策士な王子と女王の癇癪
早速、アレンは二人を連れてカリウスとカティーラ、シュラウトと共に、商業街の一角にあるクード商会に来ていた。
クード商会は小人商人達が管理しており、調度品や家具も凄い。
小人印の小人作品ばかりが置かれている。
「さあ、皆ゆっくりしてくれ。あぁ……セツェリフは私と共に私室に来て欲しい」
「えっ?あっ……はい」
アレンに言われたセツェリフは返事をすると、二人で二階へ上がっていく。
シュラウト、イリナ、カリウスは不満そうな顔をしていた。
「さあさあ、今日はエマール王国から差し入れよ!!何と……黒唐辛子饅頭よ!!皆で食べましょう!!」
カティーラは慌て三人に言うと、黒唐辛子饅頭を配っていく。
私室に入ると、アレンはセツェリフを抱き締めた。
「えっ……?あ……」
緊張してセツェリフは顔が赤くなる。
「君には冒険者としてではなく、僕の心の癒しとして……僕の身と身体を慰めて欲しいのです」
「……つまり……その意味は……もしかして……」
「君の心と身体も僕は欲しいのです。もちろん……恋人としてね」
戸惑うセツェリフにアレンは微笑む。
「私の身は一度奴隷に落とされて汚されています。それでも……宜しいのですか?」
「僕は君が欲しいんだ、勿論構わないよ」
「ありがとうございます!!嬉しいです!!」
アレンの言葉にセツェリフは涙を流して微笑む。
「んっ……」
そのまま、アレンはセツェリフの唇を奪うとベッドへと押し倒し……
セツェリフの服を脱がしながら自分の服も脱いで、身体を重ねるのだった。
「あぁぁっ!!あんっ!!」
「可愛いな、良く鳴く小鳥だ」
そのまま、セツェリフの甘い声と身体にアレンは夢中になるのだった。
「……シュラウトさんとカリウスさんって……やっぱりアレン様を好きなんですか?」
皿の片付けをしながらイリナはカティーラに聞く。
「そうね……好きだと思うけど想いを隠しているのよ。アレン様は目的の為なら周りを利用する方だし……二人は彼を邪魔したくないの」
苦笑してカティーラは答えた。
「僕もアレン様を好きですが……目的があるなら邪魔はしたくないけど……利用されるなら利用して欲しいですね」
ニッコリ笑ってイリナは答える。
……あら……見た目と違って腹黒な子!!
カティーラはビックリして目を丸くした。
月を見ながら、カリウスは部屋で剣の手入れをし、シュラウトは古文書と神書を読み込む。
「……気に入らないわ……アレクシス……私の邪魔をするなんて……」
玉座に座る赤い髪の女性は、冷たい瞳で虚空を見詰め呟いた。
彼女の足元には、鮮血にまみれた人であった者が散らばっていた。