転生後の能力は残機と位階の書でした
享年二十歳。
それが俺の人生だった。簡単に言えば自業自得。不摂生に万年寝不足、不注意による不注意で感電死。やっぱり家電製品の修理は毛が生えたトーシロには無理だったか。コンセントが繋がった状態で開けてしまったことが不味かった。一発ツモって役満昇天。
でもってなんか白い体育館くらいの場所にいた。真っ白と言うより素材と使う色が白い感じだ。そのなかに卒業式みたいな状態で俺の他に様々な色の影がパイプ椅子に座っている。端から壇上に上がり置かれた箱から何かを取り降りるとその姿が消えている。なんだろう、輪廻転生の準備段階なんだろうか。
赤とか黒とか最大六色? 影の色に意味はあるんだろうか? 俺の色は黄色かな? 若干色味が薄めだからレモン色に近いか。
そんで今俺の番の前の泥色の奴がなんか話し掛けてきたがよき聞き取れないので適当に相づちを打っていたらなんか喜ばれた。んでいきなり体に腕を突っ込んでかき回したと思ったら腕を抜いて壇上に上がっていった。
上がっていったと言うことは次は俺の番であり、箱に手を入れると感触は紙のようで引き抜くと『位階の書』と書いてあった。たぶんこれで終わりだろうがこの紙みたいのはなんだろう? 来世はファンタジー系に生まれ変わるのだろうか。と考えながら壇上から降りる際に気付いた。
引いた紙、二枚重ねになってるやん?
なんか慌てたような幻聴が聞こえたが、ほっていて二枚目を確認すると『残機』とある。意味がわからない。と言っても輪廻が回るんなら覚えててもしょうがないと考えるのをやめただけだ。そして壇上から降りきるとふっと意識が消えた。