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ゼリリン、昼ご飯に間に合う



目の前には【ダンジョンマスターネットワーク】の文字。

バトルに勝利したことにより、新たな機能が解放されたということまでは分かるが、なぜ今まで解放されていなかったのかが分からない。


俺の他にもダンジョンマスターが居ることは、転生特典の種族選択でなんとなく想像できていたが、こういう機能は最初からつけておいてほしいものだ。

最初は魔力不足で亜空間に来ることすらできなかったので、種族ゼリリンとしての成長に応じてというのは分からないでもないけど。


……まったくもってゼリリンは謎だらけだ。


だが、自分の現在位置が表示されるようになったのはありがたい。

おそらくこの現在位置というのは、亜空間迷宮から派生したすべてのダンジョンコアの位置なのだろう。

これが分かれば自分の実家とパチュル達の大陸の距離感がつかめるようになるからね、今後動きやすくなるだろう。


ランキングとかいうのも気になるし、バトルの申し込みも今後活きてきそうだ。

ランキングというからには上位者にはなにかしらの特典があるのだろうし、もしかしたら挑まなければならない魔王がどの程度の強さなのかも測れる。


そしてなにより、亜空間迷宮としてダンジョンバトルで負けても、おそらく消費されるのが一番近くにある自分のダンジョンコアだというのが最大のアドバンテージだ。

今回もつながったのが土の迷宮だったし、負けても俺の損失は300DPダンジョンポイントということが分かっている。


ランキング次第だが、これはバトルをけしかける以外にありえないだろう。


「なにはともあれ、とりあえずは現在位置の確認かな…どれどれ」


目の前に浮かぶ巨大なスクリーンを操作し、現在位置を確認する。

すると、やはりというべきか土の迷宮コアと神聖国の教会コアは、隣接する位置に表示されていた。

なるほど、これだけ近ければお隣の国というのも頷ける。


大陸は大きく分けて2等分されているが、画面の右端と左端がどう考えても繋がっていないので、ダンジョンコアがある付近以外は地図に表示されていないのだろう。

これが本来の世界地図と想定するならば、右端と左端の大陸は形が繋がっていないとおかしいからね。


それからさらに確認してみると、右の大陸には土の迷宮の表示があり、左の大陸のは亜空間迷宮の表示がある。

こうやってみると、土の迷宮と俺の家はそこまで離れていないようだ。

自分の国がどこからどこまでなのか分からないので何とも言えないが、土の迷宮と神聖国の距離を10倍くらいにすれば現在位置とちょうど重なる。

魔王云々の話がこちらまで届いていないのは、大陸が違うからなのだろう。


ぶっちゃけ、ロックナー領内があまりにも田舎で情報が無いというのも大きいだろうけどね。

なにせ田舎の男爵家だ、王都などの都会に出ることもそうそうないし。


「よしよし、現在位置の把握はできた。次はランキングの確認かな?」


ポチっとな。


【ダンジョンラキング】

Rank1:─Unknown─(DP:???????)

Rank……

…………

…………

Rank230:亜空間迷宮(DP:2622)

…………

Rank342:Noname(DP:0)

Rank343:Noname(DP:0)



ふむふむ、亜空間迷宮は230位か。

342位以下は名無しになっていることから、まだダンジョンとして成立していないという意味なのだろう。

さっき挑んだ生まれたてダンジョンですら名前があったし、名無しにはバトルの申し込みもできないに違いない。

申し込んだからといって相手が承諾するかは分からないけどね…


推測だけど、さきほど強制的にダンジョンバトルになったのも、この申し込み機能が亜空間迷宮に搭載されていなかったからなのだろう。

俺が侵入すると同時に、勝手に申し込み扱いにされていたに違いない。

ま、結果オーライだけど。


よし、今日の確認はこれくらいにして、明日からは神聖国付近でDPを稼ごうと思う。

ジェリー公爵家もリジューン王国を離れて神聖国へ来る可能性が高いし、土の迷宮付近で活動することも今のところあまりない。

なにより、魔族を魔物図鑑に登録して報酬をもらいたいのだ。


図鑑を埋めるとグレードアップするらしいけど、まだ攻略本さんのグレードが上がったことはないので、ここらへんも俺の楽しみなのである。

いったいグレードアップでどうなるのか、早く見てみたい。


……うむ、長い時間確認作業を行っていたけど、そろそろお家に帰ろうかな。

きっともうお昼ごはんの時間だし。



いつもの森から猛ダッシュで帰宅した俺は、見事なスライディングで門限のお昼ごはんに間に合った。

今日もギリギリだったぜ。


ちなみに門限は母ちゃんがごはんを作り終えるまでである。

時間がアバウトなので、間に合う確率は5割に満たない。

冒険者ギルドの依頼で言えば、間違いなくCランクくらいの難易度はあるだろう。


なぜなら今の俺の力がCランクの冒険者に引けを取らず、なおかつ成功率が5割程だからだ…

うむ、完璧な理論だ。


「ただいまーっ!」

秘技、ゼリリンスライディング!


「あらあら、おかえりなさいセリル」

「あはははっ!セリルが間に合ったー!」

「僕がいうのもなんだけど、もっと余裕を持った方がいいよ?」


出迎えたのは母ちゃんとレナ姉ちゃん、同じく外出から帰ってきたルー兄ちゃんだった。


いつもの事だが、レナ姉ちゃんは俺が門限に間に合うか見張っている。

間に合わない時には母ちゃんと一緒にお仕置きしてくるので、間違いなく楽しんでいるのだろう。

なかなかに手ごわい。


まあ、お仕置きでごはんが減ったときは自分の料理を分けてくれるので、悪気はないらしいけどね。


それと、今日の料理はカレーライスだ。

カレーライスという名前ではないけど、それっぽい見た目なのでそういうことにする。


それじゃ、いただきます。



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