石を積む
人が死んだ。
多くの人が死んだ。
村が幾つかなくなった。
町の人通りはまばらになった。
腐臭が大気を埋め尽くし、やがて臭いは気にならなくなった。
冬が過ぎ、雪が溶け、春が来る。
やがて土に埋もれかけた白い石をいくつも目にする。
どこに行っても、白い石が落ちていた。
白い石の目につかない場所などなかった。
それを拾い、まじまじと眺める。
大きさの割に軽いそれは、しかし硬く、頼りなさはなかった。
石はただ炉端の石であってはならない。
石には役目が必要だ。
だから石を積むことにした。
積んで、教会を建てよう。
その魂が安息に到れるように。
石を積もう、石を積もう。
聖バルトロメイ教の写真を見て。