表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
主人公補正なんてクソ喰らえッ!!  作者: うにゅら帝皇神
第四章 『大規模侵攻☩裏切り』
131/139

知らない内に。

 「ほれよ、キルエル。水だ」


 「あぁ、ありがとう・・・」


 ジォスが差し出してくれた水を飲む。水の冷たさが鉄の容器と相まって、口と手から一層僕の血管全てを冷気で包み込んだ。


 「ほぅっ」と息を吐き、空になった鉄の容器をジォスに返す。ジォスは容器の端を見てペロッと舌なめずりをしたかと思うと、そっと『魔法鞄』にしまった。コイツ、何する気だ・・・・?


 僕は改めて怒りが飛んだ、ぼぅっとした頭を持ち上げて休憩所を立つ。


 「ん?もういいのか長よ。あんな失態を晒した直後だ。休んでもらった方が、我も今さっきの出来事(長の本性)を上手く頭の中で整えられると言うモノだが・・・」


 「あぁ、大丈夫だよ。すまないね、心配かけて」


 そっと耳打ちをしてきたアンプログリッツを手で制し、軽く頭を下げる。アンプログリッツは素直にその謝罪を受けて引き下がる。相当、僕の性癖が驚愕の事実だったのだろう。ボソッと、「彼女居るって、そう言う事・・・・」と呟いているのだから。


 僕は改めて今からすべきことの方針を立て直しながら、ジォスに今後の事を話す。アンプログリッツは秘密は守れそうだが、暴走しそうなので後々にジォスから伝えて貰おう。


 「今から僕は祈祷を受けに行く訳だけれども、僕はダンジョンには入らない」


 「あー、『煉獄鳳凰堂跡地』だっけ?行かねーのか?」


 「うん。ただでさえ戦闘が少なくてほとんどイベントで進行するんだから、祈祷は受けても無駄だ」


 煉獄鳳凰堂跡地ではイベントで進み、戦闘はあっても3回だけ。祈祷はダンジョン攻略と狂乱暴徒(スタンピード)でそれぞれ1回。ソレも1日1回だから、使い道には気を付けないといけない。


 「祈祷を受けたら、僕は真っ先にとあるダンジョンに向かう。ジォスか、アンプログリッツが付いて来てくれると助かる」


 「ソコのダンジョンは、―――なるほど。でもソコに何があるって」


 「ジォス、君なら知ってるはずだ。第4章で起きる大事件、ソレは――――」


 ジォスは男性に限り、男性の考えてることやその男性の情報全てを見ることが出来るバグみたいな存在だ。故に、僕の思考をダイレクトに読んだジォスは一旦難しい顔をして――、


 「あッ―――――!!!!」


 マジかよお前ッ!!と言う言葉を表情で表すジォスに僕は頭を縦に振る。


 「俺の見解が正しけりゃー、アレが起きる!」


 「あぁ、ジォスの想像通り起こるぞ。―――大規模侵攻『狂乱暴徒(スタンピード)』が」


 S S S S


 英雄創聖教にて。


 俺達は祈祷を受ける部屋に連れてこられ、受付は祈祷を授けてくれる神官を呼びに行った。


 その数分後、便所から戻って来たマルクが俺を名指しで呼んできた


 「ねぇねぇヴェルト君。少し、良いかな?」


 「なんだマルク、便所か?」


 「違うよ。ちょっと笑い事じゃない情報だから。・・・コッチ来て」


 目が真剣さのソレだったので、俺は有無を言わずにマルクの後に続いて祈祷部屋から出る。リピアが少し疑問を感じた目で此方を見てきたが、「すぐ戻るよ」と言うと頷き、ついて来なかった。分かる女の子はサイコーだな!!


 では本題に入ろう。


 「どうしたんだマルク」


 「あぁ。聴いてくれヴェルト君。今さっきトイレに行った後、帰る途中でとんでもないことを聞いたんだ・・・・!!」


 「とんでもない事?誰から?」


 俺がそう言うと、マルクの頬から冷や汗が落ちる。


 「誰かは、分からないけど、とても美人でお姉さんな聖職者さんだったのは確かだ」


 「どんな感じの美人なんだ?体?顔?」

 

 「体もそうだけど、赤と桃色の長い髪で、緑の瞳が特徴的な女性だったよ」


 「聖職者の女性用の服装ってアレだよな。イイよな~、へへっ」


 「でもあのお姉さんは別格だった。バカクソ煌びやかだったよ」


 「ふーん、俺も一目見たかったなその年上さんに・・・。じゃなくて、そのお姉さんは何を言ってたんだ?」


 危うく話が脱線するところだった。と、俺は改めてマルクを見る。


 マルクは「あぁいけない、いけない」と脳天を親指でぐりぐりする。


 「実はね、キルエル君は結構ヤバいらしいよ」


 「なッ!?き、キルエルがヤバい?・・・どゆこと??」


 どんな話題かと思えばキルエルだった。何か国家の存亡がかかっているとか、英雄創聖教に与えられえた勇愛神様からの御神託とかかと思ったら、・・・・はぁ。


 正直キルエルなんてどうでもいい。キルエルが国家の存亡に関わってるとかだったらまた話は違うんだが・・・。


 俺は若干やる気を失った目で、丸くの話の続きを待つ。


 「キルエル君。どうやらかなり反社会的な組織の有権者とつながりを持ってるみたいなんだ。ソレもただの反社じゃない。国どころか、世界の滅亡を企む非常に危険な組織らしい。最近のジャウール教やカオシズムの件も彼が主導してる。・・・・ついでにヴェルト君を殺して、勇者の座に着こうと考えているらしいんだ」


 「なぁッッ!!!!????」


 「ヴェルト君、声が大きい!」


 「あ、あぁ。すまねぇ。・・・・・・マジで?」


 ホント、今の返答に俺の魂口から出そうになったわ。


 キルエルが反社と?・・・・ウッソだろオイ。キルエル、確かに色々分かんねぇこと多いし、何でこんなに格好いい勇者な俺を敵視するのか分からなかったが、―――そう言う事なのか?


 俺はもう一度確認を取ると、マルクはうんと大きく頷く。


 俺は脱力した。


 「マジかぁ・・・。コレどうしよう。王様に言うべきか、もういっそのこと事故に見せかけて殺すとk」

 

 「ソレはやめた方が良いね」


 「何故に?」

 

 「だって情報通で大手不動産会社の跡取りの僕が知らなかった情報なんだ。王様に言っても信じて貰える可能性は無いに等しい。コレまでキルエル君のやってきたことをつまびらかに話したところで、下される結果はどうあがいても勇者パーティ追放が限界。あの脳みその軽い異端王に人を死刑に出来る頭は無いだろう」


 「暗殺は?」

 

 「僕らよりもずっと弱いし、始末するのは簡単だ。でもキルエル君をやったところで肝心の反社は潰せない。あのキルエル君が組織や世界滅亡について情報を吐くとは思えないだろう?自分の事もちゃんと話さない嘘つきなんだから」


 「ソレはそうか」


 「今は少なくとも、出来るだけキルエル君から情報を取り入れよう。ソレが最善」


 「そうか、なるほど分かったぜ!!」


 俺がグッと親指を立てると、マルクがうんと頷く。


 「コレは僕とヴェルト君の秘密だよ?」


 「なんで?」


 「レイブン君に話したら間違いなく暴走しそうだし、姫様も同様。アムールさんやアリアさんは女性だ。口説かれて篭絡された時にうっかり漏らしてしまわないとも限らない」


 「あぁ、納得」


 理由がアイツららし過ぎる。ソコが良いんだけどな。


 俺とマルクは互いに首肯して祈祷部屋に戻った。


 S S S S

 

 僕はジォスと共に祈祷部屋を訪れた。


 ジォスには外で待ってもらい、祈祷を受けた僕と共にダンジョンに直行する予定だ。


 「んじゃ、行ってくるよ」

 

 「あー」


 僕はジォスに手を振り、祈祷部屋に入る。


 丁度ソコには祈祷を執り行う直前の勇者パが居た。


 「すまない。野暮用があって遅れた」


 軽くその場で会釈して、勇者パの最前列に混じる。今回は主人公補正とか関係なく、僕が原因で遅れたのだ。謝る必要はあるし、ソレも礼儀って奴だ。


 僕が最前列に混ざると、そっと勇者が睨むような目線を投げかけてきた。


 「何かな?」


 紳士レベルMAXの愛想笑いで対応すると、勇者は軽く舌打ちをして顔を背ける。


 僕が何かやらかしたと言うことは万が一にもあり得ないので、勇者よ。一体何をやっちゃったんだ?


 僕の軽い疑問も神官の声によって掻き消された。


 「ソレでは、力の上がる祈祷を捧げるとしましょう――――――」


 リン、と鈴を鳴らして何やら長い呪文を唱え始める神官。ソレに呼応して部屋全体が淡い赤色に染まる。


 そして、身体の内側から力があふれ出るのを感じて―――、


 

 

 祈祷が終了した。


 S S S S

 

 「それじゃぁ、『煉獄鳳凰堂跡地』に行くぞ――!!」


 「「「「「おお―――――ッッ!!!!」」」」」


 まるで獣のような、猛々しい雄たけびを上げて、勇者は拳を高く掲げる。


 僕はその光景をちょっと後ろから見ていた。


 相変わらず元気だなぁーと、もう完全に他人事のノリで勇者を見ていた。


 ある程度喉を酷使したような声を上げた後、勇者が黙って様子を窺っていた僕を見る。「しまった」と思い、顔を逸らすがもう遅い。一撃必中のメンチ切りが発動してしまったのだ。


 勇者はつかつかと僕の方に近寄ると、忌々しい表情で顔に線を刻み込んで問うてきた。


 「キルエル、お前”野暮用”ってなんだ?」


 そんな激烈に鋭い視線に、僕はそのまま向き合う格好で答える。


 

 

 「野暮用。――趣味や遊びでなく、仕事上のつまらない用事」


 

 

 「――――は?」


 「野暮用。――趣味や遊びでなく、仕事上のつまらない用事」


 「だっれが!意味を答えろと言ったあああああああああああッッッッ!!!!!!!」


 さらに顔に深い線を引き、怒号を上げる勇者に僕は可愛らしく首をかしげる。


 ほっら~~~キレましたぁ~~~!!どうせぇっちゅうね~~ん!!!!


 少なくとも今さっきの問いかけの仕方じゃぁ、そう捉えられてもおかしくはない。現実的で論理的な正論で煽られてキレるとか小学生かよ。あぁ、勇者の頭サボテン未満だったな。なら納得。


 「俺は、お前の野暮用が何だったのかを聞いてるんだッ!!」


 「僕が言うとでも?親しき中にも礼儀あり。外国の古事記にも『汝の敵を愛せよ』と書いてあるぞ」


 そもそもの話。なんで僕が勇者に脅されて答えなきゃならんのだ。


 強いて言うなら、『中二病にダンジョンを破壊され、気づけば変態野生児に全裸にされて服をクンカクンカされ、挙句の果てにはクソ女のせいで性癖大暴露した』だな。うん、意味分からん。


 僕の反論に最早精神も身体もキレッキレになった勇者が僕の胸倉を摑もうと腕を伸ばすが――、


 「ふざけてんじゃn」


 「如何なる理由があれど、男に暴力を振るー男は誰でも許さねー」


 バシッと鋭い音を立てて、勇者の手が無造作に空を切る。


 「あぁ、ジォス。来たんだね。すまない。ちょっと絡まれてしまったよ・・・」


 「素粒子の動きで分かったわ。とりまさっさと行こーぜ」


 勇者の掌を払いのけた男は、紛れもなくジォスだった。ナイスタイミング!存在意味不なコイツが居れば、勇者も僕への対応も楽になる!


 ジォスは親指で向こうを指しながら、僕の腕を引っ張る。


 僕もまた、勇者パから離れようと1歩を踏み出そうとして――、


 「オイ!テメェ誰だよッ!!何の権限があって俺の腕を払ったんだあ゛あ!?」


 ブチギレした勇者が憤怒の表情を浮かべて立っていた。


 「というかキルエル。お前、何処に行こうとしてるんだ?今から行くのは『煉獄鳳凰堂跡地』だぞ」


 「あぁ、そのことだけど。すまない。僕は行けそうもないや」


 「はぁッ!!?テメェふざけてんのkぐべッ!!?」


 弁明の余地なく、目が鋭くなった勇者が拳を振りぬく。


 だがしかし、あっさりとジォスにアッパーカットを喰らって壁に激突した。


 「ご、ぶ・・・・」


 「だ、大丈夫ですか勇者様!!」


 慌てて駆け寄った天然クソ姫が回復魔法を使い、吐血している勇者を治す。


 「何やってんの?」


 「やー、話の通じないキチガイに俺達みてーな健全な一般市民の言葉が通じるとは思ってねーからな。とりま殴り飛ばしといた」


 「蛮族かコイツ」

 

 まぁでも実際、『暴力は全てを解決する』とあの有名な暴力と革命の象徴であるガンジーも言っていたからな(言ってないよ)、あながちジォスの理論も間違っていないのかもしれない。


 僕がクリーンヒットして白目を剥いている新鮮な勇者を見ていると、天然クソ姫がとんでもない目で此方を睨む。


 「勇者様を攻撃するなんて・・・・、キサマコレから五体満足に生きていけると思うなy」


 「あー?」


 そんなギリギリと歯を鳴らして此方を脅す天然クソ姫の言葉が止まった。「どうした?」と僕が不思議そうな顔を向けると、天然クソ姫の顔がどんどん青ざめて行くのが分かった。


 「なッ、は・・・・なぁッ!あ、え、な、なんで此処に・・・嘘ぉ・・・・」


 天然クソ姫の眼にはジォスが映っていた。確かに上半身裸体筋肉野郎が眼前に現れて、じりじりと近づいてきたら誰だって言葉を失う。


 ジォスはソレに気が付くこともなく、「んー?」と間抜けな表情をして天然クソ姫に詰め寄る。


 「なんだー?俺の顔になんかついてんのかー?」


 「え、あ、え・・・・・・ぁ」


 冷や汗をダラダラかきながら、言葉にならない言葉を言う天然クソ姫。


 


 不意にその眼が白目を剥き、倒れるまでそう時間はかからなかった。

 

※追記 久々程でもないですけれども久々になろう開いたら、(僕以外の方で僕よりも明らかに社会的に知名度のある、恐らく出版されるであろう小説を執筆する)某有名小説家さん達のユーザー名を勝手に使用して僕への煽りコメを書いた馬鹿(ログアウトされた状態の書き込み)が居ました。明らかに連続で書き込みされたであろう時間帯と同一の馬鹿が書いたであろう頭の軽い内容。とりあえず他の良心的な読者のユーザー名も使っていたので、そのあたりのコメントは他の読者がご覧になり、他者の評価を間接的に下げる恐れがあるため一部を除き削除しました。以後、このような事が無いように感想はログインユーザーのみから受け付けることにしました。

 どこぞの頭の軽い盛りザルかは知りませんが、明らかに僕自身への書き込み(別の方のアカウント名を使用している書き込み以外)は残してあります(勿論ちょっとした時のための材料として)。

 気になるって人はどうぞ見ていってください。見るまで少し面倒ですが。

 基本的にアンチコメも良心的コメもしっかり読む人なんでソコまで作品から逸れてない内容であれば上記のように注意及び晒しはしません。ログアウト状態と言えど他のユーザーさんの名前使って人の悪口書くのは御法度です(作品の愚痴は結構OK)。賢い読者様なら其処ら辺に転がってる叡智な賢者(盛りザル含め)とは違って理解していただけるかと思います。


 以上、ちょっとしたご報告でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ