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魔王ゼリリン、異世界を生きる  作者: たまごかけキャンディー
5章 ゼリリンの大冒険編
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ゼリリン、チビドラゴンの名前が決まらない


たまごを温めてから2週間が経った。

最近はたまごの中が動き出す事も多く、そろそろ孵化するのではないかと予想している。


たぶん今日中にはパリンといくだろう、そんな予感がするぞ。

きっとすごい奴が産まれるはずだ、間違いない。


よし、せっかくだからいつもより多めの魔力を注いでみよう。


「ゼリリンチャージ」


……どうだ?


……カタカタッ

……カタカタッ


「ぜりっ!?」


大きく動き出したっ!

それなら、もうちょっと強めにゼリリンチャージだっ!

くらぇっ!


……パリンッ!


「ぜりらぁあああっ!?」


パリンってなったっ!

まさかお前、産まれるのかっ!


たまごも虹色に光り出しているし、間違いない。


「むっ!? どうしたセリル、敵襲か!? 父さんの後ろに隠れてろっ!」

「あなたっ!」

「ちがうよ父ちゃん、たまごが割れそうなだけ」


夜中に大きな声を出し過ぎたらしい。

ごめんよ父ちゃん。


それに一緒に寝ていたみんなも起こしてしまったらしい、全員俺の部屋にやってきてしまった。

オーシャルちゃんだけは居ないみたいだが、あのドラゴンさんは図太いのできっとまだ寝ているのだろう。

これだけの騒ぎになって起きないとは、やっぱり心臓に鱗が生えているに違いない。


そしてしばらくすると、虹色に輝いていたたまごの光が徐々に収まっていき、目の前にはチビっちゃい竜がちょこんとお座りしていた。

……ついに産まれたか、感動の対面である。


さっそく攻略本でこいつを鑑定してみよう。


「出でよ攻略本、そして鑑定を行いたまえ」

「なにっ? セリル、その本はなんだ? 急に出てきたみたいだが」

「これは王都で売ってた鑑定の魔道具だよ、スライムで稼いだ時に買ったんだ」


大嘘こいた。


産まれた時から持ってたなんて言う訳にはいかないから、これはしょうがない。

ちなみに、たまごの事もS級依頼をやっているときに拾ったと伝えてある。

まあ、なにせS級依頼だからね、そんな事もあるよ。


さて、それでは鑑定結果を覗いてみるとしよう。


【ギャラクシードラゴン】

成長標準:

生命力:SS/魔力:S/筋力:SS/敏捷:B/対魔力:S

現在値:

生命力:D/魔力:D/筋力:D/敏捷:E/対魔力:D


オリジンスキル:渦巻く魔力、すごそうなやつLv2

スキル:竜光魔法、竜闇魔法、飛翔、合成魔法


【渦巻く魔力】

二つの属性を混ぜた合成魔法を使え、さらに魔力に回転を加えることが出来る。回転が加わった魔力は密度が高まり、物質に近い特性をもつ。合成魔法習得。


【すごそうなやつLv2】

└Lv1効果:卵時代、魔王ゼリリンの期待を一身に背負った事で、成長標準以上の進化が見込めるようになった。また、体を変化させて凄そうにみせる事もできる。

└Lv2効果:魔王ゼリリンの魔力を大量に受けて孵化したことで、魔王ゼリリンとシンクロできるようになった。シンクロ中は二つだけ、オリジン未満のスキルを借りられる。


「なんか、すごそうなやつが産まれた」

「きゅぁ~」

「うむ、お前はすごいやつだ」


なんて言っているのかは分からないが、【すごそうなやつLv2】の効果で言いたい事は伝わってくる。

どうやら褒めてほしいらしい。


「セリル、鑑定結果はどうなったんだ? 父さんにも詳しく教えろ」

「えっとね、ギャラクシードラゴンっていうのが産まれた。魔法を合体させたり、空を飛べたりできるらしい」

「ギャラクシードラゴンだと……? 知らない種族だな」


俺も知らない種族なので、あとでタクマかオーシャルちゃんに聞いてみよう。

銀河の竜なんていままで居たかどうか知らないけどね。


「オーシャルちゃんに聞いてみるから大丈夫、けっこうドラゴンに詳しいらしいからね」

「うむ、確かあの子は竜人だったな、それならば知っている可能性は高いだろう。でかしたぞセリル」

「……あら? あなたまさか、このドラゴンちゃんまで売るつもりじゃないでしょうね?」

「ち、ちがうぞっ!? 単純に興味が湧いただけだっ」


いやさすがに、いくら父ちゃんでも一匹しかいないのに売る訳がないので、そこは心配いらないと思うよ。

母ちゃんは心配しすぎなのだ。


「母さんは心配しすぎだよ、いくら父さんでもそこまではしない筈だ」

「お姉ちゃんもそう思う」

「きゅあぁ~」


ルー兄ちゃんとレナ姉ちゃん、おまけでチビドラゴンも俺と同じ意見のようだ。

よかったね父ちゃん。


「ならいいのです」

「う、うむっ!」

「……やっぱり怪しいわね」


まあ、俺的には売るつもりがないので、どっちにしろチビドラゴンの運命は変わらない。

どちらかと言えば、問題はこの後の名づけをどうするかだ。


なにかいい名前がないだろうか?


時間的にもそろそろ夜が明ける頃なので、もう今日は起きてしまうことにする。

朝ごはんまでじっくり考えておこう。


「うーん」

「きゅぁっ」

「確かに」

「きゅぁああ……」

「いや、それはおかしい」


なかなか決まらない。


「ダメだ、セリルがどんな会話をしているのか分からんぞ」

「たしかに難しい。でも、お姉ちゃんには分かる」

「えぇっ、分かるの!? ……僕の姉さんは一体何者なんだ」

「ルーにはまだはやい。解読にはゼリルン観察上級者並みの実力がひつよう」


レナ姉ちゃんには分かるらしい、さすがエスパー・レナだ。


だがこのままチビドラゴンと会話を続けていても、良い名前が浮かんでくるとも思えないな。

よし、こうなったらアレを使おう。

所謂いわゆる、他力本願というやつだ。


「ではさっそく、チビドラゴンの名前を募集します」

「まかせて、お姉ちゃんはもう考えた」


さすがレナ姉ちゃんだ、頼もしい限りである。


作者的にも名前で迷ってます。

どうしよう。

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