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始動――プロローグ

お久しぶりです。

これから無理なく頑張っていこうと思います。

本編と同じように更新できない日は作者今は忙しいんだな~と思っていただけると幸いです。


当作品は外伝になっております。

まだ本編読まれていない方はそちらも読んでみて頂ければと思います。


 ――神災しんさい

 そんな圧倒的な力を持ってしても朱音を倒すことができなかったその日――【深紅の実】ギルドは事実上の解散となった。

 きっかけはメンバーが日本を離れ、各々が進むべき道に歩み始めたこと。

 副ギルド長は朱音の期待に応えたことでメンバーに選ばれ――『chaos of world』通称cowと呼ばれる出場権を手にし今は朱音と一緒に別荘で修行している。


 それは副ギルド長――美紀が目指しいつか出場したいと思っていた大会の一つ。

 優勝賞金はそこら辺のサラリーマンが一生かかっても手に入れることができない数億ドルが支払われ、もしそこで入賞でもできればプロとして全世界から認められる才能と運の持ち主とされる。そこは真の実力者だけが立つ事が許される栄光の場所でもある。そこのトップ10に日本人の名前は一人しかいない。それだけシングルランキングを手に入れ維持するのは過酷でありその7位が先日蓮見の全てを正面から受け全てを否定し純粋な力でねじ伏せた朱音。彼女の正真正銘の本気は正に鬼神で彼女の通り名である『神槍の使い手』。そんな彼女の娘二人(七瀬と瑠香)も見事な連携プレーを評価され大会へ運営から招待されていた。評価したのは運営陣メンバー四人。だけど三人の女の子にとっての嬉しい報告は地獄の始まりとなった。


 朱音が枷を外し、修業相手になったとたん全然戦えない事実。

 それは美紀、七瀬、瑠香全員に当てはまった。

 自分達と同じゲームをしていた時はかなり手を抜いていたのかとこれほどまでに痛感させられた少女たちは毎日悔やんで泣き続ける。

 本来の朱音の前では自分という人間がどれだけちっぽけだったのかを思い知ったからだ。


 美紀は初恋を自らの意志の元、断腸の思いで断ち切った。

 七瀬と瑠香はある条件を元に朱音と同行することにした。

 結果……二人の初恋も終わりを迎えた。

 朱音から提示された条件を呑むことが未来への切符だった。


「本当にダーリンと決別できるのね?」


 その言葉は取り繕ってはいるが、震えていた。

 だけどそれに気づかない二人。

 朱音の放つ圧がそれに気づかせないのだ。

 未練があれば、そこに油断や隙が生まれる。

 なによりそんな時間すら残っていないのだ……二人には。

 それになにかをしなかがら名誉を手に入れられる程世界は甘くない。

 戦場では自分より才能がある相手にも勝たなければならない。

 でも嫌がらせで言っているのではないことはわかる。と二人。

 なぜなら朱音の目がなぜかその日に限って少し腫れていた。

 もう時間が残っていない、覚悟を決めろ。そう言いたいことがわかった二人は最後に可能な限りの事実を伝え、お別れを決意した。

 朱音はそれを黙認した。


 恋 or 夢


 どっちかを選べばどちからを諦めなければならない、それが現実――選んだ選択。


 夢への切符は代償がとてつもなく大きい。

 だから夢を選んだ以上もう後戻りできない。

 そんな強い意志は光の速さで淘汰される。


 強い、強すぎなんてものじゃない。

 全ての攻撃が読まれ、当てる事すらできない師匠が目の前にいたのだ。

 あわよくば蓮見と連絡などと考えていた二人の考えを見抜いたように朱音は二人にそんな心の余裕を与えないぐらい厳しく指導を毎日朝から晩まで続ける。

 二人の心は修業一日目から完全に疲弊しSNSどころではなかった。


 三人がどれだけ落ち込もうが、悔もうが、泣こうが、関係ない。

 そんな現実が三人には待っていた。


 そう――朱音は……知っている。

 ここで嫌われても今後何十年を考えるなら三人には最初で最後になるかもしれないぐらいのビッグチャンスが【今】訪れていることを。そのチャンスに【今】死に物狂いにならなければもう二度と来ない可能性が高いことを。

 なぜなら自分は――もうすぐ世界ランカーから引きずり降ろされる……かもしれないから。

 そんな脅威となるであろう自分を超える天才少女がすぐ近くのランク帯にもうやってきているのだと。

 それも自分以上に才能に愛されたかなり年下の女の子が……別でいるのだ。

 とてもじゃないが、ありきたりな戦い方では……この先いつか通じない日が来ると確信している。

 その女の子は『竹林の森イベント』が終わった日、電話でこう言った。


「ふふっ、ついに停滞しましたね、朱音さん。今度は戦場でお会いしたいですね」


 と、見ただけで相手の技を再現して使う彼女の前ではど並大抵の奇策など通じない。

 なぜなら彼女は見ただけで――今までコピーしてきた沢山の技の中から最適な技をぶつけ相殺してくるからだ。

 まだ直接戦ったことがない相手――内野葵。

 彼女の試合を見て朱音は思った。


『あの子に通用する技なんて私でもストックがそんなにないわ……』


 幾戦幾万の戦いの記憶が彼女を普通では考えられないほどの速さで成長させてるのは見て取れる。その彼女も今回cowに参加する。まだ三人には伝えていないが、その彼女を超えるスピードで三人を強くしなければ三人の夢がここで終わってしまうかもしれない。人を導く責任を果たすため――朱音もまた死に物狂いで稽古を付けるのであった。


 宣戦布告をしてきた――内野葵。

 その人物について考える度に朱音にはどうしても気になることがあった。


『あの子の才能は恐らく私以上。だけど……一人だけ……私が知る限り一人だけ……いる』


 そう――目の前で死にかけている少女三人の初恋相手。

 そして――朱音が求めた理想の力(変幻自在の力)を持った最恐の男が身近に《《一人だけいた》》。

 再現とは彼女が持つ能力ステータスを持ってしてと言う意味。

 ならば全ての行動基準や原理が全く違う者なら――。


『あの子が再現できないであろう攻撃を持ったプレイヤー』


 そんなプレイヤーのことをふとっ思う頃――ある板が活気を見せ始めるのであった。

 


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