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異世界転生したらヒロインや仲間が最強すぎて、なぜか護られています!  作者: 緑青白桃漠
第6章 久しぶりの学園生活とカルベル王国の反乱部隊!
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#79 二人だけの時間と飛行練習

お待たせしました。第79話公開です。今日は三人が授業受ける中、レン君はファングに連れられてどこかに行くみたいですよ(≧∇≦)b

 太陽がギンギンと照りつける青空の中、レンはファングに引っ張られて、リズワール王国周辺にある森の中を何故か歩いていた。


「何で朝から、ファングの秘密基地を見るんだよ」


 今日からレオスは学園で授業を受けるので、レンが見送っている所をファングに取り押さえられていた。


「良いだろう。三人がいない時が一番良いんだよ。特にアリスが見たら色々言われるだろう?」


 アリスはファングに対してガツンと本音を言うので、あまり好きでは無かった。


「アリスに見つかったら殺されるよ。僕が居ない事が分かったら」

「何でいちいちアリスがいる、前提何だよ。今日はレイスも居ないから、ホッとしているぜ」


 レイスもアリスとレオス同様に、今日から授業が再開していた。


「そうなら良いけど、アリスに何を言われても僕は助けないからね」

「大丈夫だぜ。どうせ直ぐに授業が終わったりしないだろう」


 ファングは三人の授業内容を知らないのに、かなり余裕な表情をしていた。


 アリスに殺されても、僕は知らないよ。それよりもリオスとテオは大丈夫かな? ついてくると思ったけど僕の部屋で待機するなんて?


 出発する前にリオスとテオに声を掛けたが、二人はレンが寝ているベッドで寝ると言って、学生寮で居残りしていた。


「レン、どうかしたのか?」


 ファングを見ながら、何か考えている様子だったので声を掛けていた。


「いや、リオスとテオが心配で! ついてくると思っていたから」

「確かに、意外と真面目だよな。てか、レンに懐いているよな? 別にレンが呼べば来るんだから」


 リオスとテオは、召喚契約で繋がっているので、召喚獣を呼び出す方法を使えば、簡単に二人を移動させる事は可能である。


「それはそうだけど、騒ぎにならないか心配だよ。お昼は召喚契約で呼べば良いけど、それまで何も起こらないとは限らないよ」


 レンはリオスとテオをかなり気にしている。


「まぁ、召喚契約って言っても、空間移動だしな。あの二人、本当に帰る気ないよな。元の場所に帰らないし、もう学生寮のレンの部屋が居場所になっているよな」

「そうだね。リオスとテオは転移場所を変えたかもね。多分学生寮の僕の部屋に‥‥‥」


 レンは諦め気味に、ファングに嘆いていた。


「まぁ、そんな事はどうでも良いからな。ほら着いたぜ。俺の秘密基地だぜ」


 ファングは勢い良く指さすと、小さな小屋が見えていた。


「へぇ、あれがファングが生活している場所何だ! 意外と普通の小屋だね」

「お前、オンボロみたいな小屋を想像していただろう?」


 ファングが指摘すると、レンは目を逸らしていた。


「さて、小屋を見たから帰ろうか」

「おい、目を逸らしながら簡単に帰ろうとするな」


 帰ろうとするレンを、ガッチリ手で捕まえていた。


「小屋何か見て、僕に何の特があるの?」


 ファングの自慢に付き合わされているので、レンはさっさと帰りたい様子だった。


「折角来たんだから、小屋で少し休めよ。それに渡したい物もあるしな」

「渡したい物?」

「お前、もう忘れたのかよ。なら、早く小屋に来いよ」


 ファングに引っ張られて、小屋に着くと、中に案内されて床に座っていた。


「やっぱり中は物置なんだね?」


 小屋の中はファングが修行で使っていたと思われる、道具がたくさん置かれている。


「物置じゃない! これは俺の道具や武器を管理する所だ!」

「物置と変わらないと思うけど?」


 ファングは腑に落ちない様子だったけど、棚から一本の剣を取ると、レンに渡していた。


「ほら、お前の剣だよ」

「えっ、もう出来たの?」


 ファングから剣を渡されると、鞘から剣を抜いて眺めていた。


「凄いよ。前より更に軽くなった気がするよ」


 剣を掴むと素振りをして、剣の感覚を確認している。


「当たり前だ。俺が一生懸命、作ったからな」

「そうなんだ、特に変わった部分はないね」


 剣を見ながら、話していた。


「お前、相変わらず信用しないんだな! 見た目は分からないけど、その剣は特殊な加工をしてあるからな」

「えっ、特殊な加工したの? 何か恐いな」


 剣を見ながら、若干引き気味になっている。


「別に変な事はしてないよ。錆びない加工と、俺の力を一部宿してあるだけだよ」

「ファングの力ねぇ。何かこの剣で斬るとファングの余分になるとか?」


 レンは適当に想像して、答えていると、ファングの表情が曇り始めていた。


「ドッキ!」

「ドッキって何? まさか‥‥‥」

「アハハッ、魔力吸収機能だけ付けて置いたよ。全て俺に流れるように細工してあるけどな」

「これ、完全に呪いの剣だよね」


 フォレストの力が剣に宿されて、レンは頭を痛めていた

「どうやって機能を付けたか知らないけど、とりあえず受け取って置くよ」


 機能に付いてこれ以上聞くと、何か嫌な予感がするので、これ以上聞かないようにした。


「ありがとうレン、その剣でたくさん斬って、俺とカイトを魔力で満たしてよ」

「アハハッ、それ冗談だよね」

「一部は冗談だけど、少しは魔力をくれよな」

「くれよなって、この剣で斬れば魔力吸収になるでしょう」

「アハハッ、それもそうだな」


 レンは掴んでいた剣を鞘に戻すと、レンは外に出ようとしていた。


「お前、どんだけ帰りたいんだよ」

「もう、充分見たから大丈夫だよ。ファングが作った剣もくれたからね」

「そうかよ。なら、少し俺の特訓に付き合えよ。ほら、お前用の木剣だよ」

「えっ、ここまで来て、特訓するの?」


 ファングに強引に纏められて、うな垂れながら直ぐ近くの広い場所に移動していた。レンはファングから渡された木剣を持つと、嫌な表情で付き合っていた。


「相変わらず、嫌な表情するよな」


 レンは嫌な表情は見せているが、真剣にファングと打ち合いをしている。


「どうせ帰っても、夕方までは居るつもりでしょう?」

「当たり前だ。夕方までは俺がしっかり護ってやるからな」

「はいはいそうですか、僕を護っても得はないと思うけど」


 ファングとの打ち合いは約一時間程度続いた。


「ねぇ、もう良いよね」

「そうだな。なら小屋に戻って食事にするか!」


 ファングは一人、先に小屋に入っていくと、鍋を持って戻ってきた。


「鍋何か持ってきて、何をするの?」

「何って、ここで料理を作るんだよ」


 ファングは鉄の棒などで鍋を固定させると、フォレストの空間から、水や食料などを取り出して料理を始めていた。


「さて、料理が出来るまで、少し話そうぜ」


 ファングが薪に火を付けると、レンに話し始めていた。


「話って言っても、特にないけど?」

「俺はたくさんあるぜ」

「ファングは僕といると、本音がダダ漏れだからね」

「うるさいな。こうして二人の時間帯が俺の安らぎなんだよ」


 その後も一方的に、ファングのペースで話を進められていた。


「さて、出来たかな? ほら食べなよ」

「その前にリオスとテオを呼ぶね」

「えっ、あいつらをここに来させるのか?」

「仕方ないよ。今頃お腹を空かしているはずだから」


 ファングは嫌な表情を見せたが、レンは二人を呼びしていた。


〈レン、僕達を呼んだ〉

〈レン、お腹空いた!〉

「そうだね。お昼にしようか、だけどあんまりないから、たくさん食べるのダメだからね」

〈はい、分かったよレン!〉


 リオスとテオに作った料理を手渡すと、美味しそうに食べていた。


「こうして見ると、人間と変わらないよな」


 リオスとテオを見ながら、レンに質問している。


「まぁ、見た目は人間と変わらないけど、中身は龍だよね。普通に牙みたいなのが、見えたから」


 リオスとテオを観察しながら、気付いた事をファングに話していた。


「レンは相変わらず、細かい所に気付くよな?」


 レンの観察力に、常々驚いていた。


〈レン、おかわり〉

〈俺もおかわりしたい〉

「お前ら、あんまり作ってないんだぞ」

「まぁまぁファング、僕は充分だから後は二人にあげてよ」


 ファングは額に手を当てながら、リオスとテオに残りを与えていた。


〈あぁ、美味しかった〉

〈兄さん、俺満足だよ〉


 リオスとテオは満面の笑顔をしていた。


「結局、全部食べやがった。まるでレイスだな」

「アハハッ、レイスが聞いたら泣くよ」


 リオスとテオを見ながら、話していた。それから軽く食休みをした後、レンは立ち上がった。


「それじゃ、リオス、テオ、練習を始めようか」


 レンがリオスとテオに声を掛けると、二人はポカンとした表情をしていた。


〈レン、練習って何?〉

「何って、飛行練習だよ。さぁ龍になってよ」


 レンは目を輝かせながら、リオスとテオに言っていた。


〈兄さん、どうするの? レンの目がキラキラしているぜ〉

〈はぁ、仕方ない。テオ、本来の姿になろうか!〉

〈うん分かったぜ。レンをビックリさせよぜ〉


 リオスとテオは頷くと、黒い光に包まれていた。


「やっと龍に乗れる!」

「レンがはしゃいでいる! でも何か様子変じゃないか?」


 レンがワクワクしている傍で、ファングは違和感を感じていたが、二人の黒い光が消えると、巨大な双頭の黒竜が目の前にいた。


「うぁ、ドラゴンだぁ!」

「確かにドラゴンだけど、前に見た姿と違うだろう? 何だよ。頭が二つあるぜ」


 ファングはレンに忠告していたが、レンは聞く様子がなく、双頭の黒竜に近付いて、撫でていた。


「これが二人の本来の姿何でしょう? 前に言いかけていたよね」

「確かに言っていた気がするけど、それじゃ前に見た姿は何なんだよ」


 授業中では、二体の黒竜になっていたので、リオスとテオに聞いていた。


〈あれは、もう一つの姿だよ。あの姿だと、僕とテオは力が半分になるんだよ〉

「何か俺とカイトみたいだな」


 フォレストと似ている部分があるので、ファングがかなり興味を惹いていた。


「ファング、リオスとテオをフォレストみたいに見ないでよ」

「えっ、体の作りとか気になるだろう? 教えろリオス、テオ」


 レンは嫌な表情をしているが、ファングはリオスとテオに聞いている。


〈僕とテオは生まれた時からこの姿だよ。もちろん体は共有し合っているから、食べた物は特殊な空間で管理されているけど、それ以上の事は知らないよ〉

〈因みに、レンとファングが授業中で見たのは、俺と兄さんの力を半分にした姿だからな。あの姿だって体は共有しているから、食べた物は兄さんにも伝わるぜ。まぁ特殊な空間で消化されているみたいけど、俺と兄さんは気にしないな。これが普通だと思っていたから〉


 リオスとテオが詳しく、教えてくれたのでファングが罪悪感になっていた。


「何か、変な事を聞いて悪かったな。ちょっと興味があっただけなのに、色々話をさせてしまって」

「ファング、余りリオスとテオを悩ませないでよ」


 レンがファングに注意すると、ファングはリオスとテオに誤っていた。レンはリオスとテオの体を撫でると、背中に乗って、色々確認をしていた。


「うぁ、凄い広い。やっぱり体が大きいから、何人か乗れるね」


 リオスとテオ(双頭の黒竜)の背中はかなり広く、数人を乗せられる状態だった。


「分離した姿も十分広いけど、こっちの方が格段に広いな」


 ファングが当たり前の事を良いながら、頷いていた。レンとファングは一通り問題点を確認すると、一旦リオスとテオ(双頭の黒竜)の背中から降りていた。


「さて、問題点は後で考えるから、ファングは万が一の時、僕を受け止めてね」

「お前、万が一落下した時に、フォレストの中に入れるとか考えてないか?」

「うん、考えているよ」

「お前、俺を便利な道具としか見てないだろう? だから魔王になるんだよ、グッフ」


 ファングが余計な一言で、レンから強烈なパンチを喰らっていた。


「ファング、僕は魔王じゃないよ。なら、契約破棄しようか?」


 魔王と言うので、レンがファングを揺さぶっていた。


「ちょっと待って、契約破棄は辞めてよ。そんなことをされたら俺は生きていけないよ」

「嫌、別の契約者探せば良いよね」

「レンじゃないとダメなんだよ」


 ファングが泣きついて来るので、レンがキレていた。


「あぁ、うるさい。なら僕の命令に従って、ごにょごにょ」


 レンはファングに耳打ちしていた。


「レン、やめてうぁ!」


 ファングはレンに命令されて、目が光るとフォレストの姿になって、レンの傍で浮いていた。


「さて、フォレスト、僕の為に頑張ってね。それじゃ、配置に付いて」

「‥‥‥分かった、俺はここでレンを見ている」


 レンに命令されたフォレストは、完全に言いなりになって、操られていた。


 ごめんファング、カイト、暫く僕の楽しみの為に頑張ってね。


 レンに命令されたフォレストは、姿を消して黒竜の近くに待機していた。レンはリオスとテオの背中に再び乗ると、命令をしている。


「それじゃ、リオス、テオ、君達の飛行を見せてよ」


 リオスとテオ(双頭の黒竜)の背中から声を掛けている。


〈良いぜレン、俺と兄さんの力を見せやるぜ〉

〈テオ、張り切るのは良いけど、レンがいるんだからね〉


 テオは今にも飛びたくて、ウズウズしている。


〈大丈夫! 久しぶりに飛行するから楽しみだぜ〉

〈ごめんレン、テオが気合い入って、体は基本的にテオに渡しているから、少し荒っぽい飛行になるかも〉


 体は基本的にテオが動かして、人前で喋るのはリオスが担当している。


「へぇ、テオは体を動かすのが好きなんだね。その代わり人前だと、引っ込み思案の所があるから、そこはリオスが担当しているんだ」

〈まぁ、そうなるかな、アハハッ。テオも人前で話せると良いんだけど、多分無理だね〉


 テオは信用出来る人以外は、リオスの影に隠れるので、直すのは難しいと考えていた。


「まぁ、そこは兄弟でやり繰りしているから、良いんじゃないかな? 兄弟愛が伝わるよ」

〈ありがとうレン、それじゃ軽く飛行しようか、テオ、レンがいるから加減しなよ〉

〈分かっているぜ兄さん、レン、俺か兄さんの首にしっかり掴まれよ。それじゃ行くぜ〉

「やっと空を飛べるんだ!」


 レンは目をキラキラさせながら、リオスの首にしがみ付くと、双頭の黒竜は大きな羽を動かして、空を飛び始めていた。


「うぁ、凄いホントに飛んでいるよ」

〈レン、ドラゴン何だから当たり前だよ。それよりも、手だけは絶対に放さないでね〉


 レンは双頭の黒竜の背中から、空の景色を眺めていた。


「ねぇ、もう少し速く飛べるの?」

〈えっ、速く飛べるけど、このくらいで良いよね〉

〈レン、もっと速く飛んでやるぜ〉

〈テオ、ちょっと待って〉


 リオスはテオを止めようとしたが、飛行の速度が急に上がり、一回転していた。


〈ヤッホー、レン気持ち良いだろう?〉


 テオがレンに聞いていたけど、返事が返って来なかった。


〈レン、聞こえているよな〉


 テオがレンに確認している傍で、リオスが震えていた。


〈テオ、急いで下降して〉

〈兄さん、どうしたの、そんなに震えて〉

〈レンが、落ちた。今の一回転で〉

〈えっ、まさか‥‥‥()()!〉


 リオスの言葉を聞いて、我に返ったテオが慌てていた。


 はぁ、まさか一回転で落ちるなんて、アハハッ。


 レンは地面に向かって、落下していた。


 リオスとテオが気付いたみたいだけど、間に合わないな。しかも、慌てて混乱しているよ。


 リオスとテオは必死に落下した所を探していた。


 あっ、気付いたけど、無理だな。仕方ないな、保険を使うか。


 レンは落下しながら、手で合図すると地面に付く前に、フォレストが現れて、体内に吸い込まれていた。更に、リオスとテオもレンの後を追う形で、フォレストの中に入った。フォレストは、レンと双頭の黒竜が体内に入った事を確認すると、ファングの姿になって、近くの木に寄りかかる形で、眠った姿を取っていた。


「フゥ、何とか生還」


 レンは着地したみたいな姿を見せていた。


「何とか生還じゃないだろう?」


 命令して待機していた、ファングが怒っていた。


「えっ、ファングが助けることは想定内だよね」

「お前だけだよ、あれを見ろよ。今にも泣きそうだぞ」


 ファングが指差すと、リオスとテオが人間の姿になって、泣きそうな表情で、レンを見ていた。


〈レン、ごめん。俺が一回転したから〉


 テオは震えながら、必死にレンに謝っていた。


〈レン、僕も謝るよ。テオはもっと反省しな〉


 レンが恐いのか、軽く謝ると直ぐにリオスの裏に隠れるので、リオスはテオを叱っていた。


〈兄さん、やめてよ。もうしなないから許して〉

〈なら、ちゃんとレンと向き合って反省しな〉

〈うっ、分かったよ兄さん。レン、ごめんホントにごめん。うぁ‥‥‥〉


 リオスに促されると、テオは大声で泣き崩れていた。


「テオ、泣かないの、落ちる事は想定内何だから、ねぇファング」

「あぁ、そうだな。俺は嫌だったけどな」

「ほら、ファングも言っているから泣かないの」


 テオは二人の会話を聞くと泣くのをやめていた。


〈ごめんレン、もうしなないから〉

「大丈夫だよ。怒らないから、リオス、テオを宜しく」

〈うん、分かったよ。テオ、おいで〉


 リオスが声を掛けると、テオは泣き崩れていた。それから、テオが落ち着くまでの間、久しぶりにカイトに会っていた。


「カイトは、普段フォレストの中で何をしているの?」


 カイトの生活が気になっていた。


「うーんそうだな。あんまりやる事ないから寝てるかな」

「お前は、一日それで良いのか?」


 ファングは頭を押さえながら、何かを思っていた。


「だってファングが体を貸してくれないから、やることが無いんだよ」

「いや、あるだろう。俺のサポートしろよ」

「えっ、面倒くさい事をさせないでよ」


 カイトがますます怠けていた。


「カイト、クレア姉さんに言ったら怒られるね」

「レン君、クレアには絶対に言わないでね。僕が優雅な生活をしていることは」


 カイトがレンを口止めしようとしているので、若干退いていた。


「とりあえずカイト、お前は少し働け、何なら俺がクレアに言ってやるぜ」

「ファング、クレアに言ったら殺すよ」

「なら、少しはサポートしろ」

「うっ、分かったよ。僕はファングだから、頑張るよ」

「なら、僕達は戻るよ」

「うん、また来てねレン君」


 カイトに声を掛けた後、リオスとテオを連れてフォレストの中から出ていた。


「さて、そろそろ帰ろうか」

「そうだな。リオスとテオは先に帰るんだろう?」


 ファングはリオスとテオが、召喚転移で戻るか確認している。


〈えっと、その‥‥‥レン、リベンジさせてくれないかな。今度はゆっくり飛行するから。テオも十分反省したから、リベンジしたいんだって〉

〈レン、もし良ければ、俺と兄さんが学生寮に運んであげるぜ〉


 リオスとテオの提案を聞いて、レンが悩んでいた。


「うーん、飛ぶのは魅力的だけど、街中だから目立つよね」


 レンは目立つ行動が、余り好きでは無かった。


「確実に目立つな。まぁ、黒竜は別の大陸では目撃されているから、そんなに騒がないと思うけどな」


 ファングはベリット先生が言っていた事を思い出して、レンに伝えている。


「いや、騒ぐよね。双頭の黒竜だから」


 レンは腕を組みながら悩んでいた。暫く考えていると、リオスが声を掛けていた。


〈大丈夫だよレン。レンが危惧しているのは僕とテオだよね〉

〈レンは俺と兄さんが、捕虜されるのを心配しているんだよな〉


 リオスとテオが心配そうに、レンに聞いていた。


「そうだね。双頭の黒竜は珍しいから、手に入れたい人がいるかもね。だけど、それは心配ないよね。契約印がある限り、僕が所有者だから、二人が奪われることはないよね?」


 契約印で結ばれている限り、レンが所有者なので、仮に他の人に渡った場合、リオスとテオの本来の力が覚醒することはない。


「お前、奪われたら大問題だぞ! 確かに、契約印で結ばれていれば、本来の力は出せないけど、二人が戻ってくる保障はないぜ」

「それは、二人が何とかするよ。契約印が封印されなければ、僕が呼んで転移させるから。二人なら契約印の封印を解除すると思うよ」


 レンは幾つかのパターンを想定していた。


「あぁ、その手があったな」


 ファングは何故か納得している。


「そうだね。話はズレているけど」

「お前が二人の質問に答えていたからだろう?」

「えっ、そうだっけアハハッ」


 レンは笑いで誤魔化していた。


「それで、話を戻すけど、僕が問題視しているのは目立つ事何だよ。目立つと色々と面倒くさいから」

〈えっ、目立つ理由でダメなの?〉


 単純過ぎる理由を聞いたテオが、俯いていていた。


「別に、ダメとは言ってないけど、あんまりね」


 テオが泣きそうな表情をしているので、レンは慌てて弁明している。


「レン、諦めな。もうここまで来たら仕方ないだろう?」


 学園の生徒達にはバレているから、無理だとファングに言われた。


「やっぱり無理?」

「多分、無理だな。いつかはバレるぜ」

「はぁ、分かったよ。リオス、テオ宜しく」


 バレるなら早い方が良いと考えたレンは、双頭の黒竜で学生寮に戻る事を決めた。


「それじゃ宜しく、リオス、テオ」

〈任せて、今度はゆっくり飛ぶから〉

「リオス、テオ、絶対に速く飛ぶなよ」

〈アハハッ、分かっているぜ、ファング〉


 リオスとテオの首を軽く撫でると、学生寮に向かって飛び立っていた。


「まさか、双頭の黒竜で学生寮に帰還するとか、どっかの英雄みたいだよね」


 レンはリオスとテオの背中で、色々と妄想している。


「レン、飛行中に妄想すると落ちるよ」

「はぁ、ファングはロマンがないよね? だからバカだって言われるんだよ」

「うるさいな。俺にはロマンがないよ」


 レンにバカ呼ばわりされて拗ねていた。


「相変わらず、僕といるとメンタル弱くない?」

「うるさい、レンといると俺はダメダメなんだよ」

「そうなんだ。悪いこと言ったね」


 ファングに軽く謝って、話を変えていた。


「ねぇ、リオスとテオは同じ歳なんだよね? どうやって兄と弟を決めたの?」


 素朴な疑問を、リオスとテオに聞いている。


〈そうだな。あの時は確か、テオが兄さんと呼んだんだよな〉

〈そうだぜ。僕と兄さんは生まれた時からこの姿だけど、自我は別々だったから、僕が最初に見た姿を兄と決めていたんだ。だけど、俺の正体が双頭の黒竜で、リオス兄さんと一体型だって事を初めて知ったのは、生まれてある程度成長した時だったよな〉

〈そうだね。自我が完全に芽生えるまでは、近くの存在だったからね。ある程度成長するまでは、僕とテオが双頭の黒竜だって知らなかったよ。ある程度大きくなるまで〉


 リオスとテオは過去の出来事を、話してくれた。


「そんな過去があったんだ」

「お前らも、色々あるんだな」

〈アハハッ、お世辞はやめてよね。もう過去は忘れたから、今は僕が兄で、テオが弟と決めているから宜しく〉

「分かったよ。二人が決めた事なら、それ以上言わないよ」


 リオスとテオの事を色々聞いていると、次第に街中に来ていた。レンとファングは、リオスとテオの会話を切り上げて、恐る恐る街中の方を見渡していた。


「何か注目を集めてない?」


 地上から多くの人達が、顔を上げて双頭の黒竜を見ていた。


「完全に目立ったな」


 街中では、黒竜が飛んでいる知らせが駆け巡り、多くの人達がお店や、家から出て、双頭の黒竜を見渡している。


「もう嫌!」

「諦めなレン! もう目立っちゃたな」


 レンはうな垂れながら、リオスとテオの背中を叩いていた。やがて、学生寮の近くに着くと、ベリット先生に捕まっていた。


「レン・フォワード、勝手に召喚獣を使うな。今、街中で大騒ぎだぞ」


 街中の騒ぎを聞いた生徒が連絡していので、ベリット先生はある程度事情を聞かされていた。


「アハハッ、そうですよね」

「そうですよね、じゃない。まさか双頭の黒竜だったとは。これだけでも凄い事何だぞ! レン・フォワード、召喚獣を使うのは構わないけど、余り目立つ行動はやめてくれ、今回は先生達が対応して、所有者がいる事は街中に伝えたけど、これが本当の奇襲なら一大事何だからな」

「はい、すみません」

「ファング・ドレッドも分かったな」

「分かりました。ベリット先生」


 レンとファングは、ベリット先生に謝っていた。


「なら、今回は始末書は無しにしてやる」

「えっ、良いんですか?」


 ベリット先生の言葉を聞いて、呆然としている。


「あぁ、良いぜ。その代わり、後日お前らの仲間を呼び出すからな。お前らに手伝って欲しい事があるから」


 ベリット先生が意味深な発言をしていた。


「えっ、僕達が手伝いですか?」

「そうだよ。ちょっと極秘任務を受けてもらう。お前らがクラーケン討伐をした実績を勝手な。それじゃ私は会議があるので失礼するよ」


 ベリット先生は、二人に伝言を言うと、学園の方に戻っていた。


「大ごとにならなくて良かった」

「そうだな。だけど極秘任務って何だろうな?」

「知らないよ。何か嫌な予感はするけど、今は戻ろうか」


 ベリット先生の言葉が気になるけど、レン達は学生寮の部屋に戻っていた。


「フゥ、帰ってきよ」


 レンは部屋の扉を開けて、中に入っていくと、聞き慣れた声が返ってきた。


「帰ってきたよ。じゃないわレン君、どこに言っていたの?」


 部屋で寛いでいたアリス達が、やばい表情で見ていた。


「何処って、ファングの秘密基地に案内されていただけだよ。案内はファングだけど」

「ちょっとレン、何を言っているのかな?」


 三人が怖い目付きで見るので、隠さずに全て話した。


「へぇ、ファング! 私達の約束忘れたの?」

「何のことかなアリス?」

「レイス君、ファングを押さえて」

「了解、ファングさん、勝手にレン師匠を連れて行かない約束ですよね。必ず全員の同意を付けて、改めて行動する約束です」

「いちいち同意を求めたら、絶対にアリスで止まるだろう」


 アリスの性格を知っているので、ファングが反抗を始めている。


「そんな事無いわよ。ファング以外の意見なら同意するわ」

「お前、俺の意見には賛同出来ないのか?」

「当たり前よ。ファングは戦い好きだから、絶対に危険な所に連れて行くでしょう?」

「俺は狂言者かよ」


 アリスが色々と、ファングに言っている様子を見ていたレンは呆れていた。


「リオス、テオ、あんまり見なくて良いよ。二人はゆっくり休みな」

〈分かったよレン。それじゃ、寝ようかテオ〉

〈そうだね兄さん〉


 リオスとテオは部屋の隅で、二人仲良く寄り添うと昼寝を始めていた。


「レン、助けてくれよ」


 三人に囲まれて、圧倒的に不利なファングが、助けを求めていた。


「自業自得だよね。僕はさっさと帰ろうと言ったんだよ。そうすればバレなかったのに」


 レンは冷たい目線で、ファングを見ながら言っていた。


「レン、待って頼むから弁明して」

「無理!」


 レンに見放されたファングは、三人にボコボコにされて、隅で蹲っていた。


「俺が何をしたんだよ」


 ファングは独り言を呟いていた。


「それでレン君、外が騒がしかったけど、何かあったの?」


 レンとファングが、双頭の黒竜で帰ってきた事を知らなかった。


「えっとそれは‥‥‥」

「それは何なの?」

「レン師匠、隠さない約束ですよ」

「レンお兄ちゃん、ちゃんと答えて」


 三人が詰め寄るので、仕方なく答えていた。


「さすがレン君ね。双頭の黒竜とか凄いわ。まさかあの二人が元々一つだったなんて、かなり興味あるわ」

「アリス、リオスとテオを苛めないでよ」

「冗談よ。でも、分離形態の時は力が二分するんだよね?」


 アリスが授業で見た、二体の黒竜を聞いていた。


「そうだけど?」

「なら、リオスとテオ専用の装備品を付けないとね。出し入れは指輪にしましょう。装備品はこっちで用意するわ」

「ありがとうアリス」


 ドラゴンに装備品を付ける予定だったので、アリスが双頭の黒竜の時と、二体の分離用の装備品を用意してくれる事になった。


「俺様は、双頭の黒竜の話よりも、ベリット先生の言葉が気になりますね」

「確かに、僕もかなり気になるよ」


 レオスとレイスは、ベリット先生の言葉が気になっていた。


「そうね。極秘任務って言うから、かなり危険な依頼かも知れないわ」

「僕もそう思うけど、ベリット先生から直接聞くしかないね」

「そうですね、内容が分かりません」


 四人は極秘任務に付いて考えていた。


「考えたって仕方ないだろう? 今は目先を楽しもうぜ」


 落ち込んでいたファングが立ち直っていた。


「相変わらず、切り替えが早いわね」

「落ち込んでいたら、先に進まないからな」

「ファングらいしいね」

「それで、今度の依頼はこれで行こうぜ」


 ファングはフォレストの空間から、一枚の依頼書を取り出して、テーブルに置いていた。


「ファング、いつの間に依頼書を取ってきたのよ」

「昨日だけど? レンに褒めて欲しいから抜け駆けして、見て来たんだよ」

「手回しが早いわね。ただフォレストの空間から取り出すのはどうかと思うけど」


 アリスが引き気味にファングを見ている。


「いちいち一言が多いよな。依頼書を無くなさいように、カイトに預かって貰ったんだよ。フォレストの中なら無くさないだろう」

「まぁファングが持っていたら、どこかに飛んでいくわね」

「うるさいな、そんな話は良いから、さっさと依頼書を見てやるのか決めろよ。レンがキレるぞ」

「それもそうね」

「はぁ、僕の顔色を見ながら、話さないで欲しいんだけど」


 これ以上喧嘩すると、レンがキレるので、足早に依頼書を眺めていた。


「うぇ、ファングこの依頼書は無いわ」


 アリスが依頼書を見て、引いていた。


「俺だって嫌だよ」

「なら何でこの依頼書を持ってくるのよ。まぁ依頼書を受付に持っていかない限りは、コピーを貰えるから仕方ないか」

「それでやるのか?」

「やるもやらないも、レン君が決める事よね」


 四人が、レンの方を見ていた。


「何で僕が決めるの?」 

「そんなのレンがリーダーだからだろう?」

「それは四人が勝手に決めた事だよね」


 四人が勝手にリーダー格にされているので、レンが不満な表情をしている。


「それでやるのか?」


 ファングが何回も聞いてくる。


「決める前に、この依頼書はファングが持って来たんでしょう? 何か理由がない限り、わざわざ持ってこないよね」


 ファングが依頼書を持ち帰って来るので、何か理由があると思っていた。


「レンは相変わらず、鋭いよな。ここの報酬を見て見なよ」


 ファングが依頼書の報酬部分を指さすと、アリスが大声をあげていた。


「えっ、依頼内容しか見てなかったけど、何よこの報酬!」

「ファングさん、この報酬本当ですか?」

「本当だから依頼書に書いてあるんだろう?」


 アリスとレイスが依頼書に書いてある、報酬を何回も見ていた。


「そんなに凄い報酬なの?」


 アリスとレイスを食いつきが凄いので、報酬の内容を聞いていた。


「凄いわよ。だって魔道鉄道半年間のフリーパスよ」

「魔道鉄道って、確か魔道具で作った列車だよね」

「そうよ。レン君は歩いて移動するから、あまり使わないけど、もしフリーパスが手に入れば、半年間は遠出出来るわ」

「それじゃ、普段行けない。地区も行けるよね」

「そうよレン君。歩きで行きにくい場所も、魔道鉄道が走っているから行けるわよ」


 アリスの説明を聞いて、目をキラキラしていた。


「でも、リオスとテオはドラゴンだから、乗って行けば簡単に行けるよね」


 リオスとテオは双頭の黒竜なので、五人を背中に乗せて何処にでも連れて行ってくれる。その為、魔道鉄道のフリーパスが手に入ると、半年間も二人を使わない可能性があるので、かなり複雑な思いがあった。


「まぁ、確かにそうだけど、ドラゴンを飛ばしていたら確実に目立つから、魔道鉄道を利用した方が良いわよ」

「そうだぜレン、半年間は魔道鉄道を使えるから、二人の正体を隠せるだろう? 出掛ける時は俺の腹の中に居させれば良いだろう?」


 ファングはフォレストの体内で、二人を過ごし貰えば良いと提案している。


「やっぱりそれしか無いか、僕は別に良いけど二人は大丈夫かな」

「大丈夫だろう。あの二人、一度フォレストの中に入っているから、レンが説得すれば大丈夫」

「本当に大丈夫なの?」


 アリスが心配になっている。


「まぁそこは説明するから、アリスは心配しなくても大丈夫だよ。それじゃこの依頼を請ける事で良いよね」


 レンが確認すると、四人は軽く頷いてオッケーサインを出していた。


「それじゃ、依頼書はファングが出してね。ファングが持って来たんだから」

「あぁ、分かったぜ。俺が受付で申請して置くよ。メンバーは前回と同じって言えば分かるからな」


 学園では既に有名な五人組なので、生徒や先生達に周知徹底されている。


「とりあえず、申請はファングがやることに決まったけど、もう一つ問題があるわよファング」

「はぁ、俺に問題だと?」


 アリスが意味不明な事を言っているので、ファングが聞き返している。


「だってこの依頼書の内容の部分に、依頼主も同席と書いてあるでしょう? なら依頼主が一緒に行くことになるよね」

「そうだけど、その内容で何で俺が問題なんだ?」

「問題ありね。ファングがヘマして、フォレストになったらどうするの?」

「うっ、それは上手くやるよ。絶対にレンに迷惑掛けないから」

「そう、なら良いけど、無理なら最初からフォレストで行動した方が良いわよ。まぁ、フォレストになるとレン君の命令に従って行動する制約が掛かるけど」

「それは俺だって分かっているよ。フォレストで活動するかは、依頼を始める前に判断するよ。その時はレン、宜しくな。俺はフォレストで行動することになるから、俺とカイトを導いてくれよな」


 ファングはレンに頭を下げていた。


「分かったよ。その時は大人しく精霊四人と行動してよ」

「あぁ、分かっているぜ。まぁ精霊四人からは色々言われそうだけどな」

「それじゃ、依頼の件はこれで終わりね。私達もそろそろ帰りましょう。ファングはちゃんと依頼書を出しなさいよ。それじゃレン君また明日ね」

「うるさいな、いちいち念を押すな。それじゃまたなレン、何かあったら直ぐフォレストと呼べよ」

「それじゃレン師匠、レオスさん、また明日も宜しくお願いしますね」


 三人はレンとレオスに挨拶すること、足早に帰っていった。


「帰っちゃったね。レオスは今日の授業ちゃんと出来た」


 今日から、レオスも授業を受けるので、初日の感想を聞いていた。


「うん、出来たよ。出来ない部分は兄さんの力を借りちゃったけど、基本的には僕の力でやったよ」

「へぇ、凄いねレオス、偉いよ」


 レンはレオスの頭を撫でていた。


「えへへ、レンお兄ちゃんに褒められちゃった」


 レオスは顔を赤くしている。


「それじゃ、軽く休んだらリオスとテオを連れて食事にしようか」

「賛成! 僕、授業で疲れたから少し休むね」

「僕も、少し休むよ。レオス、一緒に寝ようか」

「うん、レンお兄ちゃんと一緒に寝る」


 それから二人は軽く休むつもりだったが、気付くとリオスとテオに起こされて、時間を見ると夜を迎えていた。二人は慌ててリオスとテオを連れて、夕食を取る羽目になっているのだった。

次回更新は未定です。温かくお待ち下さいm(__)m

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