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第10話 名付けは突然に

なんか色々間違えてUPしてた様なので、全部載せ直しました。

何故こんな失敗をしたのやら。

古い方を間違えて載せ続けてたなんて、道理で話数とタイトルが合わない訳だ。

 ボクと豆は今、次の町で寛いでいた。


 領主の居る街まではまだまだ有るし、とても疲れたので2日滞在する事にしたのだ。


 魔王はと言うと結局魔族領に帰った。


 黒幕っぽいジェラールには会わない事、無謀な事はせず、危なくなったら全力で逃げる事を約束させて、それ以外の自由を許可した。正し、領主と会う為に同行して貰う約束をしてあるので、2週間後には領主の居る街で落ち合う事になっている。


 「タマにも色々考えがあるんだろう」 


 【タマですか?】


 「そう、タマ。タータリア・なんたら・マリューなんたらだからタマだ」   


 【魔王、タータリア・ミティリス・マリューシアですよ、ご主人】


 「その内覚えるだろう」


 着替えを終えて、ベッドから降りるとドアを目指した。


 【いえ、タマなどと名付けた時点で覚えないと思います】


 豆の苦言など気にもせず、


 「置いてくぞ~」


 【待って下さい、ご主人!】


 そこそこ大きな町をのんびりと散策する1人と1匹。


 必要な物を買い足しながら、この町の冒険者ギルドへとやって来た。


 以来などを見て、魔族や人族の動向を探ろうという訳だ。


 「まだ、変わった動きは無いようだね」  


 【そうですね。美味しい依頼も無いようですし帰りましょうか】 

 

 夕食までだらりと過してその後、買ってきた物を整理整頓して、豆の収納魔法に保管する。


 収納魔法は珍しいらしいので、人前では使わず、眼暗まし様に持っている背負い袋に必需品と多少の保存食が入ってる。


 そして、ボクは自分の服を見た。


 外套の中は転移した時の服そのままなのだ。そのままでは兎に角目立って悪い。


 「明日は服も買おう」 


 ボクは下着だけになってベッドに入った。


 「あと、寝巻きも!」



 翌日の朝買い物に出掛けたのだが、豆の提案で途中から見慣れない町の方に行って、今は3人の大男に囲まれている。


 (豆・・・)


 大きな袋を抱えた男は、やれやれと言った感じで頭を振った。


 「坊主。運が無かったな」


 はい、テンプレ乙。


 「見られたからには生かしておけねぇ・・・」


 にやにやと悪い笑みで顔を近付ける男の口臭が凄くて、思わず顔を背けた。


 それを怖くて逸らしたと勘違いして、機嫌が良くなっているらしい。


 が、確かにボクはこいつ等より弱い。それは間違いない。そして、今側に豆太郎は居ないのだ。


 (豆~)


 「早く始末しろ!」


 「へいへい、じっくり甚振ってやりたいが仕方ねぇ」


 一番大きな男が前に出てきて、ボクの胸ぐらつかみ、捻り上げるとナイフを振り上げた。


 ポーカーフェイスを保とうと必死だったが、多分この時ボクの顔は恐怖で引き攣っていたと思う。


 その瞬間、男の腕から血が噴出す。 


 ナイフを落し、地面で転がりながら男が悲鳴を上げる。


 ぎゃーーー!


 「腕が~、俺の腕が~・・・!?」


 「なっ!?」


 「なんだそいつは!」


 驚く2人を余所に右腕から大量の血を流しながら地面を転がる男を冷ややかに見下ろす影。


 『ナイト・ウォーカー』 


 タマを殺す為に陰に潜んでた魔物、シャドウ・ウォーカーに名付けをしたら進化した魔物だ。


 もともと頭のいい魔物だったが、喋れる様になったこいつはタマ同様知らず知らずの内に契約していた魔物である。


 勿論犯人は豆太郎。


 そして、豆の魔力を借りてボクが名付けをした時、シャドウ・ウォーカーはナイト・ウォーカーに進化した・・・。


 「我が主に危害を加え様とする者には、死有るのみ」


 その時に名付けた名前が『サスケ』だ。


 「サスケ・・・」  


 サスケはボクの体に纏わり付くとその体でボクを守る。闇の鎧。


 「殺すと言ったんだ、殺される覚悟くらい有るんだろ?」 


 恐怖で声が上擦っらなかった自分を褒めてやりたい。


最後まで読んでくれてありがとうございます。

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作者が喜びます。



一応一章が終わった『アストラル・ライフ』も、よろしければ読んでやって下さい。


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