表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王ゼリリン、異世界を生きる  作者: たまごかけキャンディー
最終章 異世界を生きるゼリリンの物語編
162/164

ゼリリン、どう考えても無敵だった


ゼリリン城の流れるプールから這い上がり、戦闘服もとい普段着に着替える。

今回連れていくメンバーはタクマとユウキの勇者コンビに、ユニッピとわんわんの魔物コンビだ。


他のメンバーは全員待機で、また別の仕事があったりなかったり。


「それじゃ、宇宙までよろしくユニッピ」

「ギュルァアアアアッ!!!」


どうやらやる気は十分らしい。

勇者コンビもルゥルゥからもらった魔道具を装着し、わんわんは俺の影に隠れている。


およそ全ての準備が整った。


「おら、こっちはもう準備できたぞ。セリルも早くチビドラ……じゃなかった、ユニッピに乗れ」

「ほらセリル、掴まって」

「うむ」


タクマがそう言うと同時にユウキが差し出してきた手を掴み、ギャラクシードラゴンの背に跨る。

オーシャルちゃんの背中に乗っていた時よりも目線が高いな、さすが完全体。


「よし、行くんだユニッピっ!」


さて、ゼリリンの本気に隕石はどこまで耐えられるかな。



地上から飛び立つことしばらく、現在はとっくの前に雲を突き抜け遥か上空を飛行中。

そろそろ大気圏を突破しそうだ。


と言うか出発してからずっと物凄いGが掛ってる、これがギャラクシードラゴンの本気の飛行能力なのだろうか。

結構面白い。


「(ぬわぁぁぁああああっ!?)」

「(うぉぉぉおおおおっ!?)」

「(うわぁぁあああっ!?)」


皆も声にならない声を出してはっちゃけているし、空の旅を十分楽しんでいるようでなによりだ。

だがそろそろ宇宙空間に出るし、このむちゃくちゃな圧力ともお別れかな。


きっとどこかで無重力になるはず。

こう、ふわっと言った感じに。


……フワッ。


「(と思っていたら、ついに宇宙に来てしまった)」


背後を見ると巨大な丸い球体、いままで暮らしてきた異世界の姿が浮かんでいる。

というか惑星やばい、スケールが違いすぎる。


だが感慨に耽っている場合じゃない。

宇宙空間に出たという事は既に奴のテリトリーであり、そろそろアレが始まるはずだ。


『<全て等しき破壊の迷宮>に<亜空間迷宮>のダンジョンマスターの侵入が確認されました。これよりダンジョンバトルを行います。挑戦者、魔王ゼリリン』


──そら来た。


すると突然、宇宙空間だったはずの周りの景色が白一色に塗りつぶされ、もう見慣れてしまった俺の空間、【亜空間迷宮】へとシフトした。


「どうやらダンジョンバトルがはじまり、向こうのテリトリーと僕の亜空間迷宮が繋がったらしい」

「みてぇだな」

「……これがセリルの能力、亜空間迷宮、か」


こちらの陣地である亜空間内部に放り出された事により、普通に会話ができるようになったらしい。

もう魔道具はいらないな。


「さて、ここからの作戦だけど」

「ああ、分かってるよセリル。向こうのマスターの攻撃から、万が一のために虹色のコアを守ればいいんだろ? 僕とタクマはそのために呼ばれた」

「そういうことかな」


そう、実は今回戦闘を行うの予定があるのは俺一人だけであり、勇者チームは最終防衛ラインとしての保険、ユニッピは移動手段、わんわんは俺の護衛だったりする。


まあ戦うとはいっても、一方的にこちらから攻撃を繰り返すだけなんだけどね。


「それじゃまずは、全魔力を注いで2体の分身を作成」

「ぜりっ」

「ぜりっ」

「よし、敵陣へ突っ込み、爆ぜてきて」

「「ゼリラァァァアアアッ!!!!」」


亜空間迷宮の特徴である【俺の意志であらゆる存在の配置換えを操作可能】能力を駆使し、宇宙空間と亜空間迷宮の接点になっている場所へ、モブゼリ爆弾を投下。


向こうで壮絶な爆発が起きたことを確認する。


「よし、それじゃエリクサーがぶ飲みだ」


魔力が全回復する。

そしてまたモブゼリ爆弾を投下。

……以下エンドレス。


そう、何を隠そうこのダンジョンバトル、俺の負け筋が存在しないのだ。

なぜなら向こうから送られてくる隕石攻撃や宇宙魔物の群れは、亜空間迷宮に入った瞬間俺の【配置換え】により、全て入口付近に送り返されるからである。


向こうには送り返されている事がバレないように、少し亜空間迷宮に侵入したところで延々とループさせているので、魔物たちが撤退することもない。


つまり俺のやる事は、ここで魔物の侵入をループさせながら虹コアの付近で待機し、モブゼリ爆弾を無限に増殖し続けるだけの簡単なお仕事なのだ。


このテリトリーにおいて、俺が負ける事は万に一つもない。

無敵だ。


それにエリクサーの在庫も無尽蔵と言えるほどで、ルチファー君や友達の魔王達の協力で世界中の魔王のDPをかき集めて買い集めた。

仮にこの在庫が尽きたところで、勇者ユウキの名声により集まった冒険者達がゼリリン城へと供物を捧げ、魔物やその他素材をDPに変換しながら虹コアのポイントが今も上昇していっているのだ。


「名付けて、【爆発四散・モブゼリエンドレス】」

「いや、それはダセぇだろ」

「僕もちょっとどうかと思うよ……」


ダサくないぞ。


そして幾重にも及ぶモブゼリ爆弾の投下により、普通に戦えば絶対に勝ち目がないと思われる巨大怪獣、宇宙怪獣、宇宙大怪獣と思わしき魔物たちは、モブゼリ達と一緒にバトルの贄になっていくのだった。


もちろん、亜空間迷宮で滅んだことにより、虹コアのDPとして貢献しながら。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ