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魔王ゼリリン、異世界を生きる  作者: たまごかけキャンディー
最終章 異世界を生きるゼリリンの物語編
161/164

ゼリリン、決戦に向けて作戦を伝える

最終章突入


ユニッピを完全体にまで成長させ、一応出撃の準備が整った俺は、ついに隕石ダンジョン攻略へ向けて他の魔王たちの協力を仰ぎに行くことにした。

もちろん移動に関してはタクマの転移、もといタクシー頼りである。


ユウキも転移に関しては同じ事ができるが、いままで旅してきた経験に大差があるため、移動できる範囲が圧倒的に変わってくるのだ。

時空魔法は知っている場所しか行けないからね。


「それじゃ、とりあえずルチファー君のところへ転移をお願い」

「おう、まかせろ【瞬間移動】」


相棒には既に作戦の内容は伝えており、ダンジョンバトル開始後に起こるであろう戦闘内容含め、魔王の協力は必要な事だと納得してもらっている。


「……という訳で、話し合いにきたゼリリンだよ」

「行き成りだねセリル君。まあ白竜妃から説明は受けているし、ある程度用事の内容は察しがついているけど。……ようするに、僕の力を借りに来たんだろう?」

「実はそうなんだ」


やはり白竜族はルチファー君と友好関係にあるらしい。

初めて彼と戦った聖剣奪還戦の時からそうだとは思っていたけど、情報伝達が早いね。


「まあ、僕の友である君が力を貸してくれというのなら、協力する事自体はやぶさかでもない。元々あの隕石迷宮のマスターはいつか滅ぼそうと思ってたんだ、生意気だからねあいつ。ただ世界の外への移動手段がないだけで、手段さえあればいますぐにでも殴り込みに行きたい気分だよ」

「うむ。そこで僕は世界の外への移動手段を確保した。……カモン、ユニッピ!」

「きゅぁっ!」


そう言って彼の前に小型のギャラクシードラゴンを出現させる。

ルチファー君は相手の能力が分かるスキルを持っていると確信しているので、小さいまま見せても効果があるだろう。


なぜ鑑定に似たスキルを所持しているのが分かっているかと言うと、初めて会った時に僕の力を見抜いていたからだ。

スキルの詳細情報を見れるかどうかはさておき、おおよその見当はつくはず。


「これがユニッピだ」

「……なるほど、これなら確かに。でもセリル君、これではまだ足りない」

「うむ、たしかに。だけどもちろんこれだけが手札ではないかな。まずは希代の大魔導師から借りた魔道具がこれで、あとは打倒隕石の作戦内容を考えてきている」

「……準備がいいね」


当然だ。


この星がめちゃくちゃになったら、レナ姉ちゃんやルー兄ちゃん、父ちゃん母ちゃんにゼリリンズの皆が生きていけなくなる。

絶対に負けてはならない。


「魔道具は見てもらった通りの内容なので、あとは作戦内容を伝えます。……かくかく」

「……ッ!?」

「……しかじか」

「……ッ!!」

「ぜりぜりぜりらぁっ!」

「ぶふぅっ!!!」


作戦を全て伝えたらルチファー君が吹き出してしまった。

こっちは真面目に話しているのに、ひどい魔王だ。


こういうのはマナーが大事なんだぞ。


「それじゃ作戦内容は伝えたから、後の事は魔王のみんなに頼んでおいてほしい」

「い、いやちょっと待ってくれよ。確かにその内容なら勝てるかもしれないけど、僕が言ったところで協力してくれる魔王が何人いるかなんて分からないよ。君の事を知っている僕だからこそ、個人的には信用するに値するけど」

「大丈夫、集まるだけ集まればいいし、やってみて勝てそうならみんなも賛同するはずだから」


よし、とりあえずはこれで下準備の第一段階はクリアだ。

最悪ルチファー君や知り合いの大手魔王に味方してもらえれば、だいたい勝てる。


「それじゃ、次はこの前ユウキを助けた所で」

「あいよ【瞬間移動】」



作戦を開始してから1週間程が経った。


あれからルチファー君に話をつけた後、勇者としてのユウキに話をつけ、勇者の名前を使ってもらい仕事を頼みこむことに成功。

結構無茶なお願いをしたつもりなのだが、ついに自分にしか出来ない事を見つけたとかいって、凄く張り切っているようだ。


まあ順調に作戦は進行しているので、結果オーライである。


「うーん、だいたい条件はととのってきたかな」

「おう、そうだな」

「ええ、そうですねぇ」

「じゃのう」


現在は魔王ゼリリン城の流れるプールでマット型の浮き輪にのり、タクマやリグやルゥルゥと共に日向ぼっこをしている最中だ。

ミッションがある程度の水準になるまでは特にやる事がないので、悠々自適に英気を養っているといったところ。


せっかく気持ちがいいし他のゼリリンズも誘っていきたいところだけど、隕石ダンジョンとバトルする事を知っているのは、ここで流れているメンバーと高位のダンジョンマスターだけだ。

なので残念な事に、パチュルとかは連れてきていない。


バトルが終わったらみんなをゼリリン城に誘うのもアリだな。


「それじゃ、そろそろ決戦の準備をしようかな」

「おう、やっとか」

「はい。では若、いってらっしゃいませ」

「のじゃ。せいぜい景気よく爆散してこい」


うむ。

もちろん派手に爆散するつもりである。


それじゃ、魔王ゼリリンの全身全霊を以て、いざ尋常に勝負だ。


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