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魔王ゼリリン、異世界を生きる  作者: たまごかけキャンディー
7章 ゼリリンの異文化交流編
159/164

ゼリリン、今日は冴えている


ゼリリン城のコアルームにてタクマとの会議が始まった。

この会議は色々と機密性が高いのだが、内容が内容だけに色々な人に協力してもらわなくてはならない。

なので今回はタクマの他にルゥルゥも呼んでみることにした。


メンバーは俺とタクマとルゥルゥ、おまけでユニッピだ。


「のじゃぁーっ! なぜワシが会議に参加せねばならんのじゃ! レベンジャーズレッドに差をつけるために、一分一秒が惜しいというのに」

「黙ってろのじゃロリ、そいつを今から説明するんだよ。それで、まずはお前の考え的にはどうなんだ、セリル」

「うむ」


さてどうしたものか。


一応、俺の考え的には隕石衝突の攻略のビジョンが出来上がっているが、あくまでも予想なので絶対ではない。

もしこれが勘違いならまた作戦を練り直さなければならないし、結構責任重大なのだ。


だがここでためらっても前には進まないので、あえて一歩踏み込んでみることにする。


「まず僕の考えを言わせてもらうと、あの隕石はほぼ間違いなくダンジョンだ」

「隕石? 何を言っているのじゃお主は。めんどくさい会議ならワシは帰るぞい」

「……まじかよ。いや、だがそうか。それならなんとかなりそうだな」


ルゥルゥが何を寝ぼけた事をと突っかかってくるが、今は無視だ。

しばらく聞いていればこれが本当の事だと分かる事だろう。


「なので、実を言うとあんまり困ってない。ようはダンジョンバトルを申し込んで勝てばいいんだ」


幸いこちらにはタクマやルゥルゥ、オーシャルちゃんやドラゴン族の里のメンバー、わんわんや勇者ユウキが居るから、戦力でも充実している。

さらには各地の魔王を終結させる事ができれば、いくら相手が未知のダンジョンでも勝ち目はあるだろう。


「だけどお前、どうやってダンジョンの当たりをつけたんだ? 仮に隕石の話がダンジョンだとすれば突破口も見えてくるが、違っていた場合は悲惨だぞ」

「その件に関してはある程度証拠がある。亜空間迷宮のコアの機能である、ダンジョンランキング一位が【Unknown】になっているんだ。2位までは全てダンジョンの名前が表示されているのにもかかわらずね。DPダンジョンポイントも見れない」

「……なるほどな。つまりお前は、そのダンジョンだけは何らかの隠ぺい工作か、または情報を入手できるコアの力の効果範囲外、星の外にあると踏んだわけだ」

「そうだぞ」


他のダンジョンの位置を確認できるわけではないが、1位のダンジョンにはダンジョンバトルの申し込み機能も通用しないのだ。

明らかに異質とみていいだろう。


そしてそれが実行可能なダンジョンともなれば、コアの影響範囲の外側、宇宙空間に存在していると予想できる。


すると、今まで興味なさげにしぶしぶと話を聞いていたルゥルゥが意見を出した。


「……のじゃぁ、話はだいたい分かった。しかし分かったところで、どうしようもあるまい? 隕石ダンジョンがこの世界の外に位置するというのなら、手の出しようがない」

「いや、それがそうでもない。この前に開発したテイムの魔法陣は、亜空間迷宮のダンジョンコアと干渉しあう事で、魔物に進化を促せるようになったんだ」

「だからどうしたのいうのじゃ」

「うむ。だからギャラクシードラゴンであるユニッピを進化させる事にした」

「のじゃぁ?」


ロリ魔女は言っている事が分かっていないようだ。

まあこの星の文明レベルは中世やそこらといったところだから、宇宙に関する知識がないのだろう。


隕石の事を危惧していた白竜族の王妃さんはギリギリ知識があるみたいだけど、それはあくまでもダンジョンマスターだからだ。

いくら天才といえど、この知識を求めるのは酷というものだろう。


「つまり、ユニッピが進化したら隕石ダンジョンまで勝負を挑みにいけるかもっていう事だよ」

「なんじゃこのチビ竜、そんなにすごい奴だったのか」

「きゅぁあっ!」


ユニッピはすごいやつだ。

それに恐らく、宇宙空間に出れば隕石のテリトリーなると思われるので、強制的にバトルになるだろう。


問題は宇宙までいけるかどうかだけど。名前にギャラクシーってついているんだし、宇宙にだって飛び出せると期待している。

いまはちょっと子供だから大人数は運べないけど、それも進化すれば解決すると思うよ。


「そこでルゥルゥにはこの世界の外、【宇宙空間】に出るための魔道具を用意してもらいたいんだ。だからこの会議に出席する必要があった」

「のじゃ?」


だめだ、わかってない。

タクマに視線で助けを求めることにする。


「……あー、つまりだ。セリルの奴が言いたいのは、凍り付くような寒さをしのげる魔道具と、空気のない所で活動できる魔道具をよこせってことだ」

「なんじゃそんな事でいいのか。そうならそうとさっさと言わんか」


そういってゴソゴソと魔道具を漁りだし、空間魔法でしまっていたらしい魔道具が放り出されていく。

まさか既にそういう魔道具を持っているんじゃないだろうか。


……いや、まさかね。


それからしばらくその光景を見ていると、どこからともなく大きめのフードやらボンベのような魔道具やらが出てきた。


「おお、あったあった。ワシが若い頃に作った温度調整のフードと、水に潜る時に作った空気の魔道具じゃ。旅をしてきたワシには必須の装備じゃし、予備も含めていっぱいある」

「……ぜ、ぜりっ」

「……まじかよこのロリ魔女、本当に持っていやがった」


意外と簡単に問題が解決してしまった。


ダンジョンランキングついては33ページ目。

ダンジョンバトルについては32ページ目のお話で出てきています。

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