家族との夕食の時間が嫌い。
家族との夕食の時間が嫌いだ。だからいつも時間をかけずに済ましてしまう。
特に金曜日が嫌い。次の日は休みの場合が多いから気が抜けるんだろう。さぁガス抜きだとばかりに不満に漏らす。お酒が入っているからさらに喋る。それはもう凄い。声も大きく身振りも大袈裟。酔いがまわってくると不満から他人への悪口になる。お酒を飲みながらだからさらに饒舌になって声も身振りも大きくなる。無限ループだ。
この頃になると大人の口から毒々しい色のガスのようなものが出ているように見えてくる。酒気を帯びた息と他人を乏しめる言葉が混ざりあって、毒ガスのように部屋に広がっていく。その毒ガスを吸いたくなくて自分の部屋に逃げ込むことが続いている。
小さい頃から
「わるぐちをいってはいけない。」
とか
「乱暴な言葉遣いはしない。」
と言っている口で毒ガスを吐いている。大きい身振りに大きい声。更には口から吐く毒ガス。もう怪獣だ。某ウルトラシリーズですらも顔負けの怪獣っぷりだ。
他人を乏しめる言葉にまとわりつく様な笑い声と賛同の言葉。攻撃対象はご近所さん、上司に部下に同僚。挙げ句の果てには道ですれ違った人の歩き方ですらも攻撃対象に入る。本当に嫌になる。
だから家族との夕食の時間が嫌い。その場にいるだけで気分が悪くなる。平日は少し大人しくなるけどどっちにしろその場には居たくない。
普段自分が言っている悪口はそんな気分にはならない。友達との愚痴や悪口を言う大会のようなものもある。のに、不思議だ。
でも、きっと小さい頃から大人は正しいということを言われてきたからからかもしれない。大人は正しい、絶対だと、心のどこかで思っているのかもしれない。そんな存在が自分が正しいと認識していない行動をしてしてしまってるからなんだと思う。私は大人に呆れているのかもしれない。
それぞれ思うことはあるだろうけど少なくとも夕食の時間が嫌いなのは変わらない。それに高確率で私もあんな大人になるんだろうから。もう手遅れだ。
嫌いなことは人それぞれ。