表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

46/47

後日談2

最後まで読んでくださると幸いです。


「いいですかアルトさん、次はありませんからね」

「……はい」


 場所はイゴール邸。

 レイブンとクーインに騙された後、俺はその場で正座し、腕を組み仁王立ち姿から睨んでくるサリーに説教を受けた。


 パーティ会場はガラガラだ。

 ホームパーティというのは俺を呼ぶためだけの口実だったのだろう。


 ……くそ、あの野郎ども。絶対許さない。

 俺をはめた恨みいつか晴らしてやる。


 それにしても本当に大変であった。

 

 3時間かけて弁明の結果やっと納得してもらえた。

 本当に長かった。もう絶対浮気まがいなことはしない。

 いや、別に浮気してないんだけども。

 

 こんなの命がいくつあっても足らない。


「……はぁ、本当に反省しているんですね」

「もちろんです」

「……そんなに怯えるなんて……どちらが悪いのかわからなくてなりますね」


 サリーはため息をつき組んでいた腕を解く。

 とりあえず怒りを鎮めてくれたらしく、笑顔で微笑みかけてくる。

 

「もう立ってもいいですよ」

「……いや、それはできない」

「……もう怒っておりませんから……ね」

「いやぁ……そういうわけでは」

「どうされたんですか?」


 違うんです。

 俺、3時間くらいずっと正座してたんです。

 あまりかっこ悪いところ見せたくないけど……背に腹は変えられない。


「サリーお願いがある……足痺れて立てないから立たせて」

「……ああ、そういうことですか」


 どこか納得した表情をするサリー。

 サリーはその場で何か考え事を始める。

 ……あのぉ、早く立たせてくれません?それと何考えているんですかね?


 10秒くらいたっただろうか?

 サリーは何かを思いついたのか、両手をパンと音を鳴らして話し始める。


「確かこの前えーと……お約束?……というのをモーインから聞いたんです」

「……ごめん、嫌な予感しかしないんだけど」


 モーイン、一体何をサリーに吹き込みやがった?

 もう余計なこと言うのやめて欲しいんだけど……なんか嫌な予感しかしない。


「確か、こういうときは、足の裏をツンとするのが良いと」

「あのさ、本当に洒落にならないんだけど……やめて欲しいなぁ」

「うふふふ」

「お……お願いだから笑顔でゆっくりこっち来るのやめてくれない?なんで人差し指立ててんの?」


 サリーはドスン、ドスンとゆっくり俺の後ろに回ろうとする。

 やばい、どうにかやめさせなきゃ。

 俺はその場で暴れてどうにか逃げようとする……が。


「あ……イッたぁぁぁい!」


 まじで痛い。

 俺はその場で前に倒れてしまう。その衝撃で痺れていた足に電撃が走る。


「ツン……ツン……」

「痛い!痛い!…まじで!」


 だが、地面にうつ伏せになりながらもサリーはその場にしゃがみ、指を突いてくる。

 まじでやめて!痛い!


「うふふ、アルトさんって面白いですね。そこがあなたの魅力でも、ありますけどね」

「悪魔かよ」

「……なにか?」


 やばい、つい無意識に本音が。


「いた!お願いだからやめて!」

「……」


 だが、気がついたら時すでに遅し、サリーは再び無言で突き始める。

 痛いと叫ぶもサリーはやめてもらえなかった。





 今日色々あったが、いくつかわかったことがある。

 おそらくサリーは少しドSがあるかもしれない。そして、俺はサリーにやられるも何故か心の底から嫌だとは思わなかった。


 これもスキンシップの一種なのか、それとも俺ってもしかしてドM……いや、そんなはずはない。


 俺はノーマルだ。ノーマルのはずだ。痛みで喜ぶ変態じゃない!

 

 結局この日は最終的に俺の足の痺れがなくなり、夕食を食べて解散した。

 一応、夕食は用意していてくれたらしい。

 

 俺とサリーは二人夕食を食べて解散となった。

 本当に屋敷の職員さんたちが可哀想だった。

 ……俺たちのせいで何時間待たされたのやら。


 俺は心からの感謝とレイブンに今日出勤していた使用人の人たちに休日と特別給与(俺のポケットマネーから)を渡すように一言伝えた


 







 馬車を使ってクイズ家の屋敷にサリーを送り届ける。

 エスコートをしながら門の前に。


「サリー……今度デートしようか」


 そういえばまだ一回もしていなかった。買い物に何回か行ったが、それはモーインが一緒にいた。 

 二人きりと言うのは一度もしていない。

 

「……はい」


 サリーは顔を少し赤くして……嬉しそうにそう一言返してくれた。


 

最後まで読んでくださりありがとうございました。



もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら差支えなければブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


評価ポイントは作者のモチベーションになります。


よろしくお願いいたします。




ーーーーー

短編投稿しました。

暇つぶしによろしければ。


https://ncode.syosetu.com/n0061id/

「只今、悪役令嬢攻略中です。なお、最近ではツッコミ役にシフトチェンジの兆しあり。……たまに見せるデレが最高です。」

日間 異世界転移 恋愛 37位




「結成!乙女ゲー国外追放同盟~逆行したコソ泥モブと前世持ちの悪役令嬢が結託、逆ハー阻止に奮闘す〜」


https://ncode.syosetu.com/n3409id/


日間 異世界転移 恋愛 48位


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ