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激突 最恐 VS 最強 開戦――『二曲目』


「さぁ誓いの言葉を君に送るよ♪」


 歌を歌うことによって得られる効果はMP回復だけでない。

 歌が脳を刺激し興奮状態にして更なる力を与えてくれるからだ。


「白馬の王子様になって今夜は君を寝かせないさ~♪」


「まぁ、そっちが使うんだから私が使っても問題ないわよね? ア・ク・セ・ル・♪」


 その言葉はゆっくりだった。

 だけど朱音の速さはその逆で速く二本の槍が紅の心臓を貫く勢いで向けられる結果となった。

 さっきまでとは違い、朱音も自ら攻撃に出たことで戦いが一気に激しさを増す。


 負けじと紅もギリギリながら飛んで来る攻撃を躱して反撃にでる。

 武器を持たなかったのは決してふざけているからではない。

 持たない方が効率が良かったから。

 だけどそのアドバンテージがハッキリとなくなってしまうほど激しい攻撃の嵐に紅の手数が減り朱音の手数が増えていく。


「ひび割れた俺様の心~滅び朽ちていく予感がするよ~♪」


 それでも口数だけは減らない。


「ふふっ、バランスを崩したら終わりよ♪」


 氷の地面。

 それは朱音によって作られた地面でもあり、紅の足元で急に穴が空き態勢を崩してきた。狙って得たチャンスを見逃すはずもなく朱音が突撃する。

 足場がなければ、羽を使い空を飛ぶ。

 そんな単純な発想では朱音を出し抜けないと紅は悟った。

 視界の先では朱音が氷の触手を操って既に無数の氷柱で出来た天井が用意されており、空に逃げた時点で串刺しになるのは目に見えていた。


「白馬の王子様絶対絶命のピンチ。それは女の子からの試練を乗り越えて心の奥底支配するチャンスチャンスチャンス♪」


 既に左右にも天井と同じような壁があり、逃げ道は限定されている。

 それは朱音が紅を確実に仕留めるために作った罠であることは幾らお馬鹿な紅でもすぐに気づいた。


 だからだろうか――。


 だから――。


 さっきから心が躍って仕方がないのだろうか――。


 アレン戦の時には使えなかった俺様表裏シリーズが使えるチャンスが訪れたことに。


 それも現状考えられる最上位ワールドで使うことを許される相手が目の前にいることに対する感謝からだろうか。


 集中力を上げた紅の瞳は朱音の綺麗な瞳に不敵に微笑む自分の姿見えた。

 この状況で笑う奴を世間ではなんと言うのだろうか。

 それに綺麗な瞳はその奥深くでまだ見ぬ未知なる力との対峙を望んでいるように見える。それは朱音が紅にまだ期待しているという意味であっているのだろうか――それは本人にしかわからない。


 

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