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ゼリリン、魔物図鑑をうめはじめる


村で魔族を一掃して、クローム神聖国の王都クロムに戻ってきた。

これから依頼達成の報告をするわけだけど、もちろん図鑑コンプリート用の魔石は10匹分収集済みである。


そしてコンプリートした時の報酬がこちら。


【魔物図鑑】

下級魔族:100%コンプリート

報酬:スキル<ダークオーラ>


【ダークオーラ】

スキル効果:

微量の魔力を消費して、魔法攻撃力と身体能力を底上げする。

身体強化の上に重ね掛け可能。

オーラを操り、第二の手足のように操作することも可能。


かっこいいスキルをゲットしたらしい。

武器系報酬は攻略本さんを召喚していないと出現されられなかったが、スキルであるダークオーラにはそのような制限はないようだった。

かなり便利な能力である、さすが魔族の報酬だ。


ちなみにある程度時間に余裕のあった帰り道では道中の魔物を狩り、グレードアップのために魔物図鑑へ登録させていった。

ここらへんにはそこまで強い魔物はいなかったけど、パチュルのいるリージュン王国とは違った魔物も見受けられたのだ。


登録した魔物はこちら。


【魔物図鑑】

ジャイアント・ビー:100%コンプリート

報酬:猛毒入りの瓶


シールドアント:100%コンプリート

報酬:鋼の盾


ソルジャーアント:100%コンプリート

報酬:鋼のロングソード


サイレント・バード:100%コンプリート

報酬:音魔法


となっている。

上から順に、でかい蜂・でかくて硬いアリ・でかくて鋭い牙のアリ・魔法を使う鳥、といったところ。


すべて火魔法で巣を焼き払ったらコンプリートできた。

ボロい仕事である。


それと音魔法についてだけど、自分の音を消したり大きくしたりとか以外に使い方が分からなかったので、いずれこの魔法について研究する必要があるだろう。


それにしても、これだけ狩っても魔物図鑑がグレードアップしないとは……

なかなか手ごわいな、これは地道にやっていくしかないようだ。

ちなみに魔族以外の魔物素材は全てDPダンジョンポイントにする予定だ。


さて、そろそろ依頼の報告でもするかな。


「という訳なので、村に巣くっていた魔族は全て討伐してきました」

「え、えっと…… しょ、少々おまちくだい!」

「ほい」


ギルドの受付までやってきた俺は、亜空間から下級魔族をどっさりと取り出した。

ほとんどリグとわんわんが倒したものだけどね。

ちなみに数は20体ほどで、素材買い取りカウンターの上に山のように積まれている。


とりあえずギルドの受付嬢さんが査定を行っているみたいだけど、だんだんと顔が青ざめていってるな。

うむ、これなんかデジャヴ。


「こ、これ、全部本物の魔族ですって……っ!? はわわ…… ギ、ギルド長ー!」


顔を真っ青にしたお姉さんがギルドマスターを呼びにいったようだ。

やっぱりこうなったか。


前回の薬草事件では盛大にやらかしたが、今回はそこまで変な事をしたわけじゃないと思ったんだけどな。

依頼対象はBランク程度だし、内容にも集団でいると書かれている。

ふむ、なぜこうなったのだろうか。


すると、こちらの様子を伺っていた冒険者の話し声が聞こえてきた。


「お、おいあのガキ達マジかよ。Bランクパーティが何チームも集まって達成する依頼を、こんなアッサリ……」

「それにあいつ、昨日の召喚小僧じゃねぇか! 期待のヒヨッコレベルだと思ってたが、まさかこれほどとはな」

「ふっ。この俺はあいつがデキる奴だって、最初から分かってたぜ?」

「「「おまえそれ、いま考えて言っただろ」」」


おっさん冒険者達の話によると、どうやらただのBランク依頼ではなかったらしい。

Bランク個人ではなく、Bランクパーティが複数あつまって攻略するような高難易度依頼だったようだ。


でもまあ、やっちゃった事はしょうがないよね。

いざとなったら、すべてリグの成果って事にしよっと。


すると、受付嬢さんが体躯のいいドワーフのおっさんを連れて戻ってきた。

どうやらこのおっさんがギルドマスターらしい。


ドワーフのおっさんはカウンターに積み上げられた山を見ると、大きく頷いた。


「ほう、確かに下級魔族で間違いないようじゃな」

「そそそ、そうなんです! この子がいきなりドサッと! ドサッと出したんです!」


いやいや、人を怪奇現象の原因みたいに言われても……

お姉さんは混乱が治っていないようだ。


「ふむ、何もない空間から魔族を取り出したと? なるほどのぉ」

「そうなんですギルドマスターっ、いきなり出したんですぅ!」

「……お主はちょっと黙っておれ」

「……はい」


興奮しすぎたお姉さんが怒られてしまった、なんか申し訳ない。

そしてしばらくして、顎にたくわたヒゲを撫でて考えごとをしたギルドマスターが口を開いた。


「この類いまれなる戦闘力に、何もない所から取り出すスキル、だいたい察しがついたのぉ…… まさか本当に儀式が成功しておったとはな。うむ、まあそれはともかく、君たちには報酬を渡さねばな。これが報酬の金貨200枚じゃ」

「ほいほい」


ギルドマスターから報酬の金貨を手渡されたので、ありがたく受け取っておいた。

今回は2人で成功させたからボロ儲けだったけど、実際は10人以上の人数を組むわけだから、そうでもないんだよね。

装備の修理代にポーション代も含めたら、少し美味しい依頼といったところだろう。


「それと、ギルドカードのランクアップ手続きをするから一度ワシの部屋に来なさい」

「さすがです若っ! さっそくランクアップだなんて、凄すぎます!」

「いやいや、僕がランクアップするならリグもするから」

「えぇ!?」


いやだって、今回活躍したのはリグだよ。

ほんと見た目は可愛いのに、頭の残念な少女だ。


それからランクアップすると知って興奮しだしたリグを引き連れ、ギルドマスターの部屋へ向かっていった。

ランクアップの手続きをするだけで呼ばれるわけないし、おそらく勇者の件について感づかれているのだろう。


国王と冒険者ギルドのマスターが情報のやりとりをしていてもおかしくないし、だぶん間違いない。


どうやら英雄リグに役に立ってもらう時が来たようだ。


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