元々のプロット
メモ書きから次の様なプロットを作り、それに従って最初は書きました。
この時点ではキャラクター含めて固有名詞は何も決まっていませんでした。
一度書き上げた後、読み直して書き直す過程で、主人公の妹を追加したり、敵役の大魔法使いの動機を変更したりしました。
***最初のプロット***
1 少女がオークション会場から逃げ、落ちるか何かで気絶。
2 森の騒がしさに気付いた少年(薬草を取りに来た?)が少女を発見。家に連れて帰る。
3 少女が目覚める。狼狽。少年が信用できず、事情を話せない。落ちた時の怪我でしばらく動けそうにない。
4 少年が、怪我が治るまでは家に居て良いと許可。二人の共同生活開始。
5 少年、仕事の日々。森で薬草を取る。偶に食べられる魔獣なども狩る(どうやって?)
6 少年が帰る。少女の包帯を変えたりする。少しして立ち上がれるようになる。(鬼族は身体能力が高く、回復も早い)
7 少年の帰りを待つ間の少女の日々。家の中には様々な魔術書や魔法理論についての書物があった。料理を作り少年を待つ。少年との交流。絆が深まる。
8 大魔法使いが少女を探す。森では見つからない。森外の町へ行く。少女が逃げるならば一度そこを経由するはずだった。
9 町での聞き込み。荒くれの鬼や魔法使いを一蹴。人一人居ない森という言葉を誰かが否定する。あそこには杖無しの魔法使いが居た筈だ。
10 少年、森での採取の日々。少女の傷も治って来ていた。今の生活がとても良かった。だが、そろそろ彼女も外に出れるくらいには回復した。そろそろ今の日々も終わるだろう。
11 少年、町へ、薬草や鉱石を売りに、生活品を採取しなければ。町で一通りの物を買う。少女へのプレゼントのアクセサリー?を買う。
12 その時、耳に届く。杖無しが何でここに居る? いつも通りの侮蔑の声。返事をせずに黙っている。侮蔑の声は続く。お前を探して大魔法使い様が町に来ていたぜ。鬼の少女を探してるみてえだ。
13 顔色が変わる少年。森奥の家へと走る。
14 森奥。少年の家が燃えている。連れ去られようという少女を発見。少年には魔力が無い。だから大魔法使いもギリギリまで気付かない。
15 少年の拳が大魔法使いへ。一度少女を取り返すが、大魔法使いの魔法の前で少年がボロボロに。少女が言う。もうやめて。私の角が欲しいんでしょ。
16 少女が連れて行かれる。少年、涙を流して気絶。
17 少女の視点。森深くのオークション会場。そこに作られた一室に囚われていた。
18 大魔法使いが目の前に。少女の頭には少年の姿があった。傷だらけに成ってしまった彼に罪悪感がある。
19 少女の角は特別だった。大量の魔素を吸収し、集約する特性を持つ角。それを持つ特別な一族の最後の一人。それも未だ折られたことの未折の角。生まれてからずっと蓄えられていた原初の魔力がある。
20 大魔法使いのボスと部下が登場。ボスが下卑た笑みで少女を見る。お前はどれだけの値段が付くのやら。言いながら、部下に少女の角を握らせる(力の確認)その瞬間魔力暴走で倒れた。
21 おそろしい力。未折の角には価値がある。杖としての固有魔法がまだ定まっていないからだ。
22 触れただけで魔力暴走する程の角。杖にしたらそれこそ世界で一番の杖に成る可能性がある。
23 故に少女の角を折る権利がこのオークションの目玉だった。
24 少女が思い出す。父との逃避行。魔物に喰われた父。自分を助けようとしたアルバス。
25 結局生き残ったのは自分だけ。こんな角無ければ良かったのにと思ってしまう。
26 大魔法使いは言う。オークションはすぐだ。それまでは丁重にお姫様の様に扱ってやるよ。
27 少年、眼が覚める。少女を助けに行くため立ち上がる。無能者の自分に何ができる? 分からない。だが、それでも行かなければ。
28 オークション会場は何処だ? 大魔法使いは言っていた。明後日のオークション。少女が言っていた森を逃げて来た。
29 少年、少女に渡そうと思っていたアクセサリーが光っている事実に気付く。少女の魔力か何か? その光が特定の方向を向いた時に強く成る。手がかりはそれしかない。方向は森の奥。だが、この森に一番詳しいの自分だ。オークション会場など無かった。燃え堕ちた自分の家を見る。家族が書けた隠匿の魔法。これと同じ物がこの森にある? 鬼も魔法使いも近づこうとしないこの森に。
30 準備をしなければ。焼け落ちた家の残骸を漁る。少しずつ少しずつ貯めていたなけなしの財産を統べてかき集める。薬草で作った痺れ粉。少女の作った保存食。走って町へ、体は痛い。それでも無視して町へ走る。全財産を払い、体を癒す。できるだけの装備を買う。
31 いざオークションへ。この森に押し込まれた数年。森のことは自分が一番知っている。何故か行こうとしなかった森の奥。そこに隠匿魔法がかけられている。
32 狩り用のナイフ、弓矢、その他色々を持ってオークション会場へ。杖を持たない主人公のことを魔法使い達は検知できない。
33 スニーキングミッション。オークション会場は大熱狂。少女の角を誰もが競り落としたい。
34 鍵を盗む。(もしくは冒頭で少女が逃げた時に投げたという場所を覚えている?)会場内へ。今運ばれようとする少女を見付ける。
35 檻から出された手枷の少女がオークションへ。競りが始まる。
36 弓矢に薬物。(強烈な光コケ?)少年が空へ。強烈な光による目くらまし。
37 壇上へ。少女の手を取り逃げようとする。大魔法使いの登場。
38 オークションの組織は言う。その小僧を殺せ。直後大魔法使いの魔法が組織の人間を殺す。
39 悲鳴に包まれる会場。会場からオークションの競りにかけられていた魔獣たちが現れ、客も組織も何もかもを殺していく。
40 困惑する少年。だが、魔獣は自分達も狙う。このままでは逃げ切れない。
41 逃げ道が無い。少女が少年を引っ張り檻の中へ。特別製の檻。巨大な魔獣では牙が通らない。
42 何だこれは。少年は困惑する。檻の外から大魔法使いが言う。お前では救えないさ。
43 少年、歯噛み。使える手札はもうない。自分は杖無しの魔法使い。使える杖は何一つなかった。だから、この場を切り抜けられる様な手札は無い。
44 少女が少年を抱き締める。私の角を折って。少年は断る。そんなのこいつらと変わらないじゃないか。少女は言う。いいえ、違う。私があなたに折って欲しいの。
45 少年が少女の角へ手を触れる。光り輝く。大魔法使いが眼を見開く。少女の角はあまりの魔力に並みの魔法使いでは触れただけで魔力暴走するはずだった。だが、それが起きない。どういうことだ。
46 少年が力を込める。痛みのまま少女の角が折られた。
47 角へと少年が命令する。放て! ただの魔力弾。だが、威力は激烈。檻へ牙を立てていた魔獣が消し飛んだ。
48 魔法使いの少年と大魔法使いが対峙する。大魔法使いの目的はもう完了していた。復讐は終わっている。だが、少年の姿が信じられなかった。この少年が鬼の少女を救えた。だが、過去の自分は彼女を救えなかったのだ。
49 杖を構えろ。大魔法使いは言う。これは意地だった。その杖は、どうにか買い戻したかつての少女の角だった。杖ごとの固有魔法。大魔法使いのそれは隷属と服従。残る魔獣を携えて少年へと放つ。対して少年には何もない。少女の想いもそれに準じた。故に杖の固有魔法はただ一つ。魔力弾を放つだけ。巨大な魔力弾が魔獣を全て打ち倒す。
50 オークションの終幕。倒れる大魔法使い。後に残されたのは少年と少女。自分が折ってしまった少女の角の断面を少年は撫でる。少女は言う。気にしないで。少年は言う。これからどうしようか。家を燃やされ、帰る場所は無く、目的地も無い。
51 少女は言う。何処かへ旅に出ようよ。安住の地が何処かにある筈だから。
52 少年と少女町に行く。オークションで拾った残骸を売り、金にして、旅の為の服や荷物を買った。
53 角が折られた鬼の少女と杖を持った魔法使いの少年が旅に出る。
54 少女の角がまた前の様に生えるまでどれくらいか。それまでに安住の地が見つかれば。
55 空の下、魔法使いと鬼は歩く。そして祝砲代わりに空へ放った魔力弾。旅はきっと長い物に成るだろう。




