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主人公補正なんてクソ喰らえッ!!  作者: うにゅら帝皇神
第三章 『休暇☩旅行』
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泊まります。

 ダルマオ・トシ=ヴィアチェと言えば、『Brave☩Innocent』屈指の変態キャラだ。その変態さは対戦環境でも引けを取らないレベルだ。


 『環境を荒らす変態って、格好良くない異名ですね・・・』


 もはや単体でのエグさはうにゅら虫の次くらいだからな。スキルが馬鹿強い上に大人だからステータス割り振りもすごく高い、その上変態ときた!もう負ける選択肢が見えねぇッ!!


 『何故か”変態”とか”変人”の異名を持つキャラって揃いも揃って強いんでしょうかねぇ』


 もうソレがこの世界の常識だと言っても過言ではないからな!!


 『過言なんですよね・・・』


 キルエルが溜息を吐いて、僕の視界を通して目の前の不審者を見る。


 『やっぱりノゥアの父親っていうのが全然わかりませんね・・・』


 う~ん、・・・・同感。こんな変態がノゥアの父親って、娘に刺されても文句言えないような格好してるからな。ソレも初対面の僕たちに向かって・・・。


 コレが敷地外だったら軽く通報案件になっていたところだった。いや、他人に見せてる以上公然わいせつ甚だしいがもうこの世界で1年以上住んでみると、・・・・・・慣れた光景だな。


 『慣れないでもろて良いですかね?』


 キルエルはこの世界の住民の癖に全然耐性が付いていないみたいだ。コレはもう少し、キルエルを特訓させる必要がありそうだな・・・。


 僕が心の中でキルエルのメンタル矯正特訓メニューを考えていると、隣で呆けていたジォスが正気に戻ったようで目の前の不審者を軽蔑の眼で見る。


 「最強だ?・・・・冗談は生き方だけにしとけよオッサン」


 ジォスは如何やら不審者の「最強」発言が気に要らなかったようで、かなり眉を狭めている。


 その不快感MAXの顔を見た不審者は「ほほぅ!」と軽く舌なめずりをする。ヒェッ!怖ぇぇぇ・・・。


 「これまたガキにしては言うじゃないか?ノゥアの友達は随分と血の気が多いようだ。・・・まぁ別に悪いわけではないが・・・・、『最強』たるこの私が冗談とな・・・」


 「ケッ、『最強』を名乗るなんざ52年と3ヵ月は早ーよオッサン。従えるモンスターがいくら強かろーがソレは別にオッサンが強ー理由にはならねーだろーが」


 吐き捨てるかのように言うジォスにキルエルがこそっと呟く。


 『ゲーム君、ダルマオさんってもしかして『魔獣使い』って奴なのかい?』


 そうだな、キルエルの言う通りダルマオの役割は『魔獣使い』だ。他の『役割』とは違い、モンスターを仲間にして戦うロマン性あふれるモノとなっている。


 『ちなみにですが、ダルマオさんの従えるモンスターっていうのは何が居るんですか?』


 おっと?キルエル。ソコを聞くってことは覚悟はできてるんだろうな?聞いた後後悔しないって約束できるなら教えてやるぜ。ちなみに僕がコレ初めて聞いた時は「マジかよ・・・」とも思ったぞ。


 『え、何ソレ怖い』


 僕の脅しに若干引くキルエル。そんな彼に構わずにジォスは苛々しながらダルマオを見る。対するダルマオはジォスの逆鱗に触れたくはないのかスッと身を引いた。


 「せっかくノゥアが連れてきた友人たちに嫌われる訳にはいかないからな。嫌われたら最後、ノゥアに本気の料理を喰わされる羽目になる。ソレだけはどうしても嫌だ。・・・此処は一端身を引いておこう」


 「『最強』を名乗るのはやめねーよーだな・・・」


 「・・・・あくまでも『最強』の通り名は私が冒険者をやっていた時の通り名だ」


 「あ?だからなんだ・・・・?」


 「私の『最強』は文字さえ同じだとしても意味は全く違うからな・・・。ソコを勘違いさせてしまったのには此方に非がある。すまないな・・・・」


 「・・・・・」


 ジォスは苛々ではないが、疑いのような視線を持って押し黙る。ジォスの過去に何があったのか、ソレはジォスのみぞ知ると言ったところか・・・。


 「ノゥア、屋敷の客室に友人たちを案内しなさい。その後は久々に料理を頼む。・・・・言っておくが絶対に本気で作るなよ?ある程度手抜きは必要だからな?言ったぞ私は!言ったからな!絶対に本気で料理するなよッ!!」


 「―――――はぁ、・・・・はいはいはい」


 念には念を押して、そして限界まで念を押した後屋敷に戻っていくダルマオ。だんだけノゥアの料理に注意してるんだよ。アレか?何か暗黒生命体を料理で創造するとかじゃないよな?


 『若干雲行きが怪しくなったんですが・・・・』


 キルエルがそんな事言うから今ちょっと怖気が走ったんだけど・・・。本当予知とかやめてくれよな。


 『予知とかしてないんですが・・・』


 キルエルの弁明はさておき、疲れた様な声を上げるノゥアが屋敷の扉を開けて手を振ってくる。


 僕とジォスはそのまま屋敷の中に入った。


 「失礼します」


 「お邪魔しまーす」


 「どうぞ」


 他人の家に入るときはしっかりと礼を言うのが人としての礼儀だ。勿論ソレはジォスも弁えているようで僕の後に聞こえるように言う。


 入って見て、初めて気づく。ノゥアの父は爵位がありダルマオの奥さんは有名な商家の内の一つでバリバリのお金持ちだ。ソレにならって家も目がサバサバするような豪華絢爛な装飾が施されているのかと内心、何処かでは思っていたがそんなことはなかった。


 全体的に木造と石造建築でシックな雰囲気を出している。玄関には無駄な装飾が一切なく、あって木彫りの藁人形や武装したガーゴイルのプラモデルしかない。ちょっと値札を見てみたがどれもコレも5000クランで買える、少なくとも手頃な価格とは言えないが金持ちが買うような一級品のモノでもない。


 『金持ちは大抵偉そうとか、馬鹿高い装飾品を見せびらかしたりしてる印象があったのに、此処は全然そんなこと無いんですね・・・・』


 最近行ったことのある貴族の屋敷と言ったら、ファムルスとガラシアの王城だけだからな。アソコは権威を示す的な意味合いで豪華な内装とか装飾してる場合が多いからなんとも言えないが、この家は全然権威を知らしめるようなモノが全然無い。


 ・・・真の強さは背中で語る的なモノがあるのだろうか。


 『腐ってもガラシアの国境付近ですからね。そういう風習というか特性があっても不思議じゃないですからねぇ』


 キルエルと話し合いながらノゥアに部屋を案内される。ジォスは屋敷の回りや外の景色を眺めては「ほーん」と感動の声を漏らす。


 そして客室の内の一つにたどり着く。


 「此処に来る人って殆ど居ないから部屋が汚れてるかもしれないけど、大丈夫?」


 「やー、部屋貸してもらってる立場で文句なんか言えねーよ。掃除道具貸してくれれば後はキルエルと頑張って掃除するから大丈夫だぜ」


 「うん、僕もジォスと同意見だよ。・・・掃除道具は何処かな?場所さえ教えてもらえれば後は僕たち二人でやるよ」


 「ーーーーはッ!コレはつまりキルエルとの協力プレイと言うことかッ!!・・・天気は良好、部屋は掃除中は完全密室、防音対策は入ってみねーと分からねーが、入ってなかったら入ってなかったで聞こえる聞こえないのギリギリを楽しめる仕様になっているッ!!日本じゃねーから玩具はねーがソレに変わる代用品(掃除道具)は有るわけだッ!!・・・・・・こりゃー軽くでも致さないと勿体ねーなぁ。ノゥア、掃除道具は何処だ?」


 「ジォス、お前掃除道具を使って部屋の中で何をさせる気だ?」


 なんか知らないけど身の危険を感じるんだけど、隣から。ジォスは「ハァハァ・・・」と舌舐めずりをしてギラギラした目で僕を横目に見る。何をするのかは分からないが、とてつもなく止めていただきたい。下手したら僕はそういう目でジォスを見てしまうかもしれない。ソレは嫌だ!キルエルは僕が守らなければいけない。命も、そして・・・・・・・・・・・男の《ピー》も。


 ジォスに襲われるかもしれない恐怖を感じていると、ノゥアがにこやかにジォスに微笑む。


 「いくらジォス君と言えど、密室で二人きりなら理性もロクに保てない欲の獣になったりはしませんよね?」


 「ソレは大丈夫だ。そのジャンルは俺嫌いだからな。『正当な手段でアプローチしまくり、相手の意見を尊重して、断られたらその時はすんなりと身を引く。そして時間を置いたらまた再アタックする』。男性恋愛とそういう行為は今のルールを守らなければいけないッ!!ソレが出来ないのであれば、男子に恋なんてするんじゃねーって話だ」


 「じゃぁ、問題はありませんね?」


 その確認に首を振るジォス。大丈夫、問題ないと思いたい・・・。


 『今さっきまでのジォスの行動からして全然問題しかないんですがね・・・・・』


 『う~ん』と頭を抱えるキルエルをよそに、ノゥアは掃除用具の場所を教えてくれた。


 「私は父さんから夕飯を作るように言われてるから掃除手伝えないの。ごめんね。後、掃除終わったら食堂に来てくれる?父さんが二人に用事だって」


 「いいぜ。ところで食堂って何処だ?」


 「掃除用具入れの左の道を進んだ先にあるよ。一応部屋の上に『食堂』って書いてあると思うから、探してみればわかるよ。迷ったら使用人さんに聞いて。案内してくれるから」


 「おー、分かったぜ」


 「じゃぁ、早速取りかかろうかジォス。窓ふきを頼めるかい?僕は床拭きを担当するよ」


 「分かった。俺とキルエルの連携で終わらせるぞッ!!」


 「じゃぁ、頑張ってね。ジォス君とキルエル君!」


 手を振って走り去るノゥア。おそらく厨房に赴くようで手にエプロンを寄せていた。一体何を作るのだろうか・・・。


 そして僕たちは仕事を始めた。


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― 新着の感想 ―
[良い点] いつも新鮮な変態をありがとうございます。
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