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どうにかしなければ!
「そうです。勘違いです。そもそも私とアリットセン様は婚約などしておりません」
「え?どういうことかしら」
「アリットセン様と婚約しているのはお嬢様ではありませんか」
「(ボソッ)忘れていたわ私。あなたがとんでもない鈍感だってこと」
「?お嬢様何かおっしゃいましたか?」
「いーえ、なんにもございませんわ!どんなドレスがいいかしら、あなたに似合うもの仕立てなくちゃ!」
そういうお嬢様の目はキラキラしていて楽しそうだ。……っていや、じゃなくて!!!
「お嬢様!?勘違いですって!」
「ドレスは私がお祝いとしてプレゼントするから気にしないでね♡」
「話を聞いてくださいお嬢様~!!」
「アニータ、そんな大きい声を出すんじゃありません。」
や、やばい侍女長さんだ……!!
「申し訳ございません!」
「大体、アニータは日頃からうんぬんかんぬん……」
こうしてこの話は鬼軍曹……ゴホン侍女長の出現により幕を閉じてしまった。
そのため結局私はお嬢様の誤解が解けていないままである。
どうにかしなくてはならない……
そうだ!まずは婚約者アリットセン様にこの話を伝えなくては!!