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激突 最恐 VS 最強 開幕――小手調べ


 素早くアイテムツリーから閃光弾を取り出して投げる紅。

 今回の戦いの場となる密林ステージに存在する大きな木と所々に設置された大きな石の塊数々。

 身を隠せる場所は沢山ある。

 そんな場所を強い光が覆い隠す。


「行くぜ! 影分身の術」


 本体から生まれた分身がHPとMPを一割貰い受けて強い光の中を駆け抜け朱音の元へと向かう。当然赤褌男の分身が装備を見に付けているはずもなくこちらも赤褌を見に付けているだけ。とてもじゃないが奇襲と言うには弱すぎる。誰が見てもそうお思える状況。にも拘わらず紅は自信に満ちた声で分身たちに向かって叫ぶ。


「躊躇わず行け!」


「「おう!」」


 本体の言葉に力強く答えた分身は朱音に対して左右から同時攻撃を仕掛ける。


「目くらましのつもり? 見えないなら音で判断すればいいわ」


 目を閉じた朱音の槍が分身に向かって素早く振り回される。

 ――?

 空を切る音が聞こえた。

 朱音の脳内では確実に突撃してきた紅を一撃で仕留めるタイミングだった。

 なにが起きた? と考える朱音に向かって再び近づく二つの影。

 自分の想像を超える速さつまり神災モード。

 そう考えた朱音は。


「……考える時間……つまり猶予……とても危険ね」


 考える時間それは紅に次の行動時間を与える結果をもたらす。

 朱音が戦闘ギアを加速させていく。


「私を護りなさい。絶対零度!」


 大地が激しく揺れ、地中から顔を出す巨大で変形自由な巨大な氷の塊が出現する。

 同時に突撃してきた分身を呑み込み氷漬けにしては分身と共に粉々に割れ無力化した。


「遅いぜ! 燃えろ! 俺のバーニングパンチ!」


 分身の一体が絶妙なタイミングで氷の隙間を縫うようにして朱音の懐に入ることに成功する。

 力強く握られた炎を纏った右拳が一直線に風を切る音ともに朱音へ向けられる。

 パンチは朱音の腹部を直撃。

 そのまま朱音を吹き飛ばす……予定だった。

 だけど鋼鉄の扉を殴ったように痛みを覚えた分身の紅。

 吹き飛ぶどころか一ミリも微動だにしない。

 そして朱音の身体から侵食する氷の餌食となってもう一体の分身と同じように粉々になって殺された。


「視界が回復した。さて次の一手はどうくるのかしら?」


 暗視ゴーグルで今の一連を見ていた紅は大きな岩かげに隠れ冷静に朱音の動きを分析していた。元居た世界と同じく朱音はこの世界でも氷をメインとして使う。これはエリカから聞いていた通りだと確信する。世界の女王と言いこの世界での真の強者は紅の炎と対極の力をどうやら好むらしい。

 周囲の温度が急激に温度を失い肌寒くなっていく。

 氷点下の氷が生み出す冷気は太陽の陽を十分に受けている大地の熱を一瞬にして奪い赤褌の紅の温度を奪いにかかる。


「こっちの世界でもあれは圧倒的な防御力と攻撃力を兼ね備えているのか。最初から絶対零度は正直予定外のよっちゃんだが、そっちがその気ならこっちも火力とテンションをアゲアゲだぜ」


 再び紅が攻撃を仕掛ける。

 手に持った弓から一本の矢が放たれた。


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