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ゼリリン、魔法を覚える

ウルフの群れを引き連れ、わんわんの背中にのった俺は洞窟の外に出てきた。

虹色のコア曰く、このダンジョンは世界のどこかにつながっているらしいが、どこにつながっているかは分からない。

予想より強そうな魔物がいたりすると危険なので、攻略本のマップ機能なんかは常に展開している。


「ふむふむ、外は山なのか。マップ表示できる1km圏内には人間の住んでいる場所なんかも無さそうだし、人の集落を探してみるのも楽しそうだな」

「グルォオン」

「……え?お前、村の場所とか知ってるの?」

「グルォン」


知ってるらしい。

正確に何を言ってるかは分からないが、ダンジョンモンスターの効果なのか、だいたいのニュアンスは伝わってくる。

道案内できる魔物は有能だな、テイムしてよかった。


まあでも、今村に行ってもやることもないな。

ここは大人しくキノッピが繁殖するまで魔物でも狩っておこう。


「村への案内は今度頼むよ、今日は狩りが最優先だ。とりあえず適当な魔物を探してくれないか」

「グルルル……」


俺が告げると、わんわんが山道を走りだした。

結構急な斜面とかもあるみたいだけど、何の苦もなく走り抜けている…

さすがは魔物と言ったところか。


そして、群れを引き連れ疾駆することしばらく。

洞窟から1km離れているかどうかといったところでゴブリンの群れを見つけた。

数は5匹ほどで、まだこちらには気づいていないようである。

一匹だけ杖をもっているので、もしかしたら魔法が使えるのかもしれない。


だが、逆に言ってそれさえ気をつければ大した脅威ではない。

なにせこちらはウルフ9匹にブラックウルフとクロスボウを持った俺だからな、余裕だ。

確かゴブリン10匹とウルフ10匹の戦闘で、ウルフが完勝していたはずだし、今の対面で負けることは無いだろう。



「よし、わんわん部隊はゴブリンのかく乱をしてくれ、俺は後ろから杖持ちのゴブリンを狙う」

「グルォン…… ガアァアアア!」


俺の指示を受けたわんわんの威嚇により、こちらの部隊がゴブリンの群れを引き付けていった。

後ろがガラ空きだぜゴブリン。


「あばよ……」


謎の捨て台詞と共にクロスボウのトリガーを引くと、魔法使いゴブリンの背中に太い魔力の矢が突き刺さった。


「うわ、すごい威力だな。矢が大きすぎて、ゴブリンが地面に縫われている」


矢は不可視ではなく、土の魔力によって形成された鉄の矢みたいな感じだったが、それゆえに威力がとんでもない。

突然死んだ仲間に相手も混乱しているようだ。


だがそんなことはお構いなしと、混乱した隙にこちらの部隊が一斉に襲い掛かった。

最初は逃げる振りをして油断を誘っていたわんわんだったが、隠れていたウルフたちと共に勝負を決めにきたようだ。


「グルォオオオ!」

「ギャギャ!?ギャッ……」


わんわんの爪がゴブリンに襲い掛かり、一瞬にしてみじん切りにされたようだ。

他の群れもヒットアンドアウェイの無難な戦いを繰り広げ、一瞬にして残りの3匹を殲滅していた。

これは大量収穫だ、さっそく魔物図鑑に登録しよう。


【魔物図鑑】

ゴブリン:40%コンプリート

ゴブリンメイジ:10%コンプリート


あの杖持ちはメイジっていうらしい。

でもこれで大体の法則性が分かった、図鑑は一匹につき10%達成値が増えるようだ。

ならこのまま、洞窟周辺をぐるぐる狩っていればそのうちコンプリートできる。



善は急げだ、さっそく部隊を引き連れて狩りの続きを再開しよう。

とりあえず魔石だけは収納して、その場を立ち去った。




「ふいー…… つかれたー」


俺はあれから3時間ほど狩りを続け、かなりの成果をあげていた。

主にゴブリンばっかりだけどな。

あいつらどこにいるのか知らないけど、うじゃうじゃ出てくるんだ。

一匹みつけたら周囲に10匹は必ずいる。


…ちなみに魔物図鑑はこんな感じ。


【魔物図鑑】

ゴブリン:100%コンプリート

報酬:鉄の短剣


ゴブリンメイジ:100%コンプリート

報酬:火魔法


ゴブリンソードマン:100%コンプリート

報酬:鋼の短剣


…正直やりすぎた感が否めない。

狩った素のゴブリンの数は40匹以上、メイジが10匹ちょっとにソードマンが10匹ちょっとだ。

絶滅しなきゃいいんだけどね。


…だが、報酬の火魔法はありがたく、これでゼリリンの特徴である魔力が生かせるようになった。

あとでぜひとも使ってみたいものである。


そして残りの鉄の短剣と鋼の短剣だが、報酬で受け取ったものは壊れても、一度出し入れすれば元どおりになってまた使えるらしい。

さすが報酬、ぬかりない。


「よし、今日の狩りはここまでにしよう。俺も帰らなきゃいけないんだ」

「ウオォン」


12時頃に昼ごはんを食べて3時間、そろそろ戻らないと家族が心配するからね、これは仕方ない。


「それじゃ、たぶん明日もくるから、そのときはまた遊ぼうな…収納!」


収納発動後、いつものように一瞬で白い空間に戻ってきた、相変わらず便利なスキルだなぁ…

収納していた素材は広大に広がる白い空間のどこかに保存されているらしく、虹の球体をいじったらすぐにDPに変換できた。


総合DPが[80]DPだったところをみるに、ゴブリンが[1]DPでメイジとソードマンが[2]DPなのだろう。

まあ普通のゴブリンよりちょっと強いから、納得といえば納得だ。


さて、今日やることはもうないし。明日の午前は剣術の訓練だ、帰ったらお昼寝でもしておこうかな。

魔法の訓練は起きたらでいいや。






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