表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
主人公補正なんてクソ喰らえッ!!  作者: うにゅら帝皇神
第ニ章 『短期留学☩テロ』
57/139

付き添いました。

定期テストが近づいてきたので、投稿が遅くなります。ご了承ください。

 アムールは冒険者ギルドに登録するための手続きをしている。僕は付き添いとしてアムールの横に座っており、目の前にはとても教官には見えないナメクジの獣人が粘液を滴らせながら紙にペンを走らせている。・・・お願いだから手袋をしてほしい。


 「はい、じゃぁまず名前、年齢、冒険者志望動機、そして個人的にスリーサイズを教えて貰えるかしら?」


 「アムール=エグザイルです。歳は11。志望理由は『自分のやりたいことを見つけるため』です。スリーサイズはb」


 「答えなくていいぞソレ」


 アムールが答えようとするのを寸前で止める。いつもの流れで聞き流してたが、このナメクジの獣人何聞こうとしてんだ。そしてアムールは平然と答えるな!お前に恥は無いのか!?


 「使える魔法とか、得意な武器はあるかしら?後、個人的に好きな女性のタイプを教えてくれないかしら?ついでに《ピー》の《ピー》の相性も」


 「使える魔法、・・・・分からないです。使ったことないし、武器もないです。好きな女性のタイプはお母さんです!よr」


 「それも言わなくていい」


 本当、何したいんだこのナメクジは。オイ、口から出てるヨダレを今すぐ拭け!何を期待してるんだ変態。


 「なるほど、・・・・未経験者ですか。コレはそそr、いえ、イイですねぇ」


 オイコラ心の声が完全に駄々洩れだぞナメクジ。「そそる」って言いかけてるじゃねぇか!隠す気ほとんど無いだろ。


 僕の心の叫びも空しく、ナメクジ獣人は「初々しいのぉ、ぐへへ」と危ない目をしながらペンを走らせる。逮捕されないかなぁ・・・。


 「それでは最後の質問に入ります」


 「は、はぃ!!」


 粘液でベタベタの眼鏡をクイッと上げてアムールを見る。対するアムールは緊張で声が裏返っていた。でもそんな緊張する程の事じゃねぇだろ。今さっきまでの発言からして碌なの来ないぞ。見てみろよキルエル、あの突き出た目に宿る濁った瞳を!


 『見たくないんで、お願いですからガン見しないでください』


 キルエルが悲鳴を上げてナメクジの獣人から目を背けようとしている。


 ちなみにナメクジの獣人は頭がナメクジで体が人と言うほぼほぼモンスターみたいな見た目だ。突き出た二つの目があるため眼鏡をかける必要があるのか?と思うがソコには触れない方がいいのかもしれない。


 話を戻そう。


 ナメクジの獣人はアムールを見据え、その後軽く僕の方を見る。あくまで付き添いではあるが、獣人の女子とガラシア人の男子が一緒に居ることに違和感を感じるのだろうか、あまり僕に対していい感情は持ってなさそうに見える。


 「もし、もしもの話よ。――――あなたにとって信頼に値する人間が、優しかった人間が牙を剥いたら、あなたはどうする?」


 今までの冗談交じりの喋り方とは打って変わり、その言葉一つ一つに強靭な意思を感じさせるほどの声音でその質問は出た。その言葉に僕は明らかな、というよりは隠された悪意を見た。


 疑っている。と言うよりは嫌っている、という言葉が近いだろうか。


 ナメクジの視線の先にあるのはアムールだけじゃない。僕も居るのだ。いくらガラシアから友好関係を持ち出されようと、ガラシア王国の国民全員が全員獣人に対して偏見が無い訳ではないのだ。ましてや今は個人的偏見云々ならまだしも『英雄創聖教』のようなクソ宗教が根を張っている状態。そんな中で僕のような種族に偏見が無い者でも、友好条約を結んでいる相手国の人間でも、獣人と一緒に居るということが獣人にとっては嫌悪の対象なのだろう。

 

 人間が獣人を敵視し、差別、虐殺を繰り返した長い歴史があると同時に、獣人にも人間を憎悪し、隙あれば報復するという宗教のような悪意の根っこが住み着いたのだ。それゆえ、ナメクジはそんな質問を投げかけたのかもしれない。


 まったくもって、――――クソッタレだ。


 僕は動揺することもなければ、質問の意図を探る真似もしない。ただただ、いつもの表情で欠伸をしたり伸びをしたりして余裕を噛ましながら、隣のアムールが何を答えるか耳を澄ませる。


 「私は、・・・・っ」


 何を思ったのだろうか、少しの沈黙の後アムールが口を開く。言葉を出そうにも僕の存在で中々言葉が出てこないのか、チラチラとこちらを見る。「助けが欲しい」と言外にそう言っている気さえしてくる。

 なので僕はその視線から出てくる助け舟を魚雷で沈めつつ、むず痒い雰囲気を掻き毟るために割って入った。


 「その時は、その時ですよ」


 いつもの業務用愛想笑い(元NO,2ホストの父親直伝)を浮かべながらさらっと流すように言った。


 僕の回答は予想だにしていなかったのか、ナメクジの獣人の瞳孔が大きく開く。だが、すぐに目を細めると僕の愛想笑いに対抗する愛想笑い(ギルド職員直伝)で諫めるように言った。


 「君への質問じゃないですよ。私はそこの獣人さんに質問しているんです。茶々を入れないでください」


 売り文句に買い言葉、一度返したなら最後までしっかり返すのが僕直伝コミュニケーション。肯定と撤退は許さない。


 「すいません。僕がギルド登録したときはそのような質問をされなかったので、少し自分を振り返ってみました」


 「そうですか。でしたらこれ以上口を挟むのはおやめください」


 「そうですね。でも、やっぱり僕が獣人だとしてもそう答えますね。―――裏切られたら、その時はその時ですよ。諦めるかもしれないし、何か事情があるのであれば、本人の意思に関係なく吐かせようと思います。急に裏切って殺そうなんて、―――――絶対”何か”ありますから」


 「」


 僕の言葉にアムールがはっきりとこちらを見る。その眼から見る僕はどう映ってるのだろうか。理解しがたいが、決して侮蔑や嫌悪の念は抱かれていないという確信はある。だって、そりゃぁ。


 アムールだって前に似たような事があったんだから。


 僕は「おっと」と、気まずそうな顔をして一礼する。


 「付き添いなのにまるで僕の面接みたいになってしまったみたいですね。・・・これ以上は口を挟まぬようにします。すいません。・・・・今さっきの返答はお忘れください」


 「えぇ、そうするわ」


 ナメクジの獣人は相当僕のような人間がお嫌いなようで、さらっと僕の台詞を完全スルーした。悲しい気持ちもあるが、むしろしっかり言質を取れたことに驚きもある。


 『今さっきの返答はお忘れください、か。ゲーム君も中々詐欺師めいた事しますね』


 でもまぁ、今さっきの言葉の意味をしっかりアムールが理解してるかってところが今一番の難題だな。


 『言ってくれればいいんですがねぇ・・・』


 キルエルが希望の眼差しをアムールに向ける。


 まぁ、あくまでも僕がやったのは一応模範解答の提示であって、決してソレを言わなければいけないなんてことはない。別の回答があるのなら、ソレを言ってもいいんじゃないかとも思う。


 僕の視線を受けてか、アムールがゆっくりと口を開き、言葉を紡ぐ。


 「私は、私だったら、・・・・とりあえず止めさせて、拳で語らせます」


 おぉ、・・・・んんん??何か今喧嘩番長みたいな事言ってなかったか!?


 変な幻聴が聞こえた気がしてアムールを見るが、彼女はいたって真面目な表情でナメクジを見ていた。


 『何でこうも筋肉だの拳だので語ってくるのがこの国にもいるんですかねぇ?何ですか、脳筋は万人に通ずる何かがあるんですかねぇ。・・・・頭痛くなってきた』


 キルエルが頭を抱えて呻く。理解できなかったようだ。


 だがナメクジはと言うとまんざらでもない表情で親指を立てていた。何故かほんのりと顔が紅くなって見えるのは僕の気のせいだろうか。


 「幼気な幼女が拳で堕ちた親友を叩き起こす。・・・・いいわね。妄想が捗るわ。じゅるり」


 出ていた涎を拭くナメクジ。最早隠す気はないようで、目が完全に逝っている。一体、このナメクジには何が見えているのだろうか・・・。


 恐れおののく僕に関係なく、面接は終わりを迎えてギルドの説明に入っていくナメクジの獣人。


 展開が読めなさ過ぎてキルエルは完全に意気消沈していた。草。

 

 S S S S

 

 面接が終わった後は武器屋に行った。それはもちろんあのムカデの獣人(変態)の経営する武具ショップだ。商店街の武具屋?初心者にはまだ早い。熟練者である僕が利用しないんだから間違いない。


 と言うわけでやってきました武具ショップに!


 あの変態店長にまた会わないといけないと思うと目を背けたくなるが、かといって耐久度の低い装飾ゴッテゴテの商店街の武具をアムールに装備させるわけにもいかないからな。命には代えられないのだ。


 「おーい、イオン店長、居るか――?」


 僕が店内を見回して叫ぶも店長は出てこない。アムールも同様の反応で、


 「気配がない」


 と冷静に言う。


 だが不思議なことに声だけは聞こえるんだから怖いったらありゃしない。


 「此処だ!此処に居る!作業中なんだ。もう少し待っててくれや!!」


 「どこに居るんだ?」


 「・・・・・・?」


 僕がアムールを見て聞くと、アムールも呆けたクマみたいな表情で僕を見てくる。


 なんだこの時間は・・・。


 お互い沈黙しながらお互いを見つめ合うという、なんとも言えないような雰囲気の中どうすればいいのか頭を巡らせていると声が聞こえた。


 「良いムードのところ悪いんだけど、そういうの外でやってくんない?」


 「「!?」」


 僕とアムールが背後を振り返る。だが、そこには誰も居ない。どっから来た今の声は!!近かったぞ!?


 店内には二階に上がる階段以外では出入口である扉以外人が侵入できるところはない。ましてや下は土だ。普段土の中で生活してる虫ならまだしも、・・・・・ん、虫?


 じゃぁつまり声は―――――、


 謎の違和感に襲われ、僕はふと下を見る。


 そこには二本の長い触角が突き出たオッサンが顔だけ外に出して真顔で僕を見つめていた。


 その直後、武具ショップには絶叫とも言える甲高い悲鳴が聞こえたのだった。

気づけば週別ユニークユーザーが200を超えていて驚きました。ありがとうございます。


ある時はバッテリーがぶっ壊れて小説が書けなかったり、時間が足りなかったリ、Wi-fi途中で切れて書いてた奴が消し飛んだり色々ありました。「あー、もうやめたいなー」とか血迷うこともありましたが、何とか豆腐メンタルを立て直し続けて書いてます。


なのでなので、これからもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ