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作品集  作者: 狭凪
マスカレマシニカ
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マスカレマシニカ

 レプル公国のセクター8に位置するガクライ鉱山と呼ばれる場所の切り出された場所から伸びる坑道内に、カツンカツンとツルハシが岩を叩く音が反響し耳の奥にまで響き、カンテラの光に照らされたツルハシによって露出しだす鉱石を背負った籠に詰めていく。繰り返される行動により段々と籠から背中にかかる重量が増えていくがこれが日々の飯の種になっていくためツルハシは振るわれ続ける。

 レプル公国が存在するこの地域、いや世界は文明が一度滅んだと歴史で語られている。だが生まれた頃から知っている人達にとってみれば、現在の造られた街並みからは滅んだとは考えられなく、それはおとぎ話か何かのように遠い事のように皆が思っている。だが、地下に埋まった鉄骨で出来た塔や青銅の像がそこに文明があったと示している。確りとした証拠である。

 そしていま採掘しているこの場所もかつて廃鉱であった場所なのだが、鉱石が全盛期ばりに採れ始めている。なにが原因なのかは判明していないが、掘り出された石の中に紛れて淡く光を出している鉱石が世間では原因だと考えられている。


「よお! リブ。もう上がりか?」

「あ、親方。今回は欠片だけどブルームアースが出ましたから、換金してから上がろうかと」


 ブルームアースと名付けられたこの物質は純粋なエネルギーが鉱石になっている。手のひら大の大きさ一つで家1件賄えるほどで、旧文明との最大で最小の違いがこのブルームアースであり、様々なエネルギーに変化させることができる特性を持ったこの鉱石によって発展してきた。

 籠が満タンになったようで人が二人ほど通れる坑道から出た。外は広大な空間になっており、せわしなく動く人や人に近い形をした機械が三台ほど稼働していた。


「そうか。運が良かったんだな。でだ、お前さんこいつをどう思うよ?」

「おや、もしかして最新型?」


 駆動音を鳴らしながら近づいてきた黒い体躯の二足二腕の大型機械。そのボディを窓から出した手で叩く親方と。ピカピカに光ったボディは少し砂汚れが付いているが新しいものだとわかる。最新型のマスカレイダーを購入したみたいで自慢げにしている。



「おうよ! ようやく新型を導入出来たってわけだ!」

「燃費が良くなったって話ですよね」

「多少良くなったってだけだがな。この白銀のカラーがお気に入りよ!」


 坑道内でボディカラーは土や跳ねる石で傷つくから意味無いけど親方が気にしないのなら言うことはない。思う存分自慢をした親方がマスカレイダーを操り坑道に向かって歩いていく。

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