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魔王ゼリリン、異世界を生きる  作者: たまごかけキャンディー
5章 ゼリリンの大冒険編
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ゼリリン、犯人らしき幼女を捕まえる


お昼ごはんを食べて少し経った。


現在はスラタロ.Jrたちの合成も終わり、父ちゃんが販売経路について模索している段階だったりする。

ときどきルー兄ちゃんも混ざって父ちゃんにアドバイスとかをしているので、近いうちにスラタロ.Jr達は別の飼い主に引き取られていくことだろう。


なにせルー兄ちゃんは頭脳明晰だからね、元騎士であるパワータイプの父ちゃんよりも、商才の方は優秀だったりする。


「ということで、僕はまた遊びに行ってくるね」

「お姉ちゃんも一緒にいこうか?」


だが問題はこのレナ姉ちゃんだ。


俺が森へ遊びに行こうとすると、必ずジーっと見つめてくるのだ。

隠れて行こうとしているのに、すぐに俺を感知する能力はいかがなものか。


確かに凄いんだけど、ここらへんは見逃してほしい。

ゼリリンには秘密が多いのだ。


「レナ姉ちゃんはルー兄ちゃんのお手伝いをよろしく。ゼリタロウの弟たちが安心して旅立っていけるように」

「わかったっ! にししっ」


納得してくれたらしい。

じゃあ、さっそく森へ行こう。


ちなみに今回はキノッピ畑に直行するのではなく、一旦カジノに寄ってからお館様の所に交渉しに行こうと思っている。

理由はもちろん、お館様の気にしていた魔導幼女に心当たりがあるからだ。





そしてカジノへやってきた。


「ということで、久しぶりにカジノにやってきたゼリリンだよ」

「おう、久しぶりだなセリル。カジノは相変わらず繁盛してるぜ」


それは既に確認済みだ。

タクマの言う通り、カジノは日に日に繁盛していっており、朝にキノッピ畑に転移する前に確認したDPダンジョンポイントでは既に50万DPを超えていた。


ランキングも200位くらいだったのが90位代に突入しており、世界にあるダンジョンの中でも中堅に突入したことになる。

これはすごい事なのだ。


「うん、コアの方でDPは確認済みだよ。それで今日はルゥルゥに用があって来たんだけど、ロリ魔女はいまもカジノにいる?」

「ああ、今日もリベンジャーズ・レッドに挑戦していたのを見たぜ。まぁハイパーミラクルルゥルゥ号が勝ったところを見たことがないから、落ち込んで休憩室で放心してるんじゃねぇか? クハハハッ!」

「それは僥倖ぎょうこう


どうやらまた負けたらしい。


そして詳しい内容をタクマから聞くと、ここ最近のルゥルゥはスライムに濃い魔力水をエサにして与えると、スライムが強力に育つという大発見をしたらしい。

しかし、飼い主とそのペットがどっちも逃げ腰なので結果を出せていないのだとか。


すごい執念だが、その執念を少しだけでも戦う事に向けられればいい成績を残せただろうに、もったいない才能である。

どこまでもロリ魔女は戦いに向いていない。


なお、公国の王女ちゃんはゼリリン2号が帝国を案内してあげてる最中らしく、最近はカジノに帰ってきていないようだ。

2号の意識を確認すると、どうやら今も案内の途中らしい。

王女ちゃんが微妙に馴れなれしくなってきているが、まあこんなものだろう。


「という事で、ルゥルゥに会いに来たゼリリンだよ」

「…………」

「ダメだ、負けたことがショックで放心している」


休憩室で大の字になって寝ている。

目が開いているし、よっぽど強化スライムが負けたのがショックだったのだろう。


肉弾勝負というのは気合と根性でもあるので、リベンジャーズ・レッドと騎士団長さんから良い事を学べて良かったのではなかろうか。


だが、このまま放置しててもしかたがないので、ルゥルゥを収納してお館様のところまで持っていくことにする。

おそらく空間魔法を使う魔導幼女というのはこのロリ魔女の事で間違いないだろうし、俺の商談のためにもイケニエになってもらうつもりだ。


まあ自分が悪さをしたんだろうし、こういうのはキッチリしなくちゃいけないよね。

そう、決して商談のためだけではない。

商談のためなのはちょっとだ。


……ほんとだよ。


「じゃ、収納」

「…………」

「よし、完了」


じゃ、次はキノッピ畑だ。





キノッピ畑に戻ってきた。


「やぁ、ただいまドラゴンさん」

「あぁーっ! そこに居るのはチビッ子!! 一人だけ逃げるなんてひどいですよぉ……、私なんて向かってきた人間を3人くらいぶっとばして逃げたんですからね」

「そこはほら、竜光魔法とかいうので逃げればよかったんだよ」


なんでも人のせいにするのはよくない。

こういうところはオーシャルちゃんの悪い所だ。


姿を消せるんだから、それで逃げていればよかったんだしね。


「……あっ! た、確かに。……やはりこのチビッ子は天才?」

「ぜりっ(笑)」


うむ、納得してくれたようだ。

だが、これは別に天才じゃなくても思いつくと思う。


「という訳で、今回は前回の失敗を取り戻すべく、もう一度お館様の所にいくことにしたよ」

「えぇーっ!? なんでですかっ! 私は行きたくありませんよっ、チビッ子は自殺志願者なのですかっ!?」


はなしは最後まできこう。


「それはちがう。実はお館様に狙われる原因になった、魔導幼女とかいうのを捕獲してきたんだ。……つまり」

「……ハッ!? つまり、犯人を隠れ蓑に商売するってことですね? ……クククッ、面白くなってきましたよ」


ダメドラゴンさんは、こういう悪知恵だけは発達しているらしい。

いまもどうやったら効率よく犯人をイケニエにできるか考えているようだ。


なぜその努力を日常に活かさないのか、はなはだ疑問である。


「あと、言っておくけど犯人をダシに交渉するから、引き渡しとかはするつもりはないよ」

「当然です。そんなもったいない使い方をするのは3流ですよ、ククッ」


やっぱり悪知恵が発達している。

まあでも、わかってるならいいや。


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