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魔王ゼリリン、異世界を生きる  作者: たまごかけキャンディー
4章 ゼリリンの大迷宮編
100/164

ゼリリン、そろそろ帰りたくなる

【祝】100話


俺やタクマ、ルゥルゥが無双したら数秒で騎士たちは壊滅した。

特にタクマなど、剣を抜くまでも無いとばかりに素手で3人くらいの騎士をまとめてぶっとばしていたようだ。


ホント、とんでもないなこいつ。


そしてその後は無力になった王女をゼリリン城の地下1階へと連行し、尋問を開始することになった。

騎士さん達はエリクサースラタロ.Jrと万能薬を使って状態異常を解除しておいたので、いまごろなぜここに居るのかわからずにカジノに入店している事だろう。


ぜひ彼らもカジノファンになってもらいたいものだ。


「という訳で、今から王女尋問タイムをはじめます」

「ひっ、ひぃぃいっ!! 許してっ、私が悪かったわ! もう王女パンチなんてしないからっ、それにお野菜もこれからは残したりしないから許してっ!」

「いったい何の話をしているんだこのアホ王女は」


まあいいや。

とりあえず、この王女様が本当に人間なのか調べよう。


カモン攻略本さん、鑑定よろしくっ!!



【(魔王虫が寄生中)人族:ミーナ・ガーランド】


成長標準:

生命力:C/魔力:C/筋力:C/敏捷:D/対魔力:B

現在値:

生命力:D/魔力:D/筋力:D/敏捷:D/対魔力:B


オリジンスキル:魔王虫(寄生中)

スキル:なし


【魔王虫(寄生中)】

スキル効果:

蟲の魔王、ベルゼブブの一部。

魔王虫そのものには特殊な力はないが、宿主に寄生することで特殊なスキルを開花させる。

どのスキルが開花されるかは本人次第であり、魔王虫が死ぬとスキルも消える。


「なるほど、そういう事か」

「どれどれ。……あー、そういう事かよ、納得だ」

「なんじゃワシにも見せろ。……のじゃーっ!? 魔王ベルゼブブじゃとっ!? もうだめじゃぁ、逃げるのじゃぁ……」

「まてロリ魔女、これは本体じゃない」


なんかルゥルゥが叫び出した、有名な魔王さんなのだろうか?

あとこの幼女、やっぱり危なくなったらすぐ逃げるな。


まあそれはともかく、このアホ王女がなんで王女パワーなんていう謎スキルが使えるのかが、だいたい分かった。

俺以外の、本物の魔王の手引きだったなら納得だ。


それにしても、やはりと言うべきかこの世界にも俺以外に魔王がいたんだな、なんか感慨深い。

ベルゼブブさんがダンジョンマスターかどうかは分からないが、もし会ったら今度挨拶でもしておこう。


ちなみにだが、俺は今回ベルゼブブさんが狙ってこの事態を起こしたとは考えていない。

なぜなら、スキル効果の説明欄に「どのスキルが開花されるかは本人次第」と記載されているからだ。

たぶん適当に蟲を撒いたら、変なスキルが開花してしまったのだろう。


そしてこれが対人間用であり、魔族なんかに効かない理由も魔族のスキルによるものだからだと納得できる。

うむ、名推理だな。


「という訳で、君に魔王虫っていう蟲がくっついてました」

「……ぶくぶくぶく」

「あ、失神しちゃった」


かくかくしかじかと蟲の事について説明していると、だんだんと王女ちゃんの顔が青くなっていって気絶してしまったようだ。

まあ蟲に寄生されているなんて気持ち悪いからね、しょうがない。


とりあえず、ちょうどいい隙だし蟲を取り払っちゃおう。


「さてさて、蟲はどこかなー。攻略本さんおしえてー」

「相変わらず便利だなその本。チートすぎるぜ」

「攻略本さんは最強だよ」


絶対に壊れないしね。


そして攻略本さんのマップを拡大し、王女ちゃんに焦点を当てて蟲の居場所を探っていると、蟲は首根っこの裏あたりに居る事が発覚した。


「首根っこの裏らしい」

「なるほど、エロいな」

「うむ、エロい」


よく見ると、髪の毛に擬態してゲジゲジみたいな蟲が一匹だけ隠れていた。

ちょっと気持ちわるいな、さっそく退治しちゃおう。


「じゃあ、あとはルゥルゥよろしく」

「なんでじゃっ!? こんな気持ち悪い蟲触りたくないわいっ! 乙女を何だと思ってるのじゃっ。しかもこれは魔王の一部じゃぞ、呪われたらどうする」

「僕、きもちわるいのいやだ」

「ワシも同じじゃわいっ!」


どうやらダメらしい。


うーむ、困ったな。

ロリ魔女がまたがわがままを言っている。


「なんでワシがどうしようも無い幼女だな、みたいな目で見られているのじゃ、解せぬ」

「ぜりっ?」

「バカかお前らは。たかが蟲一匹になにビビってやがる。こんなもん握りつぶせばいいだろ」


そう言うやいなや、タクマが王女ちゃんの首から蟲を引っこ抜いてプチッと潰してしまった。


いいぞタクマッ!

お前は俺たちのヒーローだっ!


「さすが相棒」

「まじめにやれセリル」

「すまぬ」


でもちょっとだけ気持ち悪かったのは本当だ。


「でも、なんで魔王虫なんかがくっついてたんだろうね。最低でも魔王ベルゼブブの力と接触するなにかがあったってことだよね」

「まあ大方、公国の王とやらが権力に目がくらんで呪いのなんちゃらに手を出したってところだろうよ。ほらアレだよ、よくある怪しいアイテムって奴だ」

「ふむ」


まあこれで王女パワーも使えなくなったわけだし、事情を伝えてしばらく保護しておこうかな。

アイゼン帝国の王都観光とかにでも連れて行けば、あそこが普通の国である事がよくわかるだろう。


それに最近は働きっぱなしでゼリリン疲れたよ、そろそろベルン王国の学校も1学期が終わってお家に帰る頃だろうし、ルー兄ちゃんやレナ姉ちゃん達とかと一緒に母ちゃん父ちゃんに会いたくなってきた。


王女様の観光はゼリリン2号に任せて、俺はお家に帰ろっかな。

そうしよう、それがいい。


それじゃ、そうと決まればさっそくお家へゴーだっ!


「という訳なので、リグを連れてお家に帰ります。連絡の際はゼリリン2号をよろしく」

「ハァー、分かった。……忙しいやつだなお前も」

「ゼリリンは多忙なのだ」


また1ヶ月後くらいに会おうぜカジノのみんな。


……あばよっ!!



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