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第2話:どうしろっていうんだよ(中編)

全員が塔の頂上に到着した。


空を見上げると魔法陣が巻きついている隕石がゆっくりだが確に落ちて来ていた。

初夏はただでさえ聞いていた話以上のことを聞かされた上にこれだ。


「まさか、思っいきり視認できるところまで来ているとはさすがに思ってなかったわ」


それもそうであろう。隕石は上空10kmほど先を落下してきていた。


射程内ではあるが近いな。確にこの距離であれば半日程で墜落するであろうな。


「リミットまで5時間てところかしらね」


「未来視での結果か?」


初夏が空を見上げながら呟いたのでわかっていたが確認のため聞いておく。


未来視とはオリジンの1つで名前通り未来を視る事のできるものだ。遠くの未来になるほど的中率は落ちる。使用中は瞳の模様が星になるので使用したことがバレてしまうがそれでも使い手次第ではほとんどの事を予知されてしまう。


「ええ、いろいろと視てみましたがどのルートも5時間後には落ちてくるみたいね」


「私も確認しました。同じく5時間後です」


時雨も未来視持ちである。彼女も初夏と同じ結論だと言う。


「あれ?それじゃあいまからすることも意味が無いんじゃないか?」


凱飛はつまらなそうに言う。

しかし現実はややこしいものみたいだ。


「そうでもないわよ?確にこれからする先も視たけど視るたびに結果が変わるのよ」


初夏が説明し時雨も頷いている。


「それじゃあ!早く深淵のレゾナンスを奏でようじゃないか!」


恭雅は相変わらず意味のわからないことを言っている。

最近、厨二病も治ってきたかと思っていたのに残念だ。

思いながらも一応、保険をかけるために指示を出しておく。


「恭雅、魔術の発動後、街に被害が出ないように君の力で障壁を半径5kmほどめぐらしてくれ」


「OK! 我の最強を思い知るがいい!」


もう無視する。続いて


「凱飛、オールキャンセルができるように準備を頼む」


凱飛は頷くと大楯を展開した。凱飛のオリジンの1つはオールキャンセルである。

後もう一つ、凱飛の展開した大楯、これは他の人もしている指輪から作り出した。

この指輪はクリエーションリングといい創造した物に展開するというものだ。



「それじゃあ、まぁ、始めようか」


全員を見ながら宣言する。


発射役は俺となった。恭雅がいろいろと喚いていたが使う技が技だ。そもそも俺にしかできない。あとのみんなは俺を中心とするように螺旋状に並ぶ。


「「「コンタクト」」」


全員の魔力回路が俺へと直結する。

俺は力を確かめ右手を銃みたいに構えスペルを唱える。


『乖離し無に還れ The end(シュウエン)


指先から極太のレーザーが隕石へ向けて一瞬で飛んでいく。

そして当たったかと思いきや倍の太さとなって返ってきた。


さすがわトップの集まりだけあって判断から行動までが早い。恭雅はすぐに同調をやめると同時に指定していた範囲に原子崩壊の魔術を組み込んだ防壁を張り巡らせる。凱飛も大楯にオールキャンセルを付属させ真下で構え受け止めた。


さすがに自分達の放った物が倍となって返ってきただけあった。

凱飛が受け止めた瞬間、四方にレーザーが別れた。オールキャンセルを使用した上でこのようなことになるとは驚いた。恭雅の張った防壁のお陰で街に物理的被害を出さずに済んだがどうやらレーザー自体が持っていた、熱は街まで落ちてしまったようだ。


俺はというと、魔力の急激な消耗による反動で倒れていた。祐歌に魔力供給と波長を整えてもらっている。祐歌は治癒魔術が得意でほとんど治癒魔術でいまの地位にいるようなレベルだ。


だいたい回復したので俺は祐歌にお礼を言い、みんなに向けて


「作戦失敗、直ちに撤収!」


初夏が呆れながらも同意し


「誰かに見られる前にとっとと第3会議室に戻りましょう」


と他の皆も頷きすぐさま転移した。


♦︎


あれから30分後、総理大臣が激怒しながら部屋に飛び込んできた。

あぁやっぱりきたか…


「どうしたんですかそんなに慌てて?」


「どうしたもこうしたもさっきのレーザーはどういうことだ!」


俺はわざとらしく言うと当然のような反応を返してくれた。わかりやすすぎる…


「どういうこともあなたにささっと行動するように言われたので1番最前と思われる手を打ったまでですよ?」


と次に初夏が前に出てきて


「申し上げます。隕石は後4時間30分で墜落します。もう打てる策も未来もない状況です」


さらに


「あの隕石に付属していたものはオールキャンセルではなく、2倍にして跳ね返すと言う未知の魔術でした」


事実だけを教えたが何故かこうなってしまった。


「お前らは私達に死ねというのか!」


うわ!自分達がしでかしたくせによく言うよ。


「お前達、シエル・ツァーリを国家反逆罪で死刑にする」


あまつさえこんなことまで言い出したよ。

俺がそんなことを考えてると総理大臣はポケットからスイッチを出した。

あれはたしか亜空間牢獄の鍵か...だから予想よりも来るのが遅かったのか。


「とりあえず亜空間牢獄で準備が完了するのを待っててもらおうか」


総理大臣は口元を吊り上げると俺達を牢獄へと送った。


俺達は特に抵抗もすることなくなされるがままであった。


そしてこの状況にあるのでした。

最後の方のさらにを含め3行ほど付け足しました。m(_ _)m

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