第4話 豆、お約束を吹き飛ばす
『豆太郎とボク』~異世界転移!? 勇者豆太郎と巻き込まれたボクの物語~
1話1話が短いお話として書いてましたが、そこそこの分量に変更しました。
序に豆太郎の犬種も変更しました。
『豆太郎とボク』リスタートです。
4話 豆、お約束を吹き飛ばす
豆の要らぬ発言で一触即発!と大いに焦ったが翌々考えたら豆の言葉は普通の人には分からないので、心配する必要は無かったのだ。
「にゃ、お前が勇者だとー!?」
って、言葉が通じてるし!
【ワン!】
ワンじゃない!今更普通の犬のまねしても遅いよ。
「誤魔化しても無駄にゃ!そうか、お前が勇者か!」
【ばれちゃいましたね、ご主人】
「君の所為でね」
全く・・・。
「で、どうするつもりだ猫のお嬢さん」
出来れば何もしないで欲しい。というか何もしないで。
ふふん!
猫獣人のお嬢さんはペタンコな胸を張ると、指を一本高く天に翳した。
「勇者よ私の名に驚き、平伏せにゃ!」
自信満々の不敵な笑み。
「何を隠そう、私は・・・」
【魔王ですよね】
豆がさらっと、とんでもない言葉を放った。
「みゃ!?」
驚き過ぎて可愛い声が出る、魔王。そして顔が面白い。
失礼、表情が面白い。
折角勿体つけて、かっこよく名乗りを上げ様としたのに全てを台無しにした豆を涙目で睨んでる。
「お、お前・・・許さないにゃー!」
シャキーン!と両手の爪を伸ばし、豆に襲い掛かる魔王。速い!
「私の見せ場を盗った事、後悔させてやるにゃ!」
【嫌です!】
魔王の攻撃を軽く回避して、頭を踏み台にして後ろに回避する豆。
「にゃ!?魔王の頭を踏み台にしたにゃ!」
振り返り、薙ぎ払う様に振った爪の先から衝撃波が豆の着地を狙い、遅い掛かる。
「豆!?」
【大丈夫です、ご主人!】
衝撃波をひらりと躱すと、ドヤ顔をして煽るコーギーの子犬。
「このー!」
魔王は衝撃波を乱発しながら突進するが、全て躱していく。
「掛かったにゃ!」
魔王は自分の正面に巨大な炎の玉を作り出した。
「私は魔法も使えるにゃー!」
炎の玉を豆に向かって投げ付ける!
流石の豆もこの距離と速さでは躱せないかもしれない。
「豆!?」
【わん!】
豆は自分の回りに風と水の渦を作った。まるでドリルの様に高速回転する風と水、その中に居る豆は其のまま炎の玉に向かって更に加速したのだ。
「ばかにゃ!?」
炎の玉を貫き、そのまま魔王に体当たりした豆。その勢いと風と水の渦が魔王を吹き飛ばした。
「にゃーーーっ!?」
【まだまだですよ】
豆は吹き飛んで身動きが出来ない魔王を更に攻撃した。
【天狼のブレス!】
魔物の大群を一瞬で半壊させたブレス。其れを魔王は魔法で防いで見せた。
【流石魔王です、でも】
直撃は防いだが、ノーダメージと云う訳では無い様だ。
「この!?」
猫らしく空中で身を翻し、両手に作った魔法を豆に撃ち放つ。何度も何度も放つ様々な攻撃魔法の連続攻撃!
「豆ーーーっ!?」
魔法の爆発の中、ゆらりと影が見えた。
ボロボロになった豆の影はゆっくりと倒れたのだった。
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