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主人公補正なんてクソ喰らえッ!!  作者: うにゅら帝皇神
第一章 『憑依☩生活』
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集会に行きました。

 ガラシア王国の王城―――、ただひたすらに頑丈さと強さとデカさを追求した脳筋のような城である。厚さ5m、高さ20mのアホデカい壁の上には迎撃用のカタパルトや大砲が備え付けられており、外見だけで威圧感がMAXなのである。そして中の面積はおよそ東京都の半分ほど有り、その真ん中に王城がある。


 呼ばれたのは『水神の日』、簡単に言えば水曜日でありそれまで六日あった。それまでに僕は何をしていたかと言うとランクアップの依頼と『進化の剣』の強化、新しい魔法の習得だった。


 ランクEの依頼は簡単だった。例えば『飼っていた10匹の猫を見つけて』とか『剣の練習相手の募集』など様々、そのうちの15個を一日で終わらせること六日間。ギルドランクDになり手持ちクランは60万4988クランと増え、『ギルド銀行』にその9割以上を預けることになった。


 レベルは1つ上がりレベルは34。さらに新しい魔法として『身体強化』を完全習得し、光の攻撃魔法『ワイス』を習得した。『ワイス』は威力普通で、初級の悪霊やアンデッドを一撃で浄化できる火力を持つ。

ついでに『身体強化』はこんな感じ。


 『身体強化』:攻撃力、防御力、素早さ、魔力を30分間1,5倍にする。重複で掛けても効果は一回分で一回唱えると一時間使用できなくなる。


 後、正午になる前に教会に寄りパスワード読み込んでとあるフルーツを手に入れた。


 『生命の果実』:食べるとHPが100増える。

 『瞬足の果実』:食べると素早さが100増える。

 『命護の果実』:食べると防御力が100増える。

 『超力の果実』:食べると攻撃力が100増える。

 『異能の果実』:食べると魔力が100増える。


 通常の店で買うフルーツとは違い、食べることによって恩恵を受けれる特殊な果実である。(ちなみに各々1000個ずつある。)


 『ちなみに入手方法は?』


 いろいろある。『謎の商人』が10個入り一袋10万クランで売ってたり、土属性モンスター倒すと稀に手に入ったりする。


 ちなみにその他にもいろいろな果実がある。今回はその一つでもあるこの果実を紹介しよう。


 『闇黒の果実』:食べると遺伝子を書き換え、魔法の適正属性に『闇属性』を追加する。『呪い』の耐性と闇属性耐性を付与する。


 『Brave☩Innocent』のプレイヤーの間では属性果実と呼ばれるこのフルーツは食べると特定の属性に関する耐性や干渉をするものであり、食べれば食べるほど、特定の属性にとても強くなるのである。

 遺伝子組み換えとか危険臭のする説明文なのはご愛敬だ。


 次に『進化の剣』なんだが、レベル3になった。


 『進化の剣』:(レベル3/10000)攻撃力+210 素早さ+30 


 このアイテムのレベルアップ方法は、持ち主のレベルアップ時に1~5上がる。

 レベルの低いときから使えば、レベル10000の時には同じくレベル10000になるように、アイテムの能力も進化するようだ。僕のはまだスキルも持っていないが・・・。


 まぁ高々六日間、これだけ強く成れたならいい方だな。


 以上で近況報告は終わりまして、今日のやるべきことを実況生放送していこうと思います!!


 『常時実況生放送してるでしょゲーム君』


 そうだったな・・・。まぁさておき僕はガラシア王城の門番に緊急招集の紙を突きつける。


 門番が頭を下げて通してくれる。


 僕は『Brave☩Innocent』の知識で東の塔へ行く。

 

 『綺麗ですね』


 キルエルが話しかけてくるので王城内の花壇を見る。色鮮やかな花が目の前で群れている。どれも僕の世界で咲いている花だ。タンポポにアサガオ、ユリにマーガレット、プルメリアなんてのもある。ちなみに花の部分に至っては運営は無知なのか全部四季関係なく咲く仕組みになっている。

 

 しばらくその花々を見ていると、ふいに後ろから声を掛けられた。


 「あの、・・・良かったらコレどうぞ」


 振り返ると短い黒髪と赤色の眼が特徴的な少女が居た。

 彼女は一輪の黒い薔薇をスッと僕の方に差し出す。


 『お知り合いですか?』


 キルエルが話しかけてくる。

 

 ゲームの中では知ってるけども現実世界は違うなぁ。


 彼女はヴィアチェ家っていうガラシア王家の従妹の娘さん、ノゥア=ヴィアチェだ。

 ここから離れた山の方に元砦の実家がある。

 いつもはガラシア王城のメイドさんとして働いているから此処で会うのは必然なのだろう。


 僕は彼女の渡してきた黒薔薇を受け取る。どうやら棘の部分を切ってくれたみたいで、枝に棘が一つもない。


 ふとお礼を言おうと目線を下に向けると包帯の巻かれた指があった。利き手である右手にだけ包帯が巻かれている。包帯で巻かれているとはいえ血が滲んでいて痛そうだ。

 僕はお礼ついでに尋ねる。


 「ありがとうございます。これはお嬢さんが切られたのですか?綺麗ですね」


 「あ、有り難うございますぅ。あ、でも内緒ですよ?勝手に花を取ってあげたなんて知れたら、メイド長に怒られてしまうので・・・」


 「はい、約束しますよ。ところで、その包帯はどうされたのですか?随分、痛そうですが」


 すると彼女はそれに気が付いたのか右手を隠すように左手で覆う。


 「これは、その・・・・・・大丈夫ですよ、あはは」


 ぎこちない笑みではぐらかそうとする彼女。僕は「まぁいいか」と思っていたらキルエルが僕の体を使って動き出した。


 キルエルは彼女の右手を摑む。


 「痛っ・・・」


 「ほら、痛がっているじゃぁないか!」


 「大丈夫ですから!き、気にしないでくださいッ・・・」


 「『気にしないでください』なんて、痛がっている人が言うな!もしも大事になったらどうする!女の子なら猶更だ!」


 キルエルは半強制的に彼女の右手の包帯を解く。

 彼女の掌には何かが刺さった跡が数か所あった。


 『この傷の跡は、・・・・まさかバラか?』

 

 僕がキルエルに問うとうんと頷く。


 「君はメイドなんだろう?こんなに怪我がこうも痛々しいと僕としても見ていられないし、折角きれいな手が台無しだ」


 「っ・・・・」


 キルエルはそういうと彼女の手に向けて魔法を唱える。


 「リープ」


 するとにじみ出ていた血が止まり、傷口が塞がっていく。一瞬にして彼女の掌が元通りになった。


 「こ、これは――――ー」


 あり得ないモノでも見るかのように彼女の眼がキルエルを見る。

 キルエルはそっと彼女の唇に人指し指を押し当てて、次の言葉を言わせないようにする。


 「薔薇のお礼ですよ。これは僕とあなたの秘密です。他の人には内緒ですよ?」


 「はッ、ハイッ!!」


 顔を赤くした少女はぺこぺこと頭を下げて走り去っていった。


 ・・・キルエル、11歳にして既に女の子を落とす技術を身に着けているとは、末恐ろしい。


 僕がおののいていると、体の感覚が自分に戻っていくのを感じる。


 『ゴメン、調子乗った』


 キルエルが半笑いで謝ってくる。ったく、しゃぁねぇなぁ。まぁいいけど。


 僕は再び、東の塔に向かった。


 S S S S


 塔に入ると待機していた別のメイドが僕を案内してくれた。


 「ここで集会が行われます。部屋で待機していてください」


 一礼し去っていくメイドさんに僕も一礼し、部屋に入る。

 

 だが部屋に入った瞬間、おぞましいモノを見てしまった。


 「きしゃあああああああああああああああああああああああああああ!!!!」


 絶叫するノミ。


 「しぃえええええええええええええええええええええええええええ!!!!!」


 踊り狂う勇者(脳筋ゴリラ)。


 「おいひー」


 椅子に座って菓子を貪るマルク。


 僕はすっと扉を閉めた。


 『なんだったんだ、今の野獣共は・・・・』


 疲れすぎて幻覚が見えたんじゃないかな?


 そうだ。幻覚だ。幻覚に決まっている!幻覚じゃなかったらそれこそアイツら変態だ!!


 僕は深呼吸をして気持ちと心を落ち着かせる。


 良し!


 そしてもう一度、扉を開く。


 「あきCaudsivfolvJiulffbひfだいあ;Odhcbusdあ<xすいgcさきvかsKy!!??」


 目の焦点が合っていない、人間を辞め始めたノミ。


 「ウルアッハー!イカチョウチン!バボラ!ハン!タタミクウ!ホウホウ!ウフォウフォ!」


 謎の民族の儀式をやり始めた勇者(おそらくゴリラの間違い)。


 「じゅじゅる、ずぅっじゅるじゅる」


 詰まったトイレのような音を立てて水を飲むマルク。


 僕はその場に膝を落とした。


 「『幻覚であって欲しかった・・・・!!!!』」


 キルエルと心が一致した瞬間でした。


 そんなカオスが混沌と化して5分が経過したときだった。


 扉がノックされ、一人のジジイと僕らと年が変わらないような少女が入ってきた。


 「この度は、エバーズ家の若輩にして勇者に認められし先駆けの英雄、レイブンをお呼び頂き誠に感謝しております」


 「冒険者にして勇者に選ばれた身ですが、この身この魂、王国の剣となれるように尽力いたします」


 「これはこれは、当代ガラシア王様、ご機嫌うるわしゅう」


 今さっきのカオスっぷりは何処へやら、三人とも膝を着いて王に頭を下げている。

 お前ら、僕に対しての反応と全然違うじゃねぇか!!掌回転ノコギリかよ。


 でもまぁ、僕も自分より立場が上の人には態度をわきまえないといけないよね。


 と言うわけで、近くにあった椅子を引っ張り、王の目前で椅子に座る。


 そして僕のできる『王』に対して払える礼儀を全て持って言葉にする。


 「やっほー!アンセムの爺さん、元気?相変わらず奥さんと娘さんには頭が上がらないかい?」


 「「「!?」」」


 その場が凍った。


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