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暁の王国

「おい、あんた達。もしかして【暁の王国】に行く気か?」


「はい、そうですが……?」


不意にアレンは、老人に聞かれて答える。


「行くなら覚悟しとけ。最近になってOランク以上の冒険者で若い奴等が行ったきり、未だに一人も帰って来てないんだ。俺も長年此処で酒屋をやってんだが……こんな事件今までで初めてだ。くれぐれも気を付けろよ」


声を潜ませた老人がアレンに忠告をした。


「ご忠告ありがとうございます」


笑みを浮かべアレンは礼を言う。


……行方不明……Oランク以上が?


アレンは目を細める。


若い連中……確か……保護された奴隷達は……


全員、美しい若者だきゅな。


カティーラとレギオンは頷く。


老人が去ってから10分後、辻馬車が来たので四人は乗り込んだ。


道が悪い中、辻馬車が進むのでレギオンはあちこち飛び回る。


アレンとカティーラは慣れてるのか、普通に座っているのだが……アレンは尻が痛くて青ざめていた。


……王家や貴族家の馬車と違って振動がヤバい!!尻が死ぬ!!


痛みにアレンは青ざめて思わず涙目になるが……


……これも経験だ……。


……アレン様、今回は私も鬼になりますわ。


カリウスとカティーラは手助けを我慢している。


「うっきゅ!!小人だと弾むぜ!!」


レギオンはひたすら、飛び回るのを楽しんでいた。


それから三時間後、四人は目的地に到着した。


四人の目の前には、草木に覆われた城門が見える。


「古代史と神書の書かれている記述が本当なら……此処は初めて悪意を持つ強大な魔女を生み出し、一週間で滅ぼされた聖アーシェラ法王国ですよ」


アレンは城門を右手で触って三人に言う。


……魔女……この王国が生んだのか!?


カリウスは目を見開く。


……成る程、全ての始まりの地ね?


カティーラは頷く。


……此処が元凶の地だっきゅか!?


レギオンはハードボイルドな顔をして、今からでも凄まじい殺気を放つ。


「それでは行きましょうか?」


「……あぁ」


「必ずお守り致します」


「だっきゅ!!」


アレン、カリウス、カティーラ、レギオンはそれぞれ言うと、城門を開けて中に入る。


その様子を影から見ていた男達が居た。


「例の四人が予定どおり迷宮に入ったぞ」


「中の連中と挟み撃ちにするか」


「魔力封じちまえばこっちのもんだってな!!」


げひた笑みを浮かべながら、男達もアレン達を追い掛け中に入るのだった。


迷宮の中は、常に夕日によって照らされたまま当時の時間で止まる王都の町並みが広がっている。


建物や公園、広場には夥しい血の跡が残されており、惨劇があった事を物語っていた。


「無実だった元聖女ラルツオーネを当時の王太子が冤罪で処刑し、その結果……ラルツオーネは魔女として甦り一週間で国や王都を滅ぼしたとか……やはり史実通りですね」


アレンは周囲に残る血の跡を見ると、納得して頷く。

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