第9話 従者契約
前回、また載せ間違えてましたね・・・orz
【なので、僕の使命はこの世界の平穏で有って、魔族や人間の殲滅では無いのです】
・・・魔王は疑いの目をまだ向けている。
「しかし、私の軍を滅ぼしたのはお前だろう?」
【襲われたから対処しただけですよ。ご主人の命を守る為です。迷えば殺されてたのです】
「あと、最初はこっちも色々分らない事だらけだし必死だったんだ」
ボクの為に魔族を手に掛けた豆を庇う。
【それに、命を取ろうとしたのです。返り討ちに有っても文句は言えないですよね?】
「確かに、魔族が命を取るつもりだったなら、死ぬ覚悟は有った筈にゃ」
【今は出来るだけ命は取ってませんよ。まぁ、出来るだけですが】
「それだけでも助かるにゃ。」
「さて、私はそろそろ行くにゃ」
ぴょんと飛び上がりくるりと回転すると、綺麗に両足を揃えて着地した。
「行くって何処に?」
「魔王城に戻ってジェラールを止めるにゃ」
【それはやめた方が良いですよ】
「何故にゃ?」
「相手は魔王を殺そうとした奴だろ?のこのこ帰ったらまた命を狙われるんじゃないのか?」
ぐっ~、唸り悩む魔王。色々考えてる様だが思考は進んでないっぽい。
【折角有益な情報とコネを手に入れたのに、簡単に死なれては困ります】
コネって・・・。
「そうだな、魔族側の事情は分かったし、今度は人間側の事情を聞きに行こうと思うんだがどうかな?」
「人間達の事情~」
魔王は面倒臭そうな表情。
【流石ご主人!魔族領と接するこの土地の領主か、この国の国王に話が聞きたいと云う事ですね】
魔王はとても嫌そうな顔をしている。
「やっぱり人間に突き出すのにゃ!」
いや、しないから。
「偉い人から話を聞くだけだよ」
「ここの領主は知っているけど、国王はな~」
会いたくないのは分かる。自分の意思では無いにしろ魔族が人間族を攻撃してるのだ。
【大丈夫です、魔王はご主人に逆らえないと伝えれば良いのです】
ドヤ~!
ドヤって。
「なにそれ?」
「なぜ、私がこんな弱っちい奴に逆らえないのにゃ!?」
指を指すな、指を。
【それは、2人は従者契約をしてるからです。もちろん主人はご主人です】
「何を馬鹿にゃ、兎に角魔族領に帰るにゃ!」
走り出した魔王をボクが止めた。
「待って!」
ボクの言葉が魔王の動きを止める。
「な、何にゃ!?」
比喩ではなく、本当に動きが止まった様だ。
【だから言ったじゃないですか、2人は従者契約で結ばれているのです】
「そ、そんな物、何時の間に?」
魔王は抗おうとするが、全く動かない。
「大体なんで私が下なのにゃ?」
最もな疑問だ。自分でも言うのも何だがボクが魔王より強い訳が無いのだ。
そして、この手の契約は弱い者か、服従した者が下になるものだろう。
【それは、ご主人が薬を飲ませた時です】
ボクと魔王の顔が一瞬で赤くなる。
「なっ!?」
【あの時、魔王の体力はご主人以下でした】
「なんて卑怯にゃ!」
【でも従者契約はお互いに認めてないと失敗する魔法なんですよ】
ボクと魔王はドキッ!として、お互いを見た。
「あ、う・・・」
わなわなと、うろたえた魔王は目を瞑ってしまった。
それは肯定って事ですか!?
「と、兎に角俺は魔王を無理やり従わせる気はない!でも、危険な魔族領に1人で戻るのも反対だ」
ボクは魔王の手を取って、見詰めた。凄く恥ずかしい。
「兎に角、今戻るのは危険だ!魔王より全然弱い俺が言っても納得いかないだろうけど、俺が守るから今は側に居ろ!」
ズキューン!!!
魔王は何かに撃ち抜かれた様に後ろに仰け反ると、顔を真っ赤にし、頭から湯気を出して、へなへなと力無く倒れそうになった。
が、何とか耐えた。
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