魔剣との出会い
「畜生……ギルドマスターである俺様に対して……こんな事して……只で済むとは思うなよな!?」
目を覚ましたのか、男が立ち上がると受付のカウンターに手を付いて叫ぶ。
「貴様は俺より弱いし、条件では俺が負ければ従う筈だったが……俺が勝った以上、貴様に従う理由等無い」
剣士の青年が男に言い放つと、さっさと歩いて金髪の青年に近付いていく。
……若造が!!馬鹿にしやがって!!
男は歯を剥き出しにして激しく激昂するが、耐えて何とか黙り込む。
「……お前、見ない顔だな?」
「僕は最近王都へ参りました……駆け出しの冒険者をしております……アレンと申します」
剣士の青年に聞かれ、金髪の青年アレンは答えた。
「駆け出しの商人アレン……ねぇ。それで?この騒ぎは何なんだ?」
目を細めた剣士の青年は、アレンの前に立つスキンヘッドの大男を指差して問う。
「どうやら……ギルドに入って直ぐに絡まれてしまった様でして……」
苦笑いしてアレンは剣士の青年に答えた。
……何だ!?何でこいつが来るんだよ!?
スキンヘッドの大男は冷や汗を掻いて目を見開き、剣士の青年を見て固まる。
「……一般人が冒険者に絡まれてると言うのに……何故誰も助けない?……俺が数年留守にした間、冒険者の質も随分と落ちたようだな?」
目を細め、剣士の青年は周りの冒険者達を睨み付けると、スキンヘッドの大男と向き合う。
「商人に文句があるなら……この俺が相手になってやろう。それとも……【魔剣】かわ相手だと不服か?」
剣士の青年がスキンヘッドの男に言って笑みを浮かべる。
「……俺の相手はてめぇじゃなくて商人だ!!大体、てめぇはXランクで、俺はMランクなんだぞ!?ランクに差がありすぎる!!」
……【魔剣】とやり合うなんざ御免だ!!
大男は動揺しながらも叫んで言い返した。
「ルールを破ってるてめぇには言われたくねぇよ。商人の代わりに俺が買ってやるって言ってんだ。やるかやらないかどっちにするんだ?……あぁ、それとも怖じ気づいちまったのか?」
「……馬鹿にしやがってぇ!!」
剣士の青年が挑発すると、スキンヘッドの大男が頭に血を登らせて剣を振り上げる。
「ぐはっ!!」
だが、剣士の青年の蹴りの方が早く、スキンヘッドの大男は腹を蹴られ他のテーブルや椅子を巻き込みながら吹っ飛んだ。
「一撃だ……」
「流石は魔剣……」
「Mランクでもあいつ上位だったのに……」
冒険者は口々に言う。
「……貴方の名前は?」
剣士の青年にアレンは問い掛ける。
「……俺か?俺の名は……カリウス。ソロの冒険者だ」
カリウスはアレンに名乗ると、振り返って腕を組む。
「……それより、てめぇはギルドに用があって来たんじゃねぇのか?」
「あっ……はいっ!!そうでした!!」
カリウスに言われ、アレンは慌て思い出した。
「ギルド依頼受付カウンターはあっちだ」
「教えてくださりありがとうございます!!」
カリウスに教えられ、アレンは慌て依頼受付カウンターに走り出すのだった。