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 俺は推薦入試、筆記試験のみの為、すぐに試験終了。

 終了後は下見も兼ねて学園内を散策している。

 見つかったら注意されるかもしれないが、迷ってしまいましたと言えば平気のはず……多分。

 学園を見てまわった感想はやはりすごいの一言に尽きる。

 校外は全て芝生又はレンガの道、学園は規模が広すぎる為、こんなに綺麗に管理し続けるのは困難と思い、汚れや破損部分ないかなと興味本位で探してみたが一切なかった。

 なんでこんなに綺麗なのだろうと思ったが、ここはファンタジー世界。

 魔法で管理されているのだろう。


 学園内の雰囲気の西洋風。

 床は赤のカーペットに金や銀の刺繍が模様のように所々あり、壁面、天井は建物の外面と同じように白一色。

 天井に何故か光の玉が浮かんでいるが、これも魔法か。

 まー当たり前かと思ったが、校内の壁面、天井にもシミひとつない。

 魔法ってほんとすげーなまじで……。

 心の中ですら棒読みで感想を抱くくらい魔法規模のデカさに驚いた。

 さて、次はどこに回ろうか?


「君はここで何をしている?」

「え?」


 考え事をしていると後ろから声をかけられた。

 俺はすぐに振り向き確認するとそこには高身長で赤髪、碧眼のイケメンがいた。 

 ………この特徴主人公なんだけど。

 どうしよう、関わりたくない。

 でも、とりあえず俺がここにいる予め用意していた理由を言わなければ。


「すいません。試験が終わった後少し歩いていたら迷ってしまいまして……」

「実技試験を受けていないと言うことは、君は推薦入学なのか?」

「はい」


 俺がそう答えると赤髪の青年は考える仕草をし、数秒考えたら話し始める。


「学生でもない人間がここにいるのはまずいだろう、すぐに退散した方が良いと私は思うが?」

「………おっしゃる通りです。本当にすいませんでした。失礼します」


 注意を促してくるということは学校の関係者みたいだ。どうやら原作主人公ではなかったらしい。

 ゲームの主要キャラにこんなキャラいたっけ?

 まぁ、とにかく親切そうな人でよかった。

 俺は即座に撤退しようとする。

 しかし先輩が声をかけてきた。


「私も一緒に行っても良いだろうか?用事が終わって帰るところでな」

「わかりました。でも、実は友人と待ち合わせしていまして……校門前で良いんでしたら……」

「それで良い」

「では行きましょう」


 俺はあぶねーと思いつつ、先輩らしき人と校門の方へ向かった。

 今日は入試の為、一般生徒はいない。

 先輩は用事が済んだと言っていたので、生徒会か何かの組織に所属している人物かもしれない。

 それと先輩は、何故か嬉しそうな表情をしている。

 なんかいいことあったのかな?

 俺は疑問に思いつつも、先輩と共に校門は向かった。






 俺と先輩は校門に到着するまで会話はなく、そのまま歩いて行った。

 理由は先輩が何も言わずに俺の後について来ていて、俺自身も何を話せば良いかわからなかったためだ。

 何か話さなくてはと思いつつも何も話題が浮かばない。

 ………あ!この学園のことを聞けばいいのか。

 俺はそう思い先輩に話しかけようとすると。


「君は確か迷子になったと言っていたと私は記憶しているが」

「あ………」

「やはりか……」


 気づいたら遅かった。

 やっちまったよ、早く撤退したい一心で行動していたせいで迷子設定忘れてた。 

 先輩は俺の反応を見て、呆れる…ではなくどこか何かを見定めるような、そんな表情をしていた。

 え?なんでそんな表情してんの?

 でも今はそんなことどうでも良い。早く謝罪せねば!

 これで推薦取り消しになったらシャレにならん。


「申し訳ありません試験が終わった後、どうしても学園を少し歩きたいと思ってしまいまして………あの、先輩?」

「……先輩?君はもしかして私のことを知らないのか?」

「はい」


 俺が謝罪するも、何も反応がなかった。

 少し間を開けて読んでみると「先輩」と言う言葉に疑問を持つ。

 もしかして俺勘違いでたのかな?


「推薦入学と聞いたから貴族の子息かと思ったが、君は平民なのか?」

「いいえ、貴族です。私はクロスフォード子爵家嫡男、アルトと申します」

「クロスフォード子爵家?確かその家の子息は病弱だと聞いていたが………」

「……すいません。事情がありまして」


 俺がそう言うと、赤髪のイケメンは少し考え話し始める。


「いや、他家の事情に口出しはしないよ。それにしてもそうか、なら知らなくて当然か」  


 そう言い、何処か納得したような雰囲気になる。そしてそのまま話を続ける。


「さっきから態度が少し変と思っていたが……なるほど、私を先輩と勘違いしていた訳だな」

「あの……」 


 赤髪の青年は自己解決してしまっているため、俺は彼が言っていることが理解できず、またなんと声をかければわからない。

 俺は何も言えない為、赤髪の青年が話すのを待つ。


「実を言うと私も推薦入学なんだ」

「あ、そうなんだ。これからよろしく!」


 何だ、同級生だったのか。

 大人びていていた為、少し勘違いをしてしまった。

 俺はこれから同級生になる友達候補の彼に話しかけようとしたが、次の言葉を聞いた瞬間、焦りが絶頂になった。


「失礼、名乗っていなかったな。私はレイブン=イゴール。イゴール伯爵家の嫡子だ」





 主人公じゃん……。

読んでいただきありがとうございます。

次回は明日投稿します。


もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら差支えなければブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


評価ポイントはモチベーションになります。


よろしくお願いいたします。


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