!?あ、一人で狩ったとも言ってましたよね!?」
おおう、矢継ぎ早に質問の嵐が来た。クールそうな彼女がパニックになりかけているな…やり過ぎたのか?しかし、どれが試験の魔物だか分からないんだよな…
「まだあ」
「とりあえず!もう出すのは止めて下さい!!」
「ああ、分かった…」
全部出す気満々だった俺だが、これ以上は解体人総出でも何日かかるか分からないとの事。さらに、他の人の持ち込みもあるのだから勘弁して欲しいとの事。ああ、そこら辺考えてなかった。済まない、俺の持ち込んだ魔物の解体する人たち…
「それで、この中に試験の魔物は…」
「います!それよりも問題は、このディルガメールです!この硬い殻を持つ魔物を何でこんなに綺麗なまま倒せたんですか!?こんな状態の良い物、ギルドで買い取ったら破産してしまいます!」
え?そこまでなの?だって、みんなダークウォールでカオスワールド…あ、ダークウォールでつながる世界の事だ。そこに生物を捕らえると、精神…いや、近い言葉は魂と言う所かな?それが、短時間で消失し、物言わぬ綺麗な死体が出来上がると言うわけだ。
もちろん、耐性があればそう簡単には死なないかもしれないが…まあ、やはりチート過ぎる能力だったという事だな。
「俺は闇魔法使いでな?もちろん、全て闇魔法で仕留めたんだ」
そう言って、手のひらに小さな黒い炎を出して見せた。これは、ダークウォールを隠す意味で出したが、しっかりと相手を焼き尽くす事も出来る魔法ダークファイアだ。これも、俺の意志で焼く対象を選べる優れものなので、いつか魔物に使ってみようとは思っている。だが、ダークウォールが優秀過ぎて機会がなさそうなんだよな…
「え?でも、焦げた跡なんてどこにも…」
「ここで、その魔法を使って良いのか?」
「え!?い、いえ、それはさすがに止めて頂けると…」
「そう言う事だ。俺の切り札の一つでもあるからな、おいそれと使ったりはしないから安心してくれ」
嘘です、めっちゃ多用してますし、人前でも平気で使うつもりですキリッ。
「そ、そうしてくださいね?ギルドを崩壊などされたら目も当てられませんから…」
「余程の事がない限りは、そんな事をするつもりはないから安心してくれ」
「余程の事があればするつもりなのですね…」
「ああ、俺の大事な将来の妻たちに手を出す輩を滅するためなら町ごと吹き飛ばす覚悟もあるぞ?」
「そ、そうですか…」
俺の威圧的な態度に、さしものやり手受付嬢も一歩下がった態度だった。まあ、実際はそこまでしないつもりだが、暗黒王子を背負っている手前、勢いで何かする可能性は否定できないところだ…
「それで、買い取りなどは抜きにしても、うみが狩人合格という事で良いんだよな?」
「はい、そこは間違いないです。しかし、これだけの事態なのでギルド長をお呼びしないといけないですね」
「それなら、帰るついでに俺が呼んでおいてやるよ」
「帰るのか?」
「ああ、もう大丈夫だろ?余り仕事を放っておくわけにもいかないからな。後でアイツらに何を言われるか…」
「そうか。世話になったな、今度何か奢らせてくれ。この魔物とやらを売れば、それなりの金が入りそうだしな」
「はは、ラグリムギルドを破産させるなよ?」
「今後も、長く世話になる予定なんだぞ?そこまでしないさ」
「その言葉を信じておこう」
俺は、シュバルドと握手を交わし別れた。まあ、すぐにまた会うだろうから大げさな別れは要らないが、世話になり過ぎなくらいなった手前、何となく寂しく感じてしまうのは仕方ないのだろう。もしかすると、心細く感じているのかもしれない。暗黒王子的には表には出さないが
「それでは、ギルド長が来る前に狩人についてお話を」
「一つだけ教えてくれ、狩人課にも課長がいるのか?それとも、ギルド長が全てを背負っているのか?」
「いえ、ちゃんと狩人課の課長もいますよ?ただ、現在は討伐の遠征に出ておりまして…」
ほう、課長も引っ張り出されるのか?ブラックな予感がするな、狩人課は。
「やりがいを感じているのだろうが、家長まで引っ張り出される多忙な仕事を続けるより、俺の嫁になって女の幸せを手に入れてみないか?」
しまった、シュバルドがいなくなって、暗黒王子面が暴走してしまった。何か理由を付けて彼を引き留めるべきだったかもしれん。
「な、なにをいっておられましゅか!?」
ふむ、美人が混乱すると可愛く見えるのはなぜだろうか?とにかく、かなりの攻略度だな…あれ?増やす気なかったよな俺…暗黒王子を貫く=嫁を増やすって事なのか?何か違う気がするんだが…
「海、節操なさすぎだよ?私だけじゃ満足できないの?」
「私たちです!私たちだけじゃですよ!!」
「私も頑張って海を満足させるよ?」
「わ、私も…」
私も私もと寄って来て、もみくちゃにされる俺。しかし、暗黒王子は負けるわけにはいかない!
すぐに主導権を握り直すべく、全ての女性陣をキスを使ってTKOした。もう、暗黒王子=外道と言うのは避けられない事実と化しているので問題ない。ないったらない。
「キ、キスだけでこの人数を短時間で立てなくさせるなんて!?ま、まさか私も…」
ふむ、表情から察するに、期待7割、恐怖3割ってところか?多忙な受付嬢はストレスが溜まっているのかもしれない。ここは、行くしかない…のか?
クラウディアの頬に手を置いて、彼女を見つめてみた。すると、彼女も見返してくる。すぐに手を払わない所を見ると、やはり期待しているのか?最後の確認後、反応次第では行くしかないな。
「拒絶しないのか?もし、今すぐに振り払わないのであれば…貰うぞ?」
一瞬、ビクッとなった彼女だが、一向に手を振り払わなかった。小さく震えているのは、恐怖か?はたまた期待からなのか…
「肯定と」
「私、参上!!将来有望な狩人はどこだー!!」
言葉が終わったら、唇を奪ってやろうとしていたところに、突如として謎のおこちゃまがやって来た。これは…
「肯定と取って良いんだな?」
「あの…その…」
はっきりと何も言えなくなり、余計にモジモジし出したクラウディア。年上だろうけど、可愛いものは可愛いのだから仕方ないよな!
「それでは、遠慮な」
「むーしーすーるーなー!!!!」
キーンとしそうなほどの大声が耳元で爆発した!?何事かと横を見てみると、小さなおこちゃまが頑張って背伸びして、俺の耳に目掛けて大声を発していた。
「何のつもりだ?」
「私を無視するから悪いんだ!ちゃんと私の話を聞けー!!」
俺が目の前にいるにもかかわらず、まだ大声を出す謎のおこちゃま。うむ、大人としてここは…無視しよう。
「それでは、遠慮なく頂こうか」
「「この状況で無視するの!?」」
クラウディアとおこちゃまが奇跡のデュエットを披露した。いや、言い訳にもならんけど面倒なんだよ…子供の相手ってさ。
俺は、わざとらしくため息をついてから、おこちゃまに話し掛けた。
「何処から迷い込んだんだ?ここは、おこちゃまの来るところじゃないぞ?」
「むぅ!実に失礼な奴だな!?シュバルドから、ここに将来有望な奴がいると聞いて来てみれば、こんな失礼な男しかいないとは、どういうことだ!?」
は?今何て言った?このおこちゃまは?仕方なく、俺は確認の意味も込めてクラウディアを見てみた。すると、彼女は大きく頷いてみせた。つまりは…
「このおこちゃまが…ギルド長?」
「ええ、残念ながらその通りです」
「その通りだ!私が、ラグリムギルドのギルド長!フェルテ・ミラルド・ディエールだ!親しみを込めて、フェルテ様って呼んでも良いぞ!!」
「分かった、フェルテちゃん」
「フェルテ・さ・ま!!」
「分かった、フェルテちゃん。短い間だったが楽しかった。クラウディア、チェンジで頼む」
「そんなシステムはございません」
「何人かギルド長がいて交代制とかじゃないのか?」
「残念ながら、フェルテさんお一人です」
ナンテコッタ…このおこちゃまが一人だと?どう考えても幼女枠じゃないか…嫁が一杯で、すでに求めてないんだよ!!大体、ギルド長とかって実力者の渋いおっさんじゃないのかよ!?こんなのがギルド長じゃ、トラブルがやって来る未来しか視えないだろ!?仕方ない、ここは…
「世話になったな、クラウディア。俺は、次の町を目指す事にする。何処かでまた会おう」
俺は、背を向けこの場を去る事に
「ままま、待って下さい!?こんなに素晴らしい能力を持った方をみすみす他の町へ行かせるわけにはいきません!?」
ええ…?こんなに必死に止められるって事は、何かあるんじゃないの?凄く面倒事が来る予感がするんだが…大体、このヘンテコ亀?のような魔物を買い取る資金もないギルド何かじゃたかが知れているだろ?ここは、我慢してさっさと次の町に…ここは、心を鬼にして彼女を煽って離れてもらうか。
「なるほど、俺を引き留めるために魅惑的な君の身体を使うのかな?」
「へ?あわわわわぁ!?」
俺にすがりついていた事に気が付いて、慌てて離れようとしたクラウディアだが、暗黒王子としては逃がすわけにはいかない?
「何処へ行くんだい?」
「はわわわぁ!?」
美人でクールな受付嬢?は何処かへ行き、慌てふためく可愛い女性がやって来た。そんなクラウディアは、顎クイされる事になり、さらに腰に手を回されて逃げられなくされていた。まあ、やっているのは俺なんだけどもな。
「あぅあぅあぅ…」
いや、あぅあぅ言いそうなほどテンパっているなと思ったら、声に出したよこの娘。何かもう、年上って感じしないほど可愛いんだが…本当にもらっちゃうか?
「なんなのだぁ!?」
こっちがなんなのだぁ!?だ、このおこちゃまめ!?現状をぶっ壊す声を上げる事しか出来ないのか?
しぶしぶおこちゃまの方に目をやると、俺の出した魔物の死体群を見て驚いているようだった。いや、今更かよ?
「この魔物はどうしたのだ!?何でこんなに綺麗な死体なのだ!?しかも、ディルガメールまでいるのだぁ!?」
何かこの子、キャラ崩壊してない?まあ、クラウディアもキャラ崩壊気味だけどな…俺のせいですか?
「そこの魔物は、全部うみさんが倒された魔物です。しかも、全て収納魔法の中から出されました」
あぅあぅ状態から多少復活したクラウディアは、俺と視線を合わせない様にしつつ、そう説明した。まあ、俺ががっちり腰を捕まえているから逃げられませんけどね?何か、離してやろうか迷う所だな…
「何という逸材なのだ…クラウディア、ギルド長として命令するのだ!その男をこの町に留めるために全てを差し出すのだ!!」
「え?ええええぇぇ!?そそそ、それはいくら何でも酷すぎますよぉ!?」
ああ、クールなクラウディアさんは完全に死んでしまった。目の前にいるのは、理不尽な命令を下された哀れな子羊…俺は狼か!?まあ、悪くない条件?だが…って、嫁を増やす気なかったのに、何で増やす気満々になってるんだ、俺は!?
落ち着け、そんな交換条件のような取引でクラウディアを貰っちゃだめだろ?彼女が俺の元に嫁ぎたいと思うのなら別だが…正直、彼女の反応が可愛い…面白過ぎていまいちわからないんだよな。ここは…
「なるほど、それは良いな。これで、逃げる理由もなくなっただろう?」
「その…えっと…はぅぅ」
ダメだこの子、この手の事に耐性なさ過ぎて可愛い!また目を回しましたよ。正直、綺麗な女性の顔が目の前に会ってこっちもドキドキしてますけどね!まあ、外面に出ないのが暗黒王子の特権ですね!!
俺は、目を回してしまったクラウディアをお姫様抱っこをし、近くの椅子に座らせた。持ち上げた時、ままままだ早すぎます!?とか言っていたけど、彼女のために聞かなかったことにしよう。
さて、引っ搔き回してくれたおこちゃまにお仕置きするか…
「さて、本来ならこれで町に留まる事にしようと思ったのだが…ついでに、フェルテも頂こうか?」
「へ?・・・わわわ、私もなのか!?」
「その通りだ、ギルド長なら部下だけをこき使うのは違うだろう?」
「それはそうだけど…あ!わ、私は見ての通りおこちゃまなのでそう言う事はわからないのだ!」
「ギルド長は、すでに30を超えておられますよね?」
「あ!?クラウディア!!何て事を言うのだ!?」
「へぇ?30を超えているなら問題ないよな?」
「ももも、問題ありなのだ!ギルド長だから…一人を相手に出来ないのだ!!」
テンパって可笑しなことを言い出したぞ?もっとからかってやるか。
「という事は、すでにかなりの経験をしているってことか?」
「ももも、もちろんなのだ!!経験豊富ってやつなのだ!!」
「ほほぉ?それなら、キスくらいは挨拶みたいなものだよな?」
「へ?も、もちろん…なのだ?」
最後が疑問形になったのは、俺がいつの間にかそばまでやって来て屈んで目線を合わせたからだろう。そろそろ正直になってごめんなさいって言わないと…まずいぞ?いや、今気が付いたが…俺、フェルテの反応次第で俺もまずい事になるのでは?でも、今更止まれないんだよな…
「じゃあ、キスくらいはしても良いんだよな?」
「えっと…そのぉ…」
視線をさ迷わせ何かを考えているフェルテ。おい、いい加減に素直に謝れや、おこちゃま!
「また、明日なのだ!!」
そう言って、背を向けて走り出そうとするフェルテ。馬鹿!?そんな反応は暗黒王子の餌食になるだけだぞ!?
「へ?ま、ま、んむぅぅぅ!!?」
言わんこっちゃない。逃げようとしたフェルテを捕まえた俺は、お姫様抱っこをして逃げられない様にしてから、問答無用で唇を奪った。しかも、腰砕けの大人のキスです。犯罪臭しかしません、ありがとうございました…
「ふにゅぅ~」
俺から解放されたフェルテは、湯気が出るんじゃないかと思うくらい真っ赤な顔をして、へたり込んでしまった。明らかにやりすぎですね、ごめんなさい…
何か、クラウディアのいる方から、良いなぁ…と言う呟きが聞こえた気がしたが、気のせいだろう。しかし、俺はギルド長を舐めていた?らしい、彼女はまだ諦めていなかった。
「た、大したことないキスだったのだ!ま、まだまだなのだ!!」
「へぇ?なら、何故座り込んでいるんだ?」
「そ、そういう気分なのだ!そう言う時もあるのだ!!」
「なるほどなるほど、それなら…この先もして良いって事だよな?」
「も、もちろ…ん、冗談だよね?」
今、このおこちゃま少し素が出たな?なのだは可笑しいと思ったんだよな。もう一押しか?
「冗談を言っているように見えるか?」
俺は、動けないフェルテを抱き寄せて顔を接近させた。もちろん、外面は完璧な暗黒王子は少しの動揺もせずに彼女を見つめている。そして、ついに…
「ご、ごめんなさい!調子に乗ってました!本当は、全然経験何てないんですぅ!さっきのキスだって、私にとっては初めてだったんですぅ!!これ以上は…時間を下さいぃぃ!!今日は、キスだけでいっぱいいっぱい何ですぅぅぅ!!!」
こいつは大声しか出せないのか!?必死なのは分かるが、目の前で爆音を出される身にもなって見ろ!?とは言え、マジ謝りされてしまってはこれ以上は可哀そうだな。と言うか、何か変な事を言ってなかったか??
「それなら」
「待って下さい」
俺が、これで勘弁してやるかとか言おうと思ったら、クラウディアからストップが掛かった。生贄にされた恨みがまだあるのか?もっとやれって事か?
「クラウディア、ごめんなさい。私は…」
「うみさん、フェルテも反省しているみたいですし、許してやって貰えませんか?これ以上を求めるなら…わ、私が引き継ぎますので…」
ん?ん?可笑しくない?俺って、これでも止まらないほどの鬼畜野郎だと思われているの?なんで?・・・あ、周りでまだ立ち上がれないでいる少女たちを見てそう思ったんですね。なるほど、納得した!涙が出そうなくらいにな!!
「そうだな、クラウディアだけ仲間外れと言うのも可哀そうだな」
そう言うが早いか、ささっとクラウディアの前まで移動し、彼女が何かを言う前に彼女の唇も奪った。ふ、俺は鬼畜だからな?これくらい、して当然の男だ!自棄になんかなってない!ないったらない!!
そして、へたり込んだクラウディアが、キスだけでこんな状態になる何て…男女の営みを侮っていましたと言わせるくらい、激しいのしてしまいました。暗黒王子だもん、仕方ないよね?
「な、なんなのだぁ!?」
二度目かよ!?お前がなんなのだぁ!?なんだよ!!俺は、またも色々とぶち壊したフェルテをみやると
「この黒服の少女たちはなんなのだ!?何ぜ、全員倒れているのだ!?しかも、何か満足気なのはなぜなのだ!?まさか、これも全部うみがやったのだ!?」
口調が復活しやがった上に、無理やり使ってないか?まあいいが、またも今頃気が付いたのかよ!?どうすんだ?本当に、ただ狩人になって小遣い程度の金を手にして宿に泊まろうと思っていただけなのに!?こんな訳の分からない大事になるとか、ギルドって恐ろしい所だな!?
誰か、この場の収拾をお願いします!!!
俺は、自分の仕出かした事を棚に上げて、心の中で叫んだのだった。
冒険が始まるまでが長くてすみません。もう少しのはずです…恐らく?