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002 伊集院君の冒険




 三学期が始まった日の放課後。俺は伊集院君と一緒に学校を出て自宅に向かっていた。


 伊集院君の家と俺の家って近所だからしょっちゅう一緒に帰る。高校の最寄り駅から2駅6分くらい電車に乗って後は歩けば伊集院君の家に着いた。





「で。御子柴君。今日君を誘ったのはゲームをするためじゃ無いよ。分かるよね?」


 

 わー。会話の切り出し方がコワイんですけど。伊集院君も俺のステータス見たって事でしょうか。伊集院君「ステータス」って魔法を持ってるもんね。でも一応惚けてみようかな。



「え。ゲームじゃ無いの?じゃ何の用だったの?」


「あれ?御子柴君は僕のステータス見たんじゃないの?ホームルームの前に僕が話しかけた時。なんかキョドッてたじゃん」




 伊集院君は本気だ。覚悟を決める。




「へへ。ごめんね?ちょっとすっとぼけちゃったー。分かるよ。伊集院君が『魔王』って事でしょ?」


「なんだびっくりさせないでよ。御子柴君こそ勇者って。羨ましいよ。

僕なんて魔王だし。バレたら人類の敵認定されるかな。魔王って称号にあるけど魔王らしいことは何にもないし悪いことなんかひとつもしてないのに」


「そうなの? で、伊集院君はいつから魔王なの?」


「今日の始業式からだよ。いや本当に大変だったんだー」






 以下伊集院君のお話を要約すると。




 俺と同じで始業式の途中に突然に異世界に放り込まれた。憑依先は20代後半の冴えない冒険者。


 周りと比較すると途方もなく強力な攻撃魔法と身体強化を使ってあっという間にランクを上げて上級冒険者に。


 伊集院君が持っている「魔物調教5」という魔法を使うとダンジョンの魔物を片っ端から調教できるから簡単にダンジョンを踏破できてダンジョンマスターになれた。




 異世界に放り込まれて一年後。可愛い女性冒険者や領主の御令嬢からチヤホヤされて調子に乗っていたら。ある夜の寝込みを領主家の騎士団の襲撃を受けて死んでしまった。



 それで死んでしまった瞬間に白い空間の謎の女性?に一方的に地球に戻すと言われて始業式の途中に戻ったということだ。なるほど。俺とおんなじだ。





「伊集院君。俺もほとんど同じだよ。俺は死んでないけどね」


「はあ。それで白い空間の謎の女性は『地球には異世界から帰還したチート野郎や吸血鬼とかが居て人類の敵』って言ってたけど僕は人類の敵じゃないから!

御子柴君は『勇者』だから良いけど僕は『魔王』だから不安で………」


「大丈夫だよ。伊集院君のことは俺がよく分かっているから」






 その後、俺の事情も話した。


 俺の飛ばされた異世界と伊集院君が飛ばされた異世界はタイプが違う様だった。ステータスを比べても俺は「スキル」だけど伊集院君は「魔法」と「身体強化」になってて魔力を使って使用するんだって。


 伊集院君の「魔法」は地球においては自分から半径20mの範囲でしか使えなくなったからもの凄く弱体化してしまったと嘆いていた。






「それでね。同じクラスの女子バスケ部の如月茜さん。彼女も御子柴君と同じタイプのステータスだったよ」


「ええ!そうなの?」




「うん。それで如月茜さんの称号が『帰ってきた女盗賊』だったよ」


 


次話 003 帰ってきた女○○



学校から伊集院君の家の経路を変更しました。


【変更後】

伊集院君の家と俺の家って近所だからしょっちゅう一緒に帰る。高校の最寄り駅から2駅6分くらい電車に乗って後は歩けば伊集院君の家に着いた。

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