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005 体育館の裏



 翌日登校すると何やらクラスメイトの方々が余所余所しいような気がする。伊集院君も何やら普通でない空気を感じているようだった。





 午前中の授業が終わり昼休みが始まって。さて。伊集院君とお昼ご飯を食べようかなと準備をしていたところで女子ふたりに声をかけられた!



「ちょっとあなた達。来てほしいんだけど」




 声をかけてきたのは同じクラスの水無瀬みなせ美咲みさきさんと隣のクラスの女子。二人とも女子バスケットボール部の健康的な美少女だ! しかし。


 これは告白ではないですね。顔が薄らと怒りに塗れていらっしゃいます。伊集院君と二人して大人しく付いていく。しょうがないのです。反抗してクラスの中で大声を出されても困りますので。






 結局体育館の裏まで連れ込まれた。そこには女子バスケ部一年はおろかニ年生まで! 20人くらいに囲まれた!





「あなた達。昨日の放課後に私たちの如月茜を脅迫してカラオケ屋に拉致監禁したそうね? どういうつもりなのかしら?」



 女子バスケ部のたぶん二年生のキャプテンらしき素敵なお姉様が俺たち2人に優しく問いかけてくれた!




「あうう。そそそんなことはしてませんん!」


「そうです! 俺たちは如月さんから誘われたんです! 本人に聞いてください!」




「茜ちゃん本人には聞いたのよ。だけど、ソワソワして目も合わせてくれなくて。可哀そうに。よほど言いたくない心の傷を突かれたに違いないのよ。あなた達、あんな良い子の弱みに付け込んで恥ずかしくないの?」





 如月さん。紛らわしい態度を取らないでほしい。しかし。よほど言いたくない心の傷を突いた心当たりはある。女盗賊とか。死んだふりとか。主に伊集院君だけれども。この人たちの主張は一部正鵠を射ていると言えるかもしれない。




 すると伊集院君が!



「あうう〜。申し訳ありません~もう二度と如月さんの心の傷は突きませんので~許してください~」



 懺悔した。




「うん? 意外と素直ね。あなた伊集院君ね。こっちのあなたは御子柴君だったかしら? 御子柴君はどうなの?」



「はい。俺は如月さんの傷を突いてないっていうか。むしろ突かれましたけど、如月さんの心の傷を突かないことは約束しましょう」



「とにかく約束してくれるのね。なんか偉そうだけどまあいいわ。あなた達。今後一切。如月茜に接近。接触。会話をすることを禁じます。良いですね? そして如月茜には今日あったことをしゃべってはいけません。返事は?」



「はいーわっかりました」


「承知しましたー」









 何とか許してもらえて解放された。良かった。しかし女子バスケ部のお姉様から如月茜さんへの接近禁止令を出されてしまった。


 まあいい。もともと普段から接触無いし。昨日にひととおりスキルと魔法は確認し終わっているのだ。だからあんまり会う必要は無いのだ。せっかく超級美少女とお知り合いになれたのに残念だけど。ホントになんか用があればSNSで連絡すればいい。







 この時から我々オタク二人は光を避けてさらに深く影に隠れたー。単に如月さんの近くに寄らず当然話しかけもしないってだけだけど。






次話 006 ○○選択


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