表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/164

ゼリリン、迷宮を運営する

脅威が去ったので、栽培するキノコをDPで購入することにした。

どんなキノコが良いかは攻略本さんのデータベースで検索すればいい。

頼むよ攻略本さん。


そして本を取りだし、記載されている内容(日本語)を読みふける事十数分。

色々と悩みつつも決まったのがこれだ。


【キノッピ】

└魔力を持ったキノコ、赤・黄色・青・紫・白・黒がある。それぞれが高級ポーションの材料となっており、白いキノッピは傷を癒す効果がある。市場では高く売れる。


キノッピを育てて、売る!

そして俺も食べる、完璧な計画だ。


赤いキノッピなどは一時的に筋力を増幅させるポーションになるようなので、俺が素で食べたら力が増すのではないだろうか。

実に楽しみなキノコである。



「しかもこのキノコ、安いな…… キノッピ全種類と栽培キットあわせて[10]DPか」


土地の自然回復と同じ価格である、これは買うしかあるまい。


さっそくDPを消費すると、目の前が光り輝きキノッピが現れた。

これを土のダンジョンに植えておけば完璧だな、さっそく土のダンジョンに向かうとしよう。

いざ、わんわんのもとへ!


「とぅっ!」


茶色いコアに触れて、土のダンジョンへと降り立った。

わんわん以外の全ワンコが、突然あらわれた俺を警戒しているようだ。

…助けてわんわん、君の出番だよ。


「まて、俺は敵じゃない。ほらわんわん、説明よろしく」

「グォオオン、グルォン…」

「「……グルルルゥ」」


リーダーの黒いワンコが灰色のワンコたちをなだめている。

突然進化した個体であるブラックウルフは、群れのリーダーとしてより盤石な基盤を作っているようだ。

リーダーであるわんわんが俺への警戒が不要だと伝えれば、他のウルフたちも従わざるをえない。

さすがわんわん、やれば出来る子。



……さて、お互いの顔合わせも済んだことだし、俺はさっそく栽培に入りますかね。

待っている間ウルフ達も暇だろうし、せっかくだから狩りにでも出かけてもらおう。

もちろん収穫した獲物はダンジョンに持ち込みする前提で。


「わんわん部隊は周囲の魔物を狩ってきてくれ。狩りの収穫物はここの洞窟へ持ち帰り、食べるように」

「グォンッ!」


俺がそう告げると群れが元気よく走り去っていった。

この洞窟内で食事をすれば、肉は手に入らないだろうけど骨や魔石などの素材が手に入ることになる。

魔石はダンジョンに吸収させればいいし、骨は魔物図鑑に登録させる。

いろいろと人手不足だから助かったよ。


「さて、キノコを植えていこう。キノッピは魔力の濃いところだと育ちやすいそうだし、ダンジョン内部では急成長を促すかもしれない」


データベースさんがそう言ってた。

たぶん本当のことなんだと思う。


それからしばらく作業を続け、だいたいの設置が済んだところで一旦帰ることにした。

昼ごはんを食べたらまた戻ってこよう。

その頃には魔石と骨が洞窟に転がっているはずだ。

ちなみに、骨や魔石などは数時間くらいで迷宮に吸収されるらしい。



「ただいまー」


我が家に帰って来た、どうやら今回は尾行されていなかったらしい。

はしゃいだわけではないので、服もそんなに汚れていない。


「あっセリルだ!」

「おう、おかえりセリル」


レナ姉ちゃんと父ちゃんがお出迎えのようだ。

手に木刀が握られているところを見るに、素振りの稽古でもしていたのだろう。


レナ姉ちゃんは5歳の頃から剣術の指導を受けており、剣筋の良さが買われて近々冒険者の家庭教師を付けるとも言われている。

まあ、ここらへんに関しては全く驚かないけどね、尾行していたときの隠密行動といい身体能力がかなり高いようだ。

むしろ驚いたのは、ファンタジーの定番冒険者がいたことかな。

どうせ男爵家をつぐのはルー兄ちゃんだろうし、俺も冒険者になってみるのもいいかもしれない。


ちなみにルー兄ちゃんも近々魔法の家庭教師を呼ばれるらしい。

家庭教師は一種のステータスようのなもので、貧乏貴族とはいえ、それなりの教育は施すようだ。

さすがに俺には家庭教師とかつかないだろうけどね、経済的に。



「ふむ、家庭教師をつけることは経済的に厳しいが、セリルも男の子だ。もう少ししたら父さんから剣術でも学んでみるか? これでも父さんは元騎士団員なのだよ、ハッハッハ!」


お、これは願っても無いな。

体のスペックは種族的に高いゼリリンだが、魔法や剣術などの技能が最初から備わっているわけでもない。

特に剣術なんかは独学で勉強するより、師匠が居た方が伸びやすいだろう。


「それなら明日から僕も参加するよ」

「おう、それでこそロックナー家の次男だ!」


元騎士団員ともなれば、腕はそこそこだろう。

家庭教師で来る冒険者ほどではないにしても、勉強にはなると思う。


…その後は昼食を食べ、森へともどることにした。

おそらく既に狩りは終わり、魔石と骨が迷宮内に散乱しているころだろう。

リーダーが強化されているからまず負けることはないだろうし、狩りの効率もあがるはず。


DPの収入や魔物図鑑からの攻略本のグレードアップが楽しみだ。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ