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魔王ゼリリン、異世界を生きる  作者: たまごかけキャンディー
7章 ゼリリンの異文化交流編
158/164

ゼリリン、ついに動き始める

本日2話目の投稿になります。



ニィルさんを衛兵さんや冒険者のお兄さんたちに任せ、隙を見てカジノに逃げてきた。

俺の今日の予定は魔法陣をカジノに広める事でもあるので、ここに来るのは必須でもある。


「やぁタクマ、テイムの魔法陣を広めにきたゼリリンだよ」

「テイムの魔法陣だぁ? あぁ、だからか。……あのロリ魔女、今日は絶好調みたいだったぜ」


テイムの事を伝えると、タクマは一瞬で何かを悟ったらしい。


それにしても絶好調か。

と言う事は、おそらくリベンジャーズレッドにも一矢報いたに違いない。


よかったなルゥルゥ。


「でもまぁ、その栄光も今日で終わりだけどね」

「まあ、ありゃあズルみてぇなもんだしな。トレーナーの魔力が供給されるのは反則だぜ」

「うむ」


という事で、さっそくDPダンジョンポイントで生産した綺麗な紙に魔法陣を描きこんでいく。


「あ? おいセリルお前、魔法陣学なんて学んでたのか。意外だな」

「いや、これは学んだわけではないよ。攻略本さんに教えてもらった」

「……ああ、あのチートアイテムか。てかその本ヤバすぎんだろ、世界中の魔法陣使いたい放題じゃねぇか」

「たしかに」


まあ、魔法陣なんて沢山覚えてもカジノは発展しないので、とりあえず保留だ。

必要になったらその都度覚えればいい。


そして何枚も紙に模様を描きこんでいき、最終的に10枚ほどの見本が完成した。

あとはこの紙を内容の詳細と共にカジノのフロアにばら撒けばいい。


「これで完璧だ」

「それにしてもロリ魔女のやつ、短い栄光だったな」

「まあでも、ルゥルゥは魔力総量は多いから、有利であることは変わらないよ。そこらへんはトレーナーの腕って事で」

「だな」


さて、明日からどうなるのか楽しみだ。


──翌日。


「のじゃぁぁああっ!! なぜじゃ、なぜなんじゃぁ……」

「ふむ」


ゼリリン城のスライム闘技場に、ロリ魔女の悲鳴が響き渡る。

いわずもがな、昨日初めて勝てたリベンジャーズレッドに、また負けてしまったからである。


「くくくっ、よくやったぞ我が相棒リベンジャーズレッド。ようやく昨日の雪辱を晴らす事ができた」

「すらっ」


テイムの差により、一度負けてしまった騎士団長さんのカラースライムだったが、貼り出された魔法陣を見てリベンジを果たす事ができたようだ。

まあ今日は本当にギリギリの勝負で勝てたみたいなので、バランスは良い感じになったんじゃないかな。


「ありえぬっ! ありえぬのじゃ、我がテイムの秘術を使いこなせるのはワシだけのはず……」

「いや、その理屈はおかしい」


テイムが完了すれば使いこなすもなにもない、条件は同じである。

というか、前よりはいい勝負ができるようになったんだし、あとはルゥルゥの頑張り次第だ。

結構良い線いってたし、たぶんこれからの勝率は五分五分くらいになるんじゃないだろうか。


カジノとしても騎士団長さんが必ず勝つと周りが飽きてしまうので、こういうライバルっていうのは経営上必要だったりする。


実にいい流れと言えよう。


「さて、バランス調整も済んだし。僕は王都に帰ろうかな」

「おう、またなんかあったら来い。あとお前、白竜の里に行ってから隠し事してんだろ、見てて分かるぜ」

「ぎくっ」


おのれタクマ、何て鋭い奴なんだ。

まるで悪魔みたいな直感しているな。


おそらく相棒が言っている隠し事っていうのは、隕石問題の事で間違いないだろう。

奴がこの事について知っているとは思えないけど、俺の態度とかから察したに違いない。


さて、どう言い訳しようか。


「いや実は──」

「隕石の衝突、だろ? 知ってるぜ」

「ば、ばかな……」


知ってたらしい。

恐ろしい奴だ、こいつは魔王か何かか。


「なんで知ってるんだ」

「そりゃお前、聞いたからに決まってんだろ。あのダメドラゴンに」

「なるほど、オーシャルちゃんか……」


ちなみにもうオーシャルちゃんはダメドラゴンではない、ヒメドラゴンだ。


しかし、これで謎が解けたな。

恐らくタクマは俺のわずかな態度の変化から異常を察し、キノッピ畑で悠々自適に暮らしているオーシャルちゃんのところへ転移したのだろう。


一緒についていった彼女なら事情を知っているだろうと踏んで、調査を行ったに違いない。


「で、なんか手がかりは掴んだのか? まだ帰ってきて何日も経ってないとはいえ、お前が無策なハズがねぇ」

「ふむ」


いや、実のところまだこれといった作戦はないんだけどね。

ただ、大まかには俺の亜空間迷宮とユニッピがカギになるだろうとは踏んでいる。


今回魔法陣を研究したのも、ユニッピを強くするための布石の一つだった訳だし。


「あの隕石の詳細が分からないからなんとも言えないけど、大まかには考えてるよ」

「ほう。んじゃまぁ、その作戦会議って奴を開くとするが、構わないな?」

「いや、まて。……ぬわぁあああっ!!」


構わないなと問いつつ、俺の首根っこを掴んで無理やりコアルームへと運んでいく。

なんて強引なやつなんだ。


まぁでも、俺の予想では戦闘になるだろうと予想しているし、タクマの協力は必須だ。

ここはあえて乗ってやろうと思う。



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