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主人公補正なんてクソ喰らえッ!!  作者: うにゅら帝皇神
第ニ章 『短期留学☩テロ』
33/139

チンピラを制圧しました。

 「追い詰めたぞクソガキ!!その小袋を俺たちに寄こせ!!」


 「今さっきからちょこまか動き回りやがって・・・・っ!!」


 「おちょにゃしゅくしょにょ小袋(きょびゅきゅろ)(わちゃ)しぃておきぇびゃにょきゃっちゃみょにょを!!」


 「お前ちょっと黙ってろ!滑舌悪過ぎて何言ってんのか分かんねぇ!!」


 三人組の若い男どもが路地裏で獣人の女の子を脅している。一人滑舌の悪いケツアゴが混じってるが、奴がこのチンピラのリーダーだ。何故リーダーなのかは不明だ!!


 僕は闇市みたいな裏市場で使える違法薬物から違法魔道具を買っていただけなのにメインストーリーの網に引っかかるとは・・・、何という不運。


 僕は路地裏の家の屋根からその様子を見ている。


 すると白い耳を生やした獣人の女の子が小袋を抱きかかえ、死守の体勢に入った。


 「ダメ!!コレはお母さんの薬を買うためのお金なの!!絶対に渡さない!!」


 「あぁ!?」


 「ひっ・・・」


 青髪の青年の凄みにビビる女の子。


 「渡せっつってんだろ!クソガキ!!」


 「ダメなの!!」


 茶髪の青年が怒鳴るも揺るがない女の子。


 「お(みゃみぇ)(ぢゃにゅにぇ)にぃみょみょ言っちゅちぇんにょきゃ()きゃっちぇんにょきぇぁ?(いみゃ)にゃらみゃぁぢゅあまにゅあにゅびょ。しゃっしゃちょしょにゅぇをにょきょしゅんぢゃ!!」


 「「「え、何て??」」」


 金髪ケツアゴ滑舌の青年?の言葉に困惑を隠せない仲間二人に女の子。


 『え、何て??』


 キルエルも同じ反応だ。


 無理もない。何回もやってたから意味は分かるが、聞いてる限りでは僕も何言ってんのか分からねぇ。なので、キルエルにもわかるように字幕再生してやる。


 「ダメなの!これは渡さない!!ケツアゴの人は何言ってるのか分かんないけど!!」


 「(わちゃきゅしぇぃ)ひゃきぇちゅにゃぎょぢゅぇにゃにゃい!」

 

 訳:私はケツアゴではない!!


 「いいから寄こせっつってんだろ!!ケツアゴは黙ってろ話がややこしくなる!!」


 「俺たちがその薬を買う金を有意義なことに使ってやると言っているのに、何で分からない!」


 「ダメ!!あなたたちに渡しても碌なことに使わないでしょ!金なんて男は女と酒にしか使わないでしょ!!」


 やべぇなこの女の子、幼いのに何でそんな大人の事情知ってるんだ!?母親の入れ知恵か!?


 その言葉に反抗する青年とケツアゴ。


 「ふざけるな!俺たちがそんな陽キャなところに行けるか!!陰キャには荷が重い!!」


 「あそこは地獄だ。コミュ力とイケメンパリピウェーイ系の巣窟だ。・・・俺たちはもっと夢のあることに使うんだ!!」


 理由が悲しすぎた。そうか、お前ら陰キャなのか・・・。じゃぁなんで強盗やってるんだろう。


 『夢のあること・・・何でしょうか?』


 「それは食べるのも吸うのも良し!陰キャにも陽キャにも全人類に愛されてやまない、至高のブツ」


 「それさえあれば億万長者も夢じゃない!沢山の人を幸せに出来る天使のクスリ」


 「「その名もぉっ!!」」


 急に饒舌になる青年二人、そのテンションでケツアゴが叫ぶ。


 「キンピラゴボ――――ウッ!!」


 「「その通り、キンピラゴb・・・・え?なんつった?」」


 お前だけ強盗じゃねぇだろ!!なんだよキンピラゴボウって・・・。キンピラゴボウで世界を救うなんて、そんなRPGやりたくねぇ・・・。

 しかもケツアゴは滑舌超悪い癖に「キンピラゴボウ」だけとても美しいオペラ声で言うから面白い。何故か「キンピラゴボウ」以外ちゃんと言えない。


 ちなみに答えは「ヤクブツ」です。


 ケツアゴはとても良い声で「キンピラゴボウ・・・」と呟き、空を仰ぐ。良いケツアゴをしている。


 「キンピラゴボウ、しょにぇひゃぎょびょうちょしょびゃみぇりゅしょきゅびゅちゅにょにぇっきょをしゅぴゃいしゅぢゅぇちょみゅりぃしゅぃちゃにょみょ。きゃちゃきゅちゅぇきゃりゃきゅ、きゃみぇびゃきゃみゅりゅふぉぅぢゅぉあじぇぃぎゃぢゅぇぇぇぇりゅぅッ!!」


 訳:キンピラゴボウ、ソレはゴボウと呼ばれる植物の根っこをスパイスで調理したもの。固くて辛く、噛めば噛むほど味が出ぇぇぇぇるぅッ!!


 言い終わったケツアゴは良い笑顔で仲間二人を見る。だが仲間はというと、とても辛辣な目を向けていた。


 「こっち見んな」


 「なんで俺はこんなのをリーダーに押したんだろう・・・」


 諦観の念を露わにした茶髪の青年。心なしか目が潤んでいるように見える。


 ・・・お前があんなの押したのか・・・。見る目って大事だなー。


 そんな中、女の子は無表情で呟いた。


 「私は何を見さされているのかしら・・・・・」


 正論だな。僕は一体何の茶番劇を見ているんだろう。


 もう放っといて帰ろうかな―、なんて思っていたら青髪が「チッ」と舌打ちするとポケットからナイフを取り出した。


 「ケツアゴのせいで本来の目的が分からなくなっただろうが!もうこの雰囲気には耐えられねぇ、無理やりにでも奪い取る!!」


 『これは、危ないですよ!助けに行きましょう!!』


 「おう、そうだな。行くか」


 キルエルの警告に賛同して、僕は屋根から壁を伝って降りる。


 「寄こせやおらぁぁぁッ!!」


 「きゃぁぁぁぁっ!!」


 青髪がナイフを振りかぶって少女へ駆ける。


 対する僕はその場で一回転して突撃する青髪にかかと落としを食らわせようとする。

 だがしかし、いくらモンスター相手に戦いなれたといっても、空中から技を放つのは今回が初めてだ。成功する確率が低いが、狙いをちゃんと定めていれば逸れることはあっても外れることはない。


 見事、僕の初かかと落としは青髪の頭を逸れて肩に直撃した。


 「ぐあああああああああっ!!!肩が、肩がぁぁぁああああっ!!!」


 ぐああああああ!!目が、目がぁぁぁあああああ!!みたいで草。どこぞの目をつぶされた大佐を思い出す。


 青年はナイフを落とし、その場で肩を摑み、絶叫する。


 僕はその青髪の青年の背中を踏みつけてその場に着地した。


 「!!?」


 「何だお前!?どこから沸いた!!」


 「みゃみゅしぇぃッ!!ぢゃびびょううきゃ!?きゅしょぅッ!ちぇみぇえっ、じぇっちゃいゆにゅしゃにぇぇっ!!」


 訳:マムシィッ!!大丈夫か!?くそぅッ!テメェっ、絶対許さねぇっ!!


 「クフッ」


 ダメだ、危機的状況なのにケツアゴの滑舌の悪さで笑いが零れる。いかんいかん。気を引き締めないとな。


 ちなみにマムシというのは今さっき肩を落とされた青髪の青年の名前だ。フルネームは”マムシッシュ=ポイズン”。普通に草。


 さてさて、格好よく一人倒したのは良いモノの、急に空から降りてきて強盗のめす奴なんて少女からしたらただの不審者に見えるだろう。どうにか怖がらせないようにしないとなぁ、・・・。


 『いやでも、ゲーム君が言うにはここは陰の世界なんだろう?じゃぁ、急に沸いて強盗叩く不審者が居たっておかしくないんじゃないかな?』


 キルエルがとてつもない正論を吐いてきた。そうだったな。ここ無法地帯同然だし、そんな変態の千人、二千人居たっておかしくないだろうな・・・。


 相手は二人とも武器はない。僕はできるだけ、とても理由がない限り殺害は避ける主義の人だから『進化の剣』は使わない。使うのは体術技だ。全身の筋肉と骨、バネと波を最大限に利用する技であり、『Brave☩Innocent』でもモーションが格好いいとかで人気がある。

 技の種類も多数あり、殴る、蹴る、頭突き、などなどバリエーションも豊富だ。キーボードの叩く速度によってダメージ量や攻撃速度が変わったりなど結構やりこみ要素もある。


 『まぁ、まずは見てからですかね。例はお願いします』


 そうだな。まずは簡単に習得できる体術技からやってみようか。レベルも上がってるし、キルエルの体だから失敗なんてそうそうないだろうしな。


 僕はまず、一直線に走り出す。狙うは茶髪の強面チンピラ、”エイチビー=シャーペン”からだ。


 「な、コイツ!速ぇッ!!」


 『役割』というのはあくまでも魔法の適正と同じようなものだ。『魔法使い』だとレベルアップ時に魔力に高く能力値が振られたり、魔法の習得が早まったりする。『勇者』だとステータスにほぼ差がないくらいの振り分けをされて、スキルや加護、技の習得を早めたり、『勇者』限定のスキルである『勇者の根源(ブレイブモード)』が使えたりする。だが、忘れてはならない。それはあくまでも”適正”であることを。


 つまり、適正属性じゃなくても『戦士』が『商人』になったり、『魔法使い』が『勇者』になることも可能である。まぁでも、役割変換できるのはストーリー全部を終えてからなんだけどね。


 話がずれたが、僕の役割は『暗殺者』だ。暗殺者の役割の場合、素早さに大きく能力値が振られる”こと”があり、技の習得が”ほんの少しだけ”早くなる。その代わりに精神力と運が”絶対”下がりやすくなるという『Brave☩Innocent』史上、類を見ないデメリットのある役割だ。そのせいもあって『暗殺者』でゲームを楽しめる奴=オタクという偏見すらも生まれた、中々に嬉しくないものだ。


 でも、だ。暗殺者にだって利点はある。


 暗殺者という役割で戦うと、技発動後のわずか1/90秒の間だけ技変更ができるのだ。


 シャーペンは自身が狙われていることを悟り、両腕でのガード。確かにこれでは気絶値を高くすることはできない。そう、正面からでは。


 僕は誰でも簡単に習得できる技、『ダッシュアタック』を発動する。素早い動きで間合いを詰めて攻撃する技であり、発動の瞬間だけ素早さが上がるのだ。一瞬でシャーペンの間合いに入る僕。


 「・・・ッ」


 シャーペンは腕に力を入れる。完全に防御の仕方だ。だが、だ。僕のキーボードタイピングの速度と、脊髄の反射を舐めないでもらいたいね。


 僕は拳を寸止めし、技を変える。流れるようにシャーペンの横面に移動。そして、『寸拳』を発動する。


 途端、僕の拳がぶらついたと思った瞬間だった。


 「がッ・・・・・・!?」


 何が起きたか分からないという表情のまま、シャーペンが真横にぶっ飛ばされ、壁に激突する。そのまま白目をひん剥いて動かなくなる。・・・一発で気絶か。強いな『寸拳』は。


 『寸拳』、相手の懐に潜ってゼロ距離攻撃をする体術技だ。発動がかなり難しいうえ、敵の懐に入って隙を打たないとダメージの与えられない技であるうえ、発動時は動かないようにしなければいけない。威力はそれこそ高いし、習得も簡単だが、実戦で使われることのない『Brave☩Innocent』裏最強技の一角である。


 「にゃんちょっ!しゅぁーぴゅぃうぇぇぇん!!・・・きゅっ、おみゃみぇゆにゅsy《メキョ》」


 訳:なんとっ!シャーペェェェン!!・・・くっ、お前許sa《メキョ》


 ケツアゴは顔面ドロップキックで沈んだ。・・・・仲間の名前くらいちゃんと呼んでやれよ。


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