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魔王ゼリリン、異世界を生きる  作者: たまごかけキャンディー
5章 ゼリリンの大冒険編
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ゼリリン、めずらしい卵を手に入れる


俺と同じ魔王種が近くにいるかもしれなということで、今の俺はちょっと気分が良い感じである。

いつか挨拶に向かおう。


でも、その前にこの依頼を片付けなきゃきけないし、そろそろ戦闘を開始しようかな。


「さて、ではそろそろお前たちには倒れてもらうとするか、移動中に暴れられては敵わんのでな。黒竜魔法、ブラック……」


やっと戦闘開始らしい。

ゼリリン本気だしちゃうぞ。


相手は魔法攻撃をしてきそうだし、ひとまずレナ姉ちゃんは俺の後ろに隠す。


「ピーチクパーチクうるさい黒竜ですねっ、小鳥のさえずりなら他所よそでやってくださいっ! ……光魔法、シャイニングドラゴンバーンッ!!!」

「ブラックドラゴンバ……あ、ちょっ」


──ズガァァアンッ!!


黒竜魔法なんちゃらっていうのを使いそうだったブラックさんだが、ブチ切れたオーシャルちゃんの光竜魔法が先にヒットしてしまった。

彼女の手のひらから発せられた極太のビームが、目の前の景色を焼き尽くす。


それっぽい魔法を使おうとした相手の演出を待たないとは、さすがである。


「ふいうちとはひきょうなり」

「卑怯ではありませんっ! これは竜族の正当な権利ですっ! もういっちょシャイニングドラゴンバーンッ!!」


竜族の正当な権利だったのか、ならしかたない。

きっと力を象徴する種族だけあって、喧嘩上等なのだろう。


なら俺も、それに合わせて戦う事にする。


「なるほど。それじゃあ僕も、超ゼリリンビームっ!」

「お姉ちゃんも、レナ手裏剣ッ!!」


俺の無属性魔法にあわせて、姉ちゃんも隠し持っていたクナイを投げつけ始めた。

俺が3歳の頃に家庭教師で来てくれた忍者さんの技を、こうも容易く再現するとは恐るべきレナ。


アサシン・レナなだけある。


「やっぱりゼリルンの力はすごい、この中で一番威力が高いね」

「今日はゼリリンの調子がいいから、いっぱい魔法が使えるよ」


いつもながらに適当な設定だが、考えるのがめんどくさいので新しい設定を付け加えておく。


「ぐぉおおっ!!? キ、キサマラァァアアッ! この私に傷を負わせて、タダですむとでも……、あ、ちょやめっ!」

「光竜族の姫、オーシャルを挑発した罪を思い知るがいいっ! 奥義、ドラゴニックシャイニースマッシャーッ!!」

「ガァアアッ!?」


ダメドラゴンさんが奥義を使い始めたぞ。

じゃあゼリリンもすごい技とか使おうっと。


「ダークオーラ発動からの、ハイパーゼリリンボムッ!!」

「お姉ちゃんも頑張るよっ! 毒魔法手裏剣っ!!」

「ぐふぅっ……」


ドサリ。


オーシャルちゃんの奥義で大きくのけ反った隙に、ハイパーゼリリンボムでブラックさんへと大ダメージを与え、傷口が開いた所にレナ姉ちゃんの毒魔法手裏剣が決まった。


憐れドラゴンさん、さっさと変身しないからこういう事になる。

人間状態では耐久力もそこまでじゃないのだろう。


そしてしばらくすると、気絶したドラゴンさんからは徐々に擬態が解けていき、ダメージはそのままに大きな黒竜へと変わっていった。

だが、オーシャルちゃんを基準にしたら、かなり小さめかな?


ドラゴンの大きさが強さに直結するかは分からないが、さすがに光竜族の姫というだけあってかなり強かったのかもしれない。


砂漠で背中に乗っていたときはこんなに小さくなかったしね。


「うむ、僕たちの勝利だ」

「はぁっ、はぁっ。てやんでい、オーシャルを舐めるからこうなるのです」

「ゼリルンと力を合わせればこのくらいよゆう。お姉ちゃんの予想通り」


それじゃ、さっそく素材をはぎ取るとしようかな。

俺たちをお土産にしようとした悪いドラゴンさんだったけど、こうなってしまえば報酬の塊である。


「出でよ攻略本、そして素材を納めたまえ」


とりあえず大きな爪を一つ吸収させてみる。


【魔物図鑑】

ブラックドラゴン:10%コンプリート


「おお、爪だけで10%も入った」

「……チビッ子はなにをやってるんです? 収納なら一気にやったほうが効率的ですよ」

「いいから、ゼリルンのやる事をだまってみてて。きっと何か意味があるはず」


攻略本さんに爪が吸収されたのを見て、俺がいつも使っている収納と勘違いしたようだ。

まあ、説明するのもめんどくさいので、今は放っておこう。


それにしても爪だけで10%か、さすがドラゴン族。


「じゃあ次は、牙と鱗、ラストに角を入れてみよう」


ぽいぽいぽい~っとな。


【魔物図鑑】

ブラックドラゴン:100%コンプリート

報酬:竜種の虹卵(一度きり)


おおっ、ドラゴンの卵が手に入った。

これはちょっと嬉しい。


「少しの爪と牙、角を生贄に捧げたら、竜の卵が手に入ったよ」

「ええっ!? なんでですかっ!?」


いや、なんでかは俺にも分からない。

手に入ったから手に入ったのである、詳しいことは攻略本さんに聞いてくれ。


「ちっちっち。ゼリルンに秘密を聞くのはマナー違反、お姉ちゃんみたいに自分で考えてこそ意味がある」

「チビッ子族の姫に諭されたっ!? ……でも、確かにそうかもしれないですね。深いです」

「ぜりっ(笑)」


どう答えようか迷っていたが、レナ姉ちゃんの謎ルールがオーシャルちゃんを納得させたので、これで良しとする。


さて、それじゃあ残ったドラゴンさんの素材を収納して、ギルドに報告しにいくとするかな。

今日はなかなかの冒険だった。



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