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ゼリリン、迷宮を強化する

人さらい事件から1ヶ月が経った。

現在の俺は布団の中でぬくぬくしつつ、誰かが起こしに来るまで二度寝の楽園を楽しんでいる最中である。

まあ仮に誰かが起こしに来ても、起きる気はないのだが。

だが可能性はゼロではない、チャレンジャー達の挑戦はいつでも受け付けようではないか。

さあ、起こせるものなら起こしてみると良い、俺の二度寝は手ごわいぞ。

フゥーッハッハッハッ!



……うむ。

話を戻すが、あれからパチュルとは会っておらず、毎日キノコの取引と迷宮のDPダンジョンポイント稼ぎに躍起になっている。

おそらく公爵家は今回の事件で糸を引いていた使用人を罰し、警戒しているのだろう。

彼女が再び、一人で道具屋にやってくることはなかったのだ。


キノコの売買に関しては順調で、必ず12キノッピを迷宮に残し、あとは食べるか売るかして数を調整した。

増える量がものすごいので、朝食と昼食のあとはかならず19個食べる事にしているのだ。

朝と昼2回あわせて38個もあり、物凄い量である。

オリジンスキルの食いしん坊がなかったら絶対に食べきれていないだろう。


金貨も一日1枚ずつ溜まり、うはうはなのは間違いないが、そろそろ値崩れが心配になってきた今日この頃だ。

…何か対策を考えないといけないかもしれない。


また、DPは既に[1500]DPまで溜まっており、そろそろ何かに消費してもいい頃合いかもしれないと考えている。

既に土の迷宮の元は取ったが、あの迷宮が攻略されて消えてしまわない為にも、ダンジョンの強化が必要なのではないかと想定してのことだ。

まだ発見もされていないから良いものの、さすがにウルフの群れ10匹で守り切れるほど人間は弱くない。


……そんなことを布団でぬくぬく考えていると、レナ姉ちゃんが起こしに来た。

最初のチャレンジャーはそなたか。

さあ、かかってくるがよい。


「セリル~、朝だよ?」

「…………」

「セ~リ~ル~っ!」


…ふふふ、甘いぜレナ姉ちゃん。

そんなんじゃこのオフトゥンの結界はやぶれないんだぜ?

俺を起こしたかったら、せめて朝ご飯ができてからにするんだな。


「お母さんがご飯だっていってたから、早く来ないとセリルの分なくなっちゃうよ?」

「……いまおきたっ!」


オフトゥン結界、脆くも崩れ去る。



それから30分後、朝食を食べ終えた。

今日も母ちゃんの料理は最高だったぜ。


朝のメニューはパンにトウモロコシっぽい物が入ったコーン(?)スープ、それとベーコンだ。

パンは少し硬かったが、コーンスープにつけて食べれば丁度良い硬さになる。

これはこれで質素ながらも絶品の料理たちで、さすが母ちゃんと言わざるを得ない。


「「「ごちそうさま~」」」

「あらあら、ごちそうさま」

「うむ、いつも通りうまかった。……ちなみにこの後の稽古だが、今日は中止とする。そろそろ依頼していた冒険者が領内へ着くのでな、色々と準備があるのだ。つまり、明日からは家庭教師がつくことになるぞ」

「「「おぉ~~」」」


やっと冒険者が到着するらしい。

明日からは稽古も本格始動といったところか…


前に聞いた話だと相手はBランクのソロ冒険者で、結構遠くからはるばる来てくれたようだ。

ギルドのBランクといえば下級貴族と同等レベルの権力を持っているらしく、実質うちの肩書と互角ということになる。

貴族としてのおもてなしの為にも、少し準備があるのも頷ける話だ。


「ま、そういう訳だから朝は自由時間だ、好きに遊ぶと良い。……といっても、いつも通りルーは読書でセリルは森なんだろうけどな、ハッハッハ!」


まあそういうことになる。

そろそろダンジョンも強化しないといけないし、俺は多忙なのだ。


「じゃ、僕はもう遊びにいってくる」

「おう、いってこい」


よし、さっそくダンジョンの改造開始だ。



そしていつものように森に入り、収納で白い空間までやってきた。


「えーっと、まずは何が出来るかの確認だな。購入リスト表示っと」


迷宮の改造といっても、ボスモンスターの配置やすでにいるモンスターの強化、階層の追加とかいろいろある。

自由度が高い分、リストをみないと考えがまとまらないのだ。



【亜空間迷宮、DPダンジョンポイント:1518】

└【購入一覧】

└ダンジョンモンスター強化:任意DP

└土のダンジョン階層追加:[100]DP

└C級ボスモンスター:[200]DP

└B級ボスモンスター:[600]DP

└etc…


ふむふむ、やはり結構なお値段だ。

ボスモンスターなんてランクがあがるごとに消費ポイントが馬鹿にならない量になっていく。

さすがにDPの無駄使いは避けたいところだ。


ちなみに参考までに語っておくと、攻略本さん曰く、ブラックウルフのわんわんはD級モンスターだ。

ここら一帯を縄張りをしているわんわんでさえD級なのだから、C級やB級がいかに恐ろしい存在なのかがよくわかる。


「うーん、とりあえず階層は1つ増やそう、コアが壊されたらなんにもならないからね」


階層を増やす理由はキノッピ栽培のためと、土のダンジョンのコアを隠すためだ。

コアを壊されると迷宮が機能しなくなるので、ここらへんは最重要な部分になってくる。


それに迷宮が深ければ深いほどコアは発見しづらくなるし、迷宮を守護する魔物の収納スペースも増えるので、将来的にどっちにしても階層の追加は必須なのだ。


「だけど、そもそも魔物が弱かったら沢山いても意味ないんだよなあ、どうしよう。雑魚モンスターですら[50]DPするし…… ん? あ、そうだ!」


そういえば手軽に眷属を増やす方法があったわ、なんで気づかなかったんだ。


「わんわんの眷属もテイムすればいいんじゃん、はよ気づけばよかった」


Dランクのわんわんをテイムしたときは[10]DPだったはずだし、残り9匹を進化させても消費は[90]DPだ。

今では俺も群れのリーダーとして認められているから、ウルフたちが断ることも無いだろう。

群れが大きくなればテイムするモンスターも増えるし、めっちゃお手軽だった。


「案外簡単に解決しちゃったな。それじゃあ、さっそくわんわんを含めて進化させてみるとしよう」


それ、ポイントをどばどばーっと……


そしてポイントを投入すると、ウルフたちが進化し始めた。

いでよ、迷宮のモンスターたち。



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