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ゼリリン、ダンジョンマスターとして成長する


森のダンジョンを攻略した後はすぐに元の空き地へと戻ってきた。

美魔女さん曰く、攻略されたダンジョンは崩れ去るケースもあるらしく、あんまりうかうかしていられないようだ。


入口は既に俺のダンジョンをとは切り離されており、特にこれといった変化は見受けられなかった。

よかった、つながったままだったらどうしようかと思ったよ。


ちなみに、ここまでの道中にパチュルの取得したスキルを鑑定してみると、自然回復とやらの効果が詳しく攻略本に表示された。


【自然回復】

スキル効果:

魔力かスタミナが半分以下に減ったら、どちらも全回復する。

1日に2回発動できる。


というスキルのようだ。

ゼリー細胞の劣化みたいな能力で俺には全く不要だけど、人間からしたら喉から手が出るほど強力なスキルだ。

なにせ、2回の発動を考えれば魔力・スタミナが2倍になったようなものなのだから。



「セリルっ、なぜか、あのボス切り株を倒した瞬間から強くなった気がするわ!? どうなってるのかしら…?」


いや、そこはギルドマスターの美魔女さんに聞こうよ。

俺がなんでも知ってる訳じゃないんだから…

まあ、データベースさんはなんでも知ってるけどね。


「うーん…? たぶん、さっき攻略した時に何かしらのスキルを得られたんじゃないかな。ダンジョンの攻略者には不思議な力が宿るって聞いたことあるよ、切り株を倒したのはパチュルだからきっとそういうことだよ」


きっともなにも、そういうことなんだけど。


「ははは、セリル君はやはり博識だね? まさにその通りだよ。ダンジョン攻略者には何かしらの力が付与されることが今までの事例で明らかになっている。それが何なのかは分からないが、クローム神聖国の教会に行けばある程度の事は分かるそうだ」


えっ!?

あの国って鑑定ができる施設があるのか…

もしかしたら、聖女さんがいきなり俺を攻撃したのもそこに関係するのかな?


すぐに魔王から勇者に手の平返しされたところ見ると、そこまで正確にわかる訳じゃなさそうだけどね。

まあ、あれに関しては結果オーライだ。


「クローム神聖国なら私のパパに頼めば連れて行ってくれるわ。なにせダンジョン攻略を成し遂げたんだもの、これはジェリー公爵家の歴史の中でも偉大な功績なはずよ! …たぶん。それに、あんたの素性も知りたいし?」


ふむ、あの国じゃ勇者やってるわけだし、賢者でないことがバレてしまうが…

まあ、いまさらだ。

勇者がお忍びでこの国に来ていた言い訳とでも言っておけば、どうとでもなるだろう。

そもそも、魔王なんだけどね。


「神聖国では新たな勇者が召喚されたという噂もあるようだから、どちらにせよ近隣諸国の王族・公爵家は招待されることになるだろうね。魔王討伐に備え、ある程度の団結が必要なはずだ。そしてセリル君も、おそらくはそのメンバーに組み込まれる。君はまだ5歳ほどだが、これから先の決戦を見据えれば今から育てておくべきだろうからね」


ここがどこの大陸か知らないけど、魔王やらなんやら大変なようだ。

実家では魔王の話なんて微塵も聞かない以上は、少なくとも別大陸であることは間違いなさそう。

平和な大陸に生まれてよかったよかった。


そして、神聖国や魔王のことなんかを聞きかじりながらギルドへと赴くと、美魔女さんから指名依頼の報酬を受け取る下りとなった。

この指名依頼の内容がそもそもからして調査であり、内容としても秘匿性の高いものであることから、大々的なランクアップや名誉などは報酬内容には含まれないようだ。

なので報酬は本来の金額に多少色をつけたものになる。


俺としては軍資金が増えてウハウハだし、パチュルも強くなれてご満悦のようなのでここらへんに関しては文句は出なかった。

お互いにwin-winだね。


……ちなみにその後はすぐに解散となり、今は公爵家の家の前でお別れをしているところだ。

子供の時によくある、また明日あそぼー、みたいな流れだな。


「それじゃ僕はもう帰るよ? そろそろお昼寝したくなってきた」

「ふふん、好きにすればいいわ。もうあんたの居場所は割れてるんだから、首を洗って待ってなさい! 逃げるんじゃないわよ」


その言い方だと、俺が決闘を申し込まれているような流れになるんだが…

この幼女のことだから本当にありえそうで怖い。


「うん、まあ気が向いたらまた会うよ。またね~、収納!」


さて、次はお楽しみのDPダンジョンポイントタイムだっ!



【亜空間迷宮、DPダンジョンポイント:2622】

明細履歴:

命芽吹く森の迷宮のダンジョンバトルに勝利(+500)


ダンジョン機能追加:

ダンジョンマスターネットワーク



やはりかなりのDPが入っていた。

おそらくバトルに勝利したことによる報酬だろう、ボロ儲けもいいところだ。


「というか、ダンジョマスターネットワークってなんだろう? 新機能追加は嬉しいけど、説明がない…」


まあ、使ってみればわかるかな?

それ、ネットワークの文字をポチっとな。


……すると、目の前に巨大なスクリーンが展開された。

なにやら巨大な地図と、選択項目が描かれている。


【ダンジョンマスターネットワーク】

└現在地の確認

└ランキングの確認

└ダンジョンコアとの通話(1時間5DP)

└ダンジョンバトルの申し込み

└etc


…どういうことだってばよ。




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