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「魔女のエチュード  ~宗教幻想を題材にした六つの詩曲~」第3番 女妖術使マリー・ド・ジョルゼルの憂鬱 〜イタリア風・道化芝居の歌〜

作者: 黒実 音子

***女妖術使***

夜な夜な貴方に唄いましょう

ああ、ポルタよ!!

貴方のその神々よりもたらされた

ぶどう(プレーナイト)のような美しい瞳は

ああ、冥界にいる私の心を

空虚なる虜にしてしまったのです!!


ああ、残酷な方!!

暗闇の下僕である私を、貴方は知る事もなく

その祝福された人生を歩んでゆくのでしょう



ああ!! どうして貴方のような方が存在するのでしょう!!

私は、呪われた体を引きずり

美しい貴方に恋い焦がれ続けているというのに!!


私は、暗黒の風の中をいつも一人でいるが

貴方は一人じゃない

その快い魅力と美しく強い星の光が

貴方をいつだって一人にさせる事はないからだ!!


私は死ぬ時、暗闇の冷たい回廊で眠りにつくでしょうけど

貴方は、神々が貴方を作った事を誇りに思うほどの

愛情に包まれて眠るのでしょう!!


私は、長い冥府を歩きながら、たくさんの苦節を味わうが

貴方には、そんな道などに辿り着くような運命は

訪れないでしょう!!



ああ、祝福された青年よ!!

貴方が!! その輝きが!!

私の暗闇の存在を浮き彫りにし

私の心を貴方の虜にし

そして惨めな嫉妬を生み出させるのです!!


夜な夜な貴方に唄いましょう!!

ああ!! ポルタよ!!

貴方は、私を幸せにするつもりなどないでしょうが

私は貴方のその光で幸せを味わい

そして苦悩を味わうでしょう!!



***ひばり***

妖術使よ

その疲れ果てた貴方の歌声を

いつか誰かが美しいと

誉め称えるのでしょうか

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