父親が湧いてきました。
テスト週間でほぼ一周間投稿できなかったのに、ユニークユーザーの方々の数が100未満になってなくてすごい安心?喜び?ました。
後、ふと疑問に思ったのですがユニークユーザーの方々はどのようにして僕の頭の飛んだ小説を見つけたのでしょうか?時間のある方々で結構ですので是非教えていただきたいです。
「初めは何処に行く予定ですか?」
「初めはノゥアの実家に赴こうかと思ってる」
「私の実家ですよ。つまり、キルエル君の義実家ともなる家です!」
「うん、僕の今後の予定には無いですね」
馬車に乗っている最中に、旅行の計画を尋ねると返って来たのはノゥアの家に泊まることだった。
「まー、他人様の家だし長居は出来ねーよ。1、2週間お世話になったら俺の友人の宿屋に泊めてもらう。ついでに友人にはそのことは了承済だ」
目の前で茶をすすりながらジォスが説明する。へぇ、ジォスにも”迷惑”の載ってる脳みそがあったんだな。
それにしても何の接点もない他人二名を1週間も泊めてくれるのだろうか、と不思議に思い隣に座るノゥアに尋ねた。
「いいのかい?1、2週間泊まるわけだけれども、ノゥアは両親から許可貰ってるの?」
「大丈夫ですよキルエル君。両親にはちゃんと手紙を送り合って了承を得ています。私に友達が出来たことをとても喜んでいましたわ!」
グッと拳を握るノゥアに若干の疑問が浮かび上がった。
「まるでその言い方だと、友達が出来てなかったような言い方だね?」
「実際そうですけど何か?」
ニコッと微笑んで答えるノゥア。笑顔なのに何故かコッチの背筋が冷えた気がした。
『何だろう・・・。ノゥアさんから不吉なオーラが見え隠れしている気がする・・・・』
キルエルが『ヒェッ!』と慄いているが、不覚にも僕もそう感じてしまう。
だが、当の本人は僕の恐怖心を知ってか知らずか肩を叩いてくる。
「別に何か後ろめたい事があるわけじゃないんですよ?・・・・・私だって昔は友達いましたし」
「えッ!?そうなの!!?」
「キルエル君は私を何だと思ってるんですか・・・・」
え、歩く自称義妹戦闘メイドだと思ってますが。
「はぁ・・・」とため息を吐くノゥア。
「・・・私は最初普通に友達いたんですよ。でも皆いなくなってしまいました・・・・」
急に重い話が来おったぞ・・・。旅行なのに何でこんな暗いんだよ。
その長い間で分かる。コレは絶対ヤベェ重い闇を語ってくるに違いない!僕の今までの母親経験から間違いないと断定できる!!
『ゲーム君は一体人生で何を学んできたんですかッ!!?』
キルエルが僕の人生の経験に突っ込みを入れてくる。キルエル、お前もいつか分かるときが来るぞ。
重苦しい息を吐くノゥア。思い出すのも辛いのか、顔を下に向けて両手の甲を額に着けている。
ジォスはあまり興味がないのか、外の景色を見ながらぼーっとしている。オイコラ逃げるな。
するとノゥアがおもむろに自身のステータスプレートを開く。
そして、『スキル・加護一覧』をタップする。
ソコから一つのスキルを見つけ出し、僕に「見て」と視線を送ってくる。僕はなんとなく推測をしつつ、ノゥアに近寄って指さされたスキルを見る。
「『狂喜』・・・・ですか・・・・」
精神力低下を完全無効にして、逆に精神力の活性化を図るスキルだ。能力は『罪悪感を喜びに変更すること』。まぁ、・・・言いたいことは分かった。
僕の推論が正しければ、―――――そう。
『このスキルのせいで、快楽殺害してるように見えたんでしょうね。周りからは・・・・』
多分、本人も理解してるのだろう。それでもこのスキル、それどころかステータスプレートを見ることも出来なければ、みんながみんな僕のようにスキルや加護の詳細を知っているわけがないので、ノゥアの心境には気づかなかったとも言える。
ゲームをしている時は、どれもこれも便利過ぎてキャラが羨ましいと思っていたが実際はそうではなかった。・・・スキルや加護のせいで生活に支障を来たすキャラだっていることを知った。
ノゥアは細々と、口から言葉を零す。
「このスキルで私はモンスターを殺す罪悪感が分からなくなってた。むしろ楽しいって感じちゃってね。――――友人が私を怖がって、消えていったのよ」
「―――――」
「最初は全然、その子達の感情が分からなくってね。『何でモンスターを殺すことが楽しくないの?』って聞いちゃったんだ・・・・・」
「ソレは、・・・キツイですねぇ」
僕もそんな事親しい友人に言われたら正気を疑いたくなるわ。でもそんな事言ってくれる友達いないんだよなぁ・・・。
『悲しさの方向がずれたんですが・・・・』
キルエルがなんか言ってるが放っておく。
「結果は、・・・・多分キルエル君の想像通りだと思うよ。・・・父さんからは『精神が屈強な児だ!』って褒められたけど、両親以外は私の事『異常者』だって言ってた・・・・」
「――――」
「ギルドの冒険者とかなら私の気持ち分かってくれるかな?って思って、ギルド登録してパーティに入ったんだけど、・・・ソコでも『精神異常者』とか『サイコパス』だとか言われた」
「ソレは、・・・さぞ辛かった・・・・ですよね」
僕はゆっくりとノゥアの背中をさする。こんなことで過去のトラウマが治るわけではなし、ソレでも放っておけなくなってしまったのだ。何にもしないのは、彼女に、彼女の傷に失礼だと思ったからだ。
「でもね、キルエル君と一緒にグリアードベアーを討伐に行ったときさ。キルエル君、私の事見て変なこと言わなかったじゃん?」
「あぁ、そうだったね・・・」
僕の2代目母の姑がノゥア並みのヤベェ奴だったからか、耐性が付いたんだろうな。
『いやゲーム君の一族、バァさん揃って危ない人たちばっかりじゃないですかッ!?』
キルエルの突っ込みはさておきだ。
ノゥアはゆっくりと体を起こして、こちらを見る。泣いてる感じはなさそうで、むしろ何故か頬が染まっていた。
「今までの友達とかパーティメンバーって皆あからさまに嫌な顔したり、嫌なこと言ったりするのにキルエル君はそんなこと言わないし、顔も普通でさ。―――私ちょっとキルエル君のこと好きになっちゃったんだ・・・」
「へぇ・・・・」
「そういう経緯もあって、いつも友人には厳しい父さんもお泊りを許してくれたんだと思うの」
今度はノゥアから僕に近寄り、今さっきまで背中に置いていた手を握る。そしてそのまま、すごい笑顔で笑った。
「これからも私をよろしくね!!」
ぐはッ!!
今までのノゥアの妖艶さが、今となっては純情乙女の微笑みのように感じる。微笑みが光となって僕の心が浄化されていく気持ちを覚える。
コレが”尊い”と呼ばれる感情なのだろうか・・・。可愛すぎて、もはや”可愛い”以外の言葉が見当たりません(語彙力崩壊)。
『尊い・・・・』
「尻に敷かれてー」
「『ッ!!?』」
急な変態発言に驚いて声の主を見る。恍惚な表情をしているジォスと不覚にも眼が合ってしまった。僕と視線の交差した瞬間、ジォスがフイッと顔を背ける。オイこのゲイ男、今なんつった?
『下手すれば全世界のゲイに恨み持たれるんじゃないんですかね・・・?』
尻に敷かれたいって、ジォスくらいのイケメンならいくらでも敷いてもらえる男子が居るだろ。そいつらに頼めよ。何で寄りにもよって女子なんだよ。ついに脱ゲイでもするのかッ!?
『ジォス君からゲイ要素抜いたら何が残るっていうんですか・・・。ただの野生のキチガイじゃないですかそんなの・・・』
キルエルが『あり得ない・・・』とわなわな震えながら呟く。確かにな、ジォス。辛いことがあるならいつでも言えよ。ゲイだけはやめるな・・・・。
僕の心配する視線に気づいていないのか、はたまた気づいているのか窓を見ながら軽く赤面するジォス。全米がギャップ萌えしたかもしれない・・・。
あっと、そんなことよりも現実に戻ろう。
僕は握られた手を左手で覆い、ノゥアに微笑み返す。
「えぇ、これからもよろしくお願いします」
「ぐふぅッ!!」
何が効いたのか、途端に鼻を抑えて呻くノゥア。塞げてないようで手の隙間からダラダラと鼻血が垂れている。本当、一体何がノゥアのヘキにぶっ刺さったというのだろうか。
「キルエル君が自ら私の手を、お触りに・・・・ぶふふッッ!!」
あ、もうコレはダメっすね。後お触りとか言うなや。なんか卑猥に聞こえちゃうだろ。
見てみろよ。今さっきまで恍惚な顔面して眺めてたジォスが「ないわー」とか言いながら引いてるぞ。見てみろよ、”あの”ジォスがだぜ?最早ジォスよりもノゥアの方がヤベェんじゃねぇのかって思い直すわ!!
『どっちも色んな方向でヤベェ奴なので同じ穴のムジナだと思いますがねぇ・・・』
キルエルがまさにそれっぽいことわざを出す。
そして僕たちの知らぬ間に、馬車はノゥアの実家前まで来ていた。
S S S S
ノゥアの実家に着いたのは昼過ぎだった。片道馬車でも6時間かかるんだから当たり前か。でも夜中に着くよりずっとマシだしな。文句は言えない。
ノゥアの実家は『Brave☩Innocent』でも何度もお目にかかったことがあるが相変わらず、元々砦と言うのもあってとても大きい。岩山と家が一体化したような巨大な屋敷だ。
屋敷は目に見えても、馬車を降りればそこからは歩きだった。ダンジョン探索や村近くの森を散策してるから大丈夫かと思っていたが、元砦までの道だ。通れるところをわざと通れなくしていたり、不発弾ならぬ不発罠の残骸がそこらにあるので、不用意に漁ることはできない。最終的には一人ずつしか通れない(魔法効果の付与された)おんぼろ橋を渡ったりと、物理的に寿命にダイレクトアタックしてくるような実家までの道に僕は途中で膝をつき、ジォスにおんぶしてもらった。
ノゥア曰く、ちゃんと屋敷の使用人が通れる整備された通り道があるらしいが、結界が張ってあって僕とジォスは弾かれてしまうようであえなくコッチを通っているのだと。
そんなこんなで屋敷の入り口に到着した僕ら『百鬼夜行』。気づけば僕はおんぶをされていたはずなのに、ジォスにお姫様抱っこをされていた。その後、無事離してもらった。
ジォスのウネウネする魔の両手から解放された僕は改めてその屋敷のデカさにビビり散らかす。
「でけー」
「ソレは同感だ」
『うわぁ、遠目から見ても近場から見ても大きいですね・・・』
三者三様の感動を示しているとノゥアが「コッチだよ」と言って、頑丈な扉の魔法陣に手を当てる。するとあら不思議、頑丈な石造りの扉が自ら入り給えと開けてくれたではありませんか!
「早く!この扉10秒しか開けてくれないから!!」
その言葉に動くジォスと僕。僕が走ろうとした時、ジォスが僕を抱えて扉の奥に投げ込み、閉まろうとする扉の間をスライディングで潜り抜けた。アグレッシブ過ぎるんだよ・・・。
ジォスが滑り込んだタイミングで扉が完全に閉まる。内側から見るとなんとも頼りがいのある壁だろうかと思う。
「これぐれーの壁がいざっつー時に出てくれりゃ、有難いことこの上ないけどなー」
「改めて壁の良さについて学んだ気がするよ・・・」
「君たちが、娘の友達とやらか?」
ジォスと共に壁の貴重さに感動していると後ろから声尾をかけられた。ノゥアでもない、ジォスの声飛ばしとかでもない、中肉中背のオッサンのような声だった。
二人して後ろを振り向くと、ソコには―――――――。
アヒルのおまるを腰に装備し、赤白帽子を逆立てて頭に付け、『推し娘・命』とプリントされた服を着た、スカート履いたノゥアの父おy。否、不審者が我が物顔で仁王立ちをしていた。
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
『・・・・・・・・』
まるで時が止まったかのような感覚だった。
ジォスも僕も、はたまたキルエルもその変態的な属性盛り過ぎ不審者に釘付けだった。不審者の隣ではノゥアが「はぁぁぁぁ」とため息を吐いて地面に両膝を付いていた。
不審者はそのままクルッとその場で綺麗に一回転し、お辞儀をする。
「私が噂に聞こえる最強の『格闘家』にして、ノゥアが誇る実の父。―――ダルマオ・トシ=ヴィアチェだッッ!!!」
その不審者の一声が凍った時の空間に、響き渡った。
誤字脱字報告と感想を同時にありがとうございます。
感想:キャラがいつも通り頭飛んでる。
・・・・なんとも言えませんねぇ。実際頭やらかしてるし・・・。
これからも頑張って頭の飛んだキャラに、行動謎キャラに、うにゅら虫、etcを創造していく所存でございます。
これからも応援よろしくお願いします。




