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主人公補正なんてクソ喰らえッ!!  作者: うにゅら帝皇神
第ニ章 『短期留学☩テロ』
36/139

裏技出しました。

 ホストラビット=クゥィーン 24歳 レベル81 女性

 HP2090 攻撃力1067 防御力1202 素早さ1688 魔力990 精神力2088 運44

 スキル:『ドエスの女王』『鞭使い』

 加護:『SMシナジー』『獣人の加護・兎』

 適正属性:風 火


 『ドエスの女王』:味方に攻撃できる。攻撃された味方は精神力1,5倍され、運が20アップする。


 『鞭使い』:装備武器が『鞭』と名の付く武器であれば敵に与えるダメージ1,5倍。


 『SMシナジー』:パーティメンバーに居る他の味方の加護に『SMシナジー』があれば、その数×10を加算した『追撃ダメージ』を付与する。


 『獣人の加護・兎』:HPが3割以下で、全状態異常を回復して素早さと魔力を2倍する。


 スコップ=ドリアン 38歳 レベル73 男性

 HP2702 攻撃力1212 防御力991 素早さ1191 魔力1000 精神力1855 運21

 スキル:『生粋のドエム』

 加護:『SMシナジー』『獣人の加護・犬』

 適正属性:土


 『生粋のドエム』:攻撃されると攻撃力が1,25倍する。


 『獣人の加護・犬』:HPが3割以下で、全状態異常を回復して攻撃力と素早さを1,2倍し、『HP自動回復10%』を付与する。


 レトリバー=ワーク 36歳 レベル77 男性

 HP2680 攻撃力1001 防御力1338 素早さ1288 魔力1064 精神力2000 運30

 スキル:『ドエムの大盾』

 加護:『SMシナジー』『獣人の加護・犬』

 適正属性:土


 『ドエムの大盾』:攻撃されると防御力が1,5倍する。


 シバ=ラベル 33歳 レベル76 男性

 HP2621 攻撃力1100 防御力999 素早さ1222 魔力1408 精神力1798 運33

 スキル:『ドエムの魔法』

 加護:『SMシナジー』『獣人の加護・犬』

 適正属性:無 土


 『ドエムの魔法』:攻撃されると魔力が1,5倍する。


 ブルドグ=チャート 36歳 レベル78 男性

 HP2711 攻撃力1238 防御力1044 素早さ1210 魔力1001 精神力1828 運26 

 スキル:『万能ドエム』

 加護:『SMシナジー』『獣人の加護・犬』

 適正属性:土


 『万能ドエム』:HP半分以下で攻撃されると全ステータス1,5倍する。


 以上が変態勇者のパーティステータスである。だが、今回の模擬戦では”手加減”してくれているので防御力、攻撃力と魔力は元々の半分、つまりはダメージ量が1/4になる。


 『勝てそうな気がしますが・・・』


 そうだな。一見、ダメージ量がかなり減少してる為、あっさりと倒れてくれると思うが残念。そうもいかないのだ。


 この模擬戦はいかに早く総大将を討つかにある。ウチのパーティは連携もクソもないほどにクセの強い野郎共で構成されているため、長引いた戦いは出来ないと考えた方が良い。

 対する相手の変態パーティはアタッカー、アタッカー、ヒーラー、タンク、バランスとちゃんとした連携によって成り立っている上、『SMシナジー』と『獣人の加護』で長期戦も余裕である。しかも全員のスキルがそれぞれ役目をしっかり果たせる構成にもなっている。


 模擬戦であるが故、負けても勝ってもストーリーは進む。だがしかし、負けると経験値が入らない!

 それは嫌だ!何としてでも経験値は欲しい!金の亡者ならぬ経験値の亡者だ、舐めんな。


 僕は揺ぎ無い意志を持って、剣を構える。


 『長期戦は不利、一刻も早く総大将を討たなければいけませんが、当てはあるので?』

 

 キルエルの問いに僕は頷き返す。


 一応、脂男のブルドグ=チャートが”総大将”だ。


 『意外ですね。てっきりホストラビットさんかと思っていたのですが・・・』


 そうだろう?そう思うだろう?僕もそれに気が付くまでに400戦かかった。マジで。ずっと女王が”総大将”だと思って、真っ先にホストラビット倒しに行ってた。

 理由としてはホストラビット狙うと犬人が真っ先に守ろうとするからだ。こうも容易く心理すらも掌握してくるとは運営恐るべし。


 さてさて、脂男もといブルドグは何処に居るのやら・・・。


 僕が辺りを見回すと、ノミに猛攻撃を受けている脂男が居た。


 「ボクの刺突は残像すら残さない、天突く神の嵐牙ッ!!」


 「甘いね、君。僕のボディは君の攻撃を受けてはくれないようだ」


 ノミがイタイ言葉を吐きながらブルドグに連続刺突を繰り出すも、レイピアはブルドグのムキムキ筋肉の表面を滑って受け流される。つるっつるだ。


 「くっ、ボクのレイピア術を受け流すとは、随分と鍛えられた筋肉だな・・・」


 「そりゃぁ毎日動物性油脂を体に塗りたくっているからね。ぬるぬるつるつるであらゆる攻撃が滑るのさ!!」


 「え」


 テッカテカの筋肉を見せつけて爆弾発言をするブルドグ。ノミが呆けた表情でその攻撃が止まる。


 「動物性油脂が僕の体を流れる汗、《ピー》と混ぜ合わさって、極上の背脂が完成する!僕は脂と一心同体になるため、朝昼晩自分の背脂と《ピー》を自分の《ピー》に入れて飲んでいるのさ!!」


 ぎゃああああああああああああ変態いいいいいいいいいいい!!!!


 『ぐわぁあああああああああ!!想像しただけで気持ち悪ぃいいいいいいいい!!!』


 とても良い笑顔でとんでもねぇこと言うなこの変態犬。マジかよ、お前が優勝だわ。勝てる気がしねぇ・・・。そもそも勝とうとも思わねぇ!!


 『これが、総大将に選ばれる人格・・・。やはり通ってきた道が違う!!』


 人間の業を感じさせるような物言いに僕は戦慄してしまう。キルエルは完全に引いている。

 ブルドグは意気揚々と、懐から何かを取り出す。それは透明な容器に入った濁った色をした液体だった。


 「さぁ、君も!!」


 「え?・・・えぇ!?む、無理だ!っていうか何でそんなモノ持ってるんだ!!」


 ノミが絶叫して後ずさる。僕の見解が正しければ容器の中身のソレは今さっき言ったブツを調合した劇毒だろう。うぇ、気持ち悪ぃ・・・。


 「さぁ、君も!飲めば一撃、天にも昇れる心地になるさ!!」


 マジで天に昇るぞ!!


 「やっ、やめろぉぉぉおおお!!」


 容器が傾けられて、何か濁った色のドロリとした液体が入口付近までやってくる。ノミの絶叫など耳に入っていないかのように笑顔でノミの口に入れようなとするブルドグ。


 このまま放置したいという好奇心と復讐心、個人的には助けるのもアリかな?と思ってしまう良心の間で僕が板挟みになっていると、怒号が聞こえた。


 「死ね!変態犬、そのエキスを一般人に勧めるなっつっただろぉが!!」


 目ではとらえることのできない速度で、何かが僕の横をかすめてブルドグの背中にたたきつけられる。


 「あぁ―――――ッ!!!」


 興奮で笑顔になるブルドグ。その顔に、衝撃で飛んだ容器の中身がぶちまけられる。


 白?黒?あと紫?の濁った液体がクリーンヒットでブルドグ本人の口に入った。そして、ブルドグはそれをなんであるかを理解した瞬間、躊躇なくその液体を飲み込んだ。汚い。


 『少なくとも、人が飲める色ではなかったですね。アレもう完全に汚染水ですよ』


 キルエルがブルドグの奇行に若干引く。


 そういえばとある外国の七色河って言われるほどに汚染された河があるんだったか・・・。


 地球の惨事を思い出している場合ではなかった。模擬戦中だった。


 僕は他の連中を見てみる。


 偽善者、勇者、天然ドジ姫がスコップ、シバ、レトリバーと交戦中か。見た目からして攻撃力が変わっているのはスコップのみ、おそらくはまだホストラビットのバフはかけられていないと見受けられる。天然ドジ姫が良い回復量だから目立ったダメージは出てないと思うが、『SMシナジー』の追撃ダメージが蓄積されていると考えた方が良いな。


 で、こちらだ。


 ブルドグの『万能ドエム』は発動しておらず、ホストラビットのバフを受けている。まだ脅威じゃないな・・・。

 そしてホストラビット。鞭自体は中距離武器だからか、こちらには近寄ってこない。手加減だからこそだろう、強化魔法も張ってないし、むやみやたらと攻撃してくるわけではない。『誘い撃ち』を一定時間に一回発動しているだけで、あとは味方への容赦ない”おしおき”だ。


 対するノミは狙いこそブルドグで合っているものの、脂を塗った筋肉ボディによって攻撃の九割が”ミス!”になっている。


 僕は記憶の中から相手の変態勇者共の攻撃パターン、行動モーションを掘り起こす。あー、で、えーと、こうなるから、そこをああやって、あ、でもそれするとあいつらが動いてくるから、それはさせないようにしつつの、・・・いや、ゴーレムじゃないんだし、フィールドも円形だからハメ技は通用しないか・・・。無限攻撃バグはそもそも条件が達してないから無理だ。ヴィアチェが居たならあるいは―――、たらればの話は無しだな。じゃぁ、こうして、それをしつつの近づけないようにやりつつも、あー、うん。これでいけるかな。あ、でも勇者らどうしよう。


 『勇者君は放っておいても大丈夫な気がしますしね。呼ばれたら行きましょうか』


 あー、まぁそうだな。あ、そういえばキルエルってさ、剣大会の時にやってくれた斬撃踏んで上に飛ぶ技を鞭相手でもできる?


 『え、あぁー。アレですか・・・。どうだろう?鞭って斬撃みたく一方通行じゃないし、踏んで跳べるほどの強撃だとは思えませんからね』


 結論を言うと、”無理”ということだろう。・・・仕方ない、めちゃくちゃ面倒で成功するか分からないがアレを使うことにしよう。


 ちなみにキルエルが飛べた場合、ドエム変態犬に邪魔されずに空中からの一方的なホストラビットの撃破が可能になる。まぁ、あくまでも可能性の話だったからキルエルに『無理だ』と言われたら別の方法を取るんだけどね。


 僕はホストラビットへ突っ込む。すると、だ。


 ノミと交戦中のブルドグが身を挺してホストラビットを守ろうとしてきた。


 「させないでごわす!!」


 「お前キャラブレ始めてるぞ」


 ホストラビットが攻撃されそうなとき、一番近くに居る味方がホストラビットを守ろうとする設定が存在し、ここで動いたのはブルドグだ。


 ブルドグの鉈の一撃を『受け流し』つつ、後ろに大きく退く。そして半歩横に移動する。


 そして強く、大地を踏みしめて姿勢を前に傾かせる。限界まで筋肉を収縮させて、顔が地面をかすめそうになった瞬間、そのバネを完全開放する。


 ―――ダッシュアタック。


 地面スレスレで発動したのは風の抵抗を軽減するためだ。ゲーム内では風圧とか水圧とかの抵抗力関係なく同じ速度だったがここは現実世界。すくなくとも『Brave☩Innocent』みたいな、キャラ全員が物理法則を無視して行動できるようなバケモノじゃないはずで、多少は抵抗力の概念があるはず、と考えた。それゆえの行動だ。


 僕はホストラビットめがけて下から上に斬撃を放った。


 だが、これもまたブルドグに阻まれて、ホストラビットに届くことはない。


 でも、それでいいのだ。


 ブルドグの鉈攻撃を『受け流し』て、また後ろに下がる。


 僕の一連の動作を見てキルエルが呟いた。


 『―――無限攻撃バグ?違う、ブルドグさんも攻撃してるし無限攻撃ではない、か。でも、これはほぼほぼゲーム君の一方的な攻撃で―――まさか!!』


 どうやらキルエルは気づいたらしい。この”疑似”無限攻撃バグに―――!!


 ホストラビットを攻撃するとき、味方はガード状態で身を挺して守り、反撃してくる。そのあと一定範囲を離れると、味方の『護衛モード』が解除されて味方がホストラビットから離れる。そのあとまたホストラビットに攻撃しようとすると、味方が『護衛モード』に入ってガード状態で出てくる。


 ―――これの繰り返しだ。


 ガード状態で、攻撃のダメージは減るがこの周期を繰り返せば、ホストラビットを守る本物の総大将を倒すことができる。運営がレベル差の大きい相手でも勝てるようにするための”裏技”である。


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