異世界転移
『ピギャー』
飛びかかってきた青色のスライムを
木の枝で突き刺した。
倒したスライムは
小さな魔石を残して消えた。
もう何匹倒した事だろう。
『レベルが上がりました』
脳内にアナウンスが流れた。
「ステータスオープン!」
種族:ヒューマン
職業:無職
Lv:2
攻撃:15
防御:15
魔力:20
素早:20
器用:20
スキル
・剣術Lv1
・弓術Lv1
・武術Lv1
・逃足Lv1
・物理攻撃耐性LV1
ユニークスキル
・器用貧乏
・鑑定
・翻訳
称号
・異世界に召喚されし者
・英雄に憧れし者
・忌み子
「これだけやってこれかよ〜」
なぜ1人こんな山奥で
スライムで戦っているのか。
それには理由があった。
.
.
.
.
.
ボク佐藤和樹は
いつも通り学校が終わり
道場で今日は剣道の稽古を受け
家に帰りご飯を食べたあと
自分の部屋のベッドで
ウトウトしていた。
そしてそのまま眠りについた。
ふと目を開けると
目の前には何もない。
ただ真っ暗な空間に
ボク1人が浮いている。
「これは夢の中か?」
そう思い宙に浮いていると
突然声が聞こえた
『汝の望みを答えよ。』
「へ?」
『汝の望みを答えよ。』
「いきなりなんだよ。
まずどこの誰なんだ?」
何の返答もない。
『汝の望みを答えよ。』
駄目だ。会話にならない。
どうせすぐ目が覚めて
いつもと変わらない平凡な日常が
始まるんだ。
しょうがないから付き合ってやるか。
「でも望みって言われてもなぁ。」
小さい頃ボクは
赤レンジャーに憧れた。
簡単に言うと
ヒーローになりたかったんだ。
でも自分には無理だと既に分かっている。
ヒーローになるような人は
正義感が強く皆に頼られ
リーダータイプの人間であり
僕のような
特に目立った才能があるわけでもない
平凡な人間がなれるわけがない。
まず望んでいる時点で負けなのだ。
望んだからなれるのではなく
生まれながらの才能が
その人自身の生き方が
そうさせるのだと。
しかしこれは夢の中。
夢の中くらい
好きにさせてもらおう。
「ボクはヒーローになりたい!!」
そう言葉を発した週間
目も開けられないほどの光に包まれた。