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ドラゴン、新たな出会い

 オレは今、畑に立っていた。

 というのも、依頼を受けたのである。野菜の収穫を手伝ってくれというものだ。

 ギルマス曰く美味しい野菜を食べれる、貰える可能性があるから人気らしい。オレはキャベツの収穫にきていた。


「旦那ァ! 虫食い集めておきやしたぜ!」

「こっちは腐りだぁ! くっせぇ!」


 男性冒険者と一緒に収穫していた。

 ふむふむ、オレは野菜というのは食べたことないな。肉に選ばれしオレだから肉以外を食べるのはウワキなのだ。許されることではない。

 

「ヘヴンさん、どしただ? キャベツ気になるか? なら待つだ。生も美味しいが茹でるとさらに甘味が増すんだべ」


 と、旦那が急いでかけていく。もってきたのは鍋と鍋を置く平らな石。

 旦那は魔法を唱え鍋に水を汲む。


「どっちか火の魔法使えねえべか」

「俺使えるぜ! ファイア!」


 鍋の下に火が灯る。

 ぐつぐつと水が熱せられる。そこに剥がしたキャベツ一枚をいれ、また一枚入れる。

 キャベツの皮がゆられている。旦那は箸でキャベツの皮をすくい手渡してきた。


「あっつ!」


 オレはぱくりと口にいれる。


「あまっ!」

「だべー? うちのキャベツは熱すると甘くなんだぁ。うちのキャベツが特別でよぉ、生でもじゅーぶんあめーけどな」

「肉しか食ってこなかったが野菜もいいな。何枚でもいけそうだ」

「だべだべ。今年はヘヴンドラゴンが近くにいるおかげで害獣も例年より少ないし感謝しかないべー。ヘヴンドラゴンのところに供えにいくだな」


 この甘さは美味いな。ただ熱を加えただけでこんな甘くなるとは野菜って不思議だな。

 口の中には甘さがまだ残ってる…。


「あんた幸せそうに食うなぁ」

「幸せだからな。食事はどの生物も関係なく幸福であるものだからな」


 食事はどの生物にも与えられた特権だ。

 腹が減らない生物はいない。みんなみんなお腹が空く。ドラゴンのオレも、人間も。

 だからこそお腹を満たすのだ。


「それにしてもあんたらの働きいいなぁ。もう大半終わっちまった。去年きたやつは夕方までかかったっちゅーに」

「それはヘヴンが底無しの体力だったからな」

「まだまだ体力はあるぞ。この程度で疲れん」


 足をドラゴンに戻して不安定な畑でも十分走れるようになったからオレのドラゴンの爪で切ってカゴに入れまくっただけなんだけどな。

 オレレベルになると衝撃波も飛ばせるのよ。フフフ。


「ほれ、まずは依頼料だべ」

「いや、いらねえ。その金でキャベツを買うぜ。いつもそうしてるんだ俺は」

「そうか? ならよっこいせっと」


 と鉄籠二つを目の前に置いた。


「これが依頼料分、だべ! それでオマケしてやるだね」


 キャベツをポンポン乗せていく。

 山盛りに積まれていた。


「でかいから量に見合わねえ数だべ。もってけ!」

「ありがとな! これでサラダとか作るんだ」

「おう。サラダから付け合わせまでキャベツは万能だべ」

「俺は依頼料頂きます」

「おう。あとキャベツほい」

「オレキャベツでいい。金に困ってねーしキャベツってもん知りたかっただけだからな!」


 オレはキャベツを受け取った。

 持ってきていたリヤカーに詰む。オレはリヤカーを引っ張っていくのだった。

 ふっふっふっ。オヤツにしよう。植物も美味しいやつがあるんだな。森に生えてるのは全部まずいから知らなかったよ。


 オレは帰り道もぽりぽりキャベツをかじりながら帰る。

 終わったことを報告しなきゃ行けないのでギルドに戻るがこんな美味いの盗まれるだろうな。人間はセコイし。


 まず森に寄ってオレの匂いでも付けておこう。そうしたらオレのもんだから野生の動物も魔物も手出しできなくなるしな。

 それにオレも森でキャベツの栽培を…。いや、アレはプロの味だからな。初めてじゃダメだ。下調べしてやらないと。


 オレはきちんと考えるのです。









 オレはキャベツをかじりながら報告を済ませる。


「ヘヴンさん…。いくつキャベツの葉を…」

「たくさん。美味いからな」


 ぽりぽりぽりぽりと食べながら書くものを書き、書き終えて今度は図書館に向かう。


 ファロファラル王国営図書館。

 ファロファラルで出版された本すべてを扱っており、役人の許可なしでは見られない魔導書や禁書なども置かれているらしい。貴族も利用するらしく、貴族のための部屋も用意されているという。


「農業の本はどこにある?」

「農業の本はあちらに」


 オレはそんな魔導書とかではなく、ただの農業について調べにきた。

 やり方がわからないからな。何事も勉強してからというのがいい。オレは賢いドラゴンだからすぐに理解する。


「ヘヴンさん、農業の本を見てるんですね!」

「おわぁ!? アリィ!? オレの不意をつくとはやるな!」

「薬草栽培に興味が湧いたんでしょう? いいでしょう。あなたの爪は畑を耕すのにピッタリだと思ってたのです。薬草栽培は難しいんです。共に協力しましょう!」

「…いやだよ。てか違えし。オレはただの農業のことを知りに来たんだよ」

「照れなくてもいいんですよ?」

「照れてねえ」


 こいつ相変わらず頭おかしいな。

 なんか、やる気失せたこいつと出会って…。



















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アンダーワールドクロニクル
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
[良い点] アリィは、薬草に関しては右に出る者は居ない程薬草に詳しいよね。 何で冒険者やってるんだろう。 薬草博士にでもなって、薬草についての本でも書いたら良いのに。
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