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ゼリリン、魔力測定でやらかす



騎士の人たちに案内されると、学校の大きな門の前には大勢の子供たちが集まっていた。

魔法使いのような装備をしたお子様から、剣士風の装備をしたお子様まで様々だ。

さすがに貴族が通う国営の学校だけあって、受験する子たちもものすごい気合の入れようだな。

ロックナー家なんて、最低限の杖と短剣しかもってきてないぞ…


ちなみに杖はルー兄ちゃんで、短剣はレナ姉ちゃんだ。

俺は何も持っていない、あえて言うならそこらへんの屋台で買ったジャガバターだろうか。

もちろんジャガバターに見えるだけで、そういう名前ではないが。


「わぁぁ、みんなすごいね? お姉ちゃんビックリしちゃった」

「もむもむ…そうだね。……ん、甘い」


俺もちょっとビックリしてる。

だってジャガバターのくせしてイチゴの味がしやがるんだぜ、いったいどうなってるんだ。


「セセセ、セリル! 僕から離れちゃだめだよ? 都会では迷子になりやすいからねっ! うん!」

「ほい」


ルー兄ちゃんはめちゃくちゃ緊張しているな、ここに来るまであれだけ王都について調査してたんだから、自信を持てばいいのに。

そもそも、あんた試験とかないだろうに。

そんなにあからさまだと、姉ちゃんにからかわれるぞ。


「あははっ! ルーが緊張してるーっ!」

「し、してない!」

「えー? してるよ?」

「ちがうよっ!」

「……ほむ?」


やっぱりツッコミが入ったか。

まあでも、ツッコミに抵抗することで緊張から意識が逸れて、ある意味落ち着きを取り戻してきたようだ。

まさかこんな方法で緊張を解すとは、さすがアサシン・レナ…


そうこうしている間に、俺たちの所に入試の担当者と思われる職員がやってきた。

目の前に居た子もさっき呼ばれていったので、試験の順番が回ってきたということなのだろう。


「ふむ、次は君たちの番のようだね。なになに…ロックナー家の長男と、長女、次男か。よし、ルー君はそちらの職員についていってください、教室で学生寮や校則についての説明がありますので。レナちゃんとセリル君は試験ですね、私についてきてください」

「じゃ、じゃあレナ姉さんとセリルは頑張るんだよ!」

「お姉ちゃん張り切っちゃうよ!」

「……あ、ジャガバターなくなった」


その後は二手に分かれて別々の所に案内されていった。

試験組は校庭のようなところでとりあえず実技試験を行うらしい。

ちなみに、案内してくれた職員さんは深い緑色の長髪をしたエルフさんだ。


「さて、まずは魔力の検査からですね、お二人は水晶に手を当てて下さい。魔力の大きさがランクで表示され、適性のある属性に応じた色になります。では、まずはレナさんから」


ほう、魔力量や適性を測定する魔道具なんてものもあるのか、人類侮りがたし。


だが、これは俺にとっても有意義な調査だ。

ゼリリンが魔力量SSの魔王だからといっても、それは順調に成長していったらの話。

いまの段階でどの成長しているのかは常々疑問だったからね。

キノッピドーピングも含めて、そこらへんが知りたかった。

俺も早く水晶使いたい。


「うーん? 色は…紫? 文字は~……ビー?」

「こっ…これは! 魔力ランクBの毒属性…!? そんな…この歳でBランクの魔力量に、複合属性だなんて……天才だわ!?」


うん、知ってた…

3歳の時に魔力の使い方を教えた時から訓練してたもんね、そりゃあ鍛えられますわ。

明らかにこの年代の子を逸脱している。


だが、毒属性ってなんだろう…

まあ複合属性って言ってるんだし、きっと何かと何かを掛け合わせた属性なのだろう。

あとで調べとこ。


「それにBランクの魔力を内包しておきながら、体から魔力が漏れていないなんて…なんて末恐ろしいのかしら。もしかしたら英雄レベルの器かもしれないわ、これは校長に相談しないと……」


職員の方がぶつぶつと独り言を始めてしまった。

はやく俺も測定したいんだけど、なにやら真剣なお顔をしている、声をかけづらい。


「お姉ちゃんは終わったから、次セリル使っていいよ?」

「うん。お姉さん、次いい?」

「ハッ!? 私としたことが、つい……つ、次はセリルくんどうぞ」


やっとお許しが出た。

それじゃ、さっそく…


「お、おお~。まぁ、まだこんなものかな」


魔力量はS、色は点滅していてよくわからない。

赤になったかと思えば緑になるし、移り変わっていくのだ。


「こ、これはっ!? そんな!?」


次はいったいなんだというのかね、大げさな職員さんだ。

なんか見てはいけない物を見てしまったかのように、全身を震わせて冷や汗を流している。


「エスだ! セリルすごーい! でも、色変わっちゃうね?」

「うん、なんでだろうね?」


よくわからないけど、なるようになるさ。

オリジンスキルを見られているわけじゃないからね、ただ魔力が多いだけだ。


「あ、あなたたちはいったい何者なの…まさか、魔道具の故障? いえ、でもそんなはずは…」


何者と言われても、俺は試験を受けに来たゼリリンだよ。

あ、エルフさんの目の焦点が合わなくなってきた。

でもしっかり結果だけは記録してるところを見るとプロだね。

さすがだ。


それからしばらく、放心したエルフさんがいつまで経っても目の焦点が合わないので、放置してたらマッチョの職員さんが俺たちを案内してくれた。

どうやら体力測定を行うようで、もともとここで引き継ぎが行われるはずだったらしい。

さっきのエルフさんは他の職員さんにしっかりしろと怒られている。

エルフさんも大変だな、きっと疲れがたまっていたんだろう。


そして場所を移し、広めの空き地に移動するとマッチョの職員さんが声をかけてきた。

大剣を背負っているし、次は実技試験なのだろうか?


「ふむ、次は体力測定だ。俺は試験官のゴレムス、お前たちの戦闘力を見極める元B級冒険者だ。いまから10分間、お前たちと俺で模擬戦を行う。俺からは直接攻撃はせんから、2人で好きなようにかかってこい」


ということらしい。


なるほど、元とはいえB級冒険者が実力を測ってくれるなら正確だろう、これは腕がなるな。

それにレナ姉ちゃんとタッグというのもまた良い。

初めての試みだけど、戦闘のセンスに関してはアサシン・レナは本当の天才だ。

ひと泡吹かせてみようかな。



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